音楽聴取記録(交響曲の聴取 各曲の聴取記録 通しNo.51 hob-No.-44


No 
Hob.
No.
 
通称名   作曲年 調性   楽

 fl  fg trp  cl  timp   cmb ランク    聴きどころ、ポイント
51 44 悲しみ
Trauer
 1770-71 e 4 -  -  - - (1) A 第1楽章は暗い盛り上がりで終結。
       1 e Alleglo con biroo
       2 e Menuetto & trio
       3 E Adagio
4 e Finale、Presto
 2013年8月24日 追記。hob-No.-49 f-mol と、混同していたため、再度、聴取し直し。以前も3者の演奏を聴いているが、聴き直しのため、ホグウッド盤から聴取。最新名曲解説全集では、No.31に続いて登場。この中では、この時期に短調の交響曲が突出して作曲されていること。対位法的な書法が積極的に導入されているのは、顕著な特徴と記載が。短調がここまで突出している原因としては、当時の楽長ヴェルナーの死去によるとのこと。
 また、この時期の交響曲としては、作曲者自身がことのほか愛した作品で、自己の葬儀の際には、緩徐楽章の第3楽章を演奏して欲しいと語ったと言われている。
 第1楽章は、再現部で著しく拡大され、最後のcodaは、劇的な盛り上がり。ホグウッド盤では、奏者が少ないのにも関わらず、最後の盛り上がりが十分。井上著「ハイドン106の交響曲を聴く」では、第1楽章に弦のユニゾンの効果がある。ついつい対位法に注目されてしまう。しかしその背後には、ユニゾンがあってのこそ。第2楽章のMenuetも、カノン風に追随して、暗い雰囲気が終始。trioでは、今まで殆ど活躍しなかったhr.が花を添える。
 Prestoの最終楽章は、対位法は、もちろん、ユニゾンがあってのこそ。ホグウッド盤は、長調の交響曲では、比較的、管楽器が割合に目立つ。それに対して、この曲を含めた短調の交響曲は、緩徐楽章以外は、余り目立たない。通称名の付く、No.45(ホーボーケン番号だと、直ぐ次に位置する)とともに、同じ頃に作曲された長調の交響曲とは、全く対照的。むしろ、No.44のこちらの方を個人的には高い評価をしたい。同じ作曲者とは思えない典型的な短調の曲。
 2013年8月25日 ドラティ盤を聴取。普段は、ドラティ→フィッシャー、デイビス盤の順番で聴きくこと多いが、今回は順番が異なる。ホグウッド盤を聴いてから、ドラティ盤を聴くと、弦の奏者が多いこともあり、細かいパートの動きが不明瞭。特に、低弦は音量は大きいが、ユニゾンや対位法の細かい音色がはっきりしないのは、やや不満。カノンの書法で通すvn.と低弦との、やり取りも、今ひとつ。
 2013年10月12日 追記。 ヴァイル指揮のターフェルムジークの演奏を聴取。弦楽器を中心とした対位法とユニゾンの効果を聴きどころの一つとしていた。各楽器のパートの広がりが十分に聴き取れる。第2楽章のMenuetも同様で、第2vn.の方から、主旋律を提示する部分などは、明白に聴き取れるので、弦楽器が主体の当時の交響曲の雰囲気が出ていると思う。なお、ヴァイル番のクレジットでは、この第2楽章は、canone in diapason の注釈がある。(後でもう一度、確認をしてみたらホグウッド盤のライナーノートにも記載がしてあった。)
 第3楽章は、一転して、主旋律の第1vn.を引き立てるように終始。ユニゾンで引く箇所は、それほど目立たないが。対旋律を受け持つ伴奏的な部分だと、控えめに寄り添う役目に終始。ホグウッド盤と違って、繰り返しは忠実に守らないので、終楽章などは、速いテンポとも相まって、キビキビと一気
 
2015年7月25日 追記。ジョン・ラボック指揮のセント・ジョーンズ・スミス・スクエア管弦楽団のCDを入手。2015年725日に聴取。このCDは、余り知られていないようだが、ハイドン音盤倉庫でかなり良い評価の記載があった経緯から今回入手。録音は、1986年と記載があるだけで詳細は不明。使用楽器はモダンで、編成はやや少ないプルト数か。第1〜2楽章にかけては、これといった特徴は余り感じない。なお、第2vn.は、右側に位置しているので、Tutti箇所で、第2vn.のオクターブなどの下がったユニゾンの音色などが、存分に聴き取れる。第1楽章の繰り返しは採用。
白眉は、第3楽章のAdagio。かなりテンポを落とし、じっくり歌わせている。T16から初めてこの楽章で管楽器が登場する。天井から降りてくるような雰囲気。くりかえしはしないが、違和感は全くなし。ヴァイル盤の古楽器とは対照的。
 
2016年1月9日 追記.
ハイドン音盤倉庫でかなり良い評価の記載があった経緯から今回入手.
D.バレンボイム 指揮 イギリス室内管弦楽団のCDを入手。楽器の配置では第2vn.は通常の左側。ヴァイル盤と違って、第2vn.は右側に位置しないので、Tuttiでのvn.全体の音量は、殆ど、左側のみ。その分、va.を含む低弦が右側でvn.と対抗。Cmb.は、最初からbassパートと一緒に演奏しているようだ。
第3楽章の、Adagioのテンポがかなり遅めだが、謡うようにきれいな雰囲気。弦の編成は、少なくもなく多くもない。管楽器は、T16で、初めて登場する部分が、それまで静寂を保っていて添えるような雰囲気。 1975年の録音だが、音の定位、分離感などが、とても自然で聴きやすい。Finaleは、繰り返しを採用していない。その分、しっかりと聴いていかないと、すぐに終わってしまう。(僅か3:35)
一番の聴き所はこのFunale。Prestoのテンポは、それほど、速いものではない。T18から第2vn.とvc.、bass.で第1主題を受け持つ箇所。この部分でも第1vn.の対旋律に負けないように、しっかりと形を作る。この解釈は、T51のvc.とbass.の旋律も目立つように演奏。繰り返しはないが、緊張感が切れることなく、一揆に終わる。なお録音データによると、録音会場はエディンバラとなっている。
 2016年6月14日 ブリュッヘンOrchestra of The Age of Enlightenment  No.49を聴取。緩除楽章は概して遅めのテンポだが、このNo.49の第1楽章も同様。冒頭の弦の各パートのユニゾンの部分が聴き所と、この曲では書いてきた。楽器編成が少なく、弦楽器が中心となるので、vn.パートは、広がって聞こえて欲しいが、通常の配置。ブリュッヘンでは余り特徴はないと思った。
 

2016年9月6日  トン・コープマン アムステルダム バロック オーケストラ No.44を聴取。 1984年 アムステルダム フランス改革派 ワールセ教会の録音でエラートレーベル。ライナーノートによると、総勢16人で第vn.から順に3・3・2・1・1の弦楽部にob.hr.各2、fg.1.Cmb. 冒頭からcmb.が入る。vn.の配置は対向配置で第2vn.は右側。規模からして当時のエステルハージの規模と同様。調性の違う2本のhr.は並んで位置している。
 カップリングは、この曲以外に、No.45.49となっている。安田和信氏のライナーノートによると、3曲がいずれもバロック的書法、対位法的書法で、哀悼と受難という本来、教会堂内での演奏を意図して書かれた曲を集めている。 
管楽器の活躍が少なく、弦のユニゾンと対位法的な動きがポイントの曲の一つ。2つのvn.パートが均等に分離していて、第1楽冒頭のT1からの主題が、左右一杯に広がる。第3楽章 Trioは、ついついhr.の音色に注目するが、2つのvn.パートも聴き所のひとつ。ここでは、各パートが3?度離れて分かれている。この部分が明白に分かる。ライナーノートにも書かれているが、小編成のオケで、緩急と強弱のコントラストの巧みさが特徴。たとえば、Finaleは、T1からのユニゾンのf。T7からは2つのvn.パートが分かれて、対位的な動き。Tuttiでの圧倒的な迫力は余りないが、小編成の細かい動きで旨く表現されている。
 
2017年1月9日 T. ピノック No.44を聴取。古楽器の使用で配置も一緒の以前、ヴァイル盤を聴いて、この曲の評価をさらに上げた経緯ある。テンポも類似していて、どれほどの違いがあるか、再度、ヴァイル盤を聴取して比較をしてみた。楽器編成でCmb.がピノックは入るがヴァイル盤はなし。しかし、それ以外に、Hr.の配置も含めて(2本ずつのhr.は広がっていない)全く同じ。奏者の数がヴァイル盤の方が、少し多いようで、録音もこちらの方が鮮明。
ユニゾンが多い箇所がありながらも、不協和音を連発が聴き所のひとつ。第1楽章のT140の終わりに近い弦4分のtento。ここでは、2つのvn.がオクターブ離れた半音が対比される。ヴァイル、ピノック 両者ともに、第2vn.が右側で明白に聞える。強いてあげれば、ヴァイル盤の方が、編成が少し大きい分、このtento の部分で、不協和音の対比が大きく聴こえて印象が少し大きいと思った。
 
2017年4月2日T.ファイ No.44を聴取。同じ頃に作曲されたNo.44と共通点のコメント(たとえば第1楽章[T90からのシンコペーションのリズムなど]の記載もブログなどにある。しかし私としては、むしろNo.46の方との共通点が多いと思う。第1楽章の第1主題は、調性こそ違うが明らかにNo.46は、No44の第1主題を鏡の様に旋律を変形したパターン。下記のブログにも、同じ趣旨で記載。

http://www2.biglobe.ne.jp/~endoy/haydn046.html

冒頭の第1主題は、Allegloのテンポを忠実に守る。一方、提示部の繰り返しでは、極度にテンポを落とす。さらにその後に続く旋律もrit.をかけるようにT13からAllegloのテンポと対比させる。提示部以外に、展開部+再現部の繰り返しの部分では、テンポの変化はあるものの、繰り返しでの装飾は殆ど控えている。

第3楽章の緩除楽章。ファイの普段の解釈では、繰り返しの後半は微妙に装飾を加えることが多い。しかしここでは、珍しく殆ど装飾を加えていない。展開部を欠いた2部形式。管楽器もできるだけ伴奏に徹するなどで切り詰めた表現を得るために、敢えて、装飾を採用しなかった思う。Finaleは速いテンポ。こちらはソナタ形式で、繰り返しは全て採用。しかし速いテンポで一気に終わる。第3楽章と同じ様に繰り返しの装飾はない。短調による表現が中心で、打楽器を含まない小編成。作曲者は「切り詰めた表現」を根底に据えている解釈から、この曲全体を通じて、ファイは敢えて装飾は控えた解釈を通したと思う。
 
2018年5月1日 48番 ロスバウト バーデン=バーデン南西ドイツ放送交響楽団 を聴取。1961年の録音だが、No.12.19と同じCDに収録。第1楽章を中心に音源に、少し歪があるようだ。このシリーズを聴き始めて、打楽器群が始めてはいることもあり、編成は大きくなるようだ。しかし、恩芸の成果、ダイナミックレンジがかなり狭く聴こえる。
 第2楽章は、このシリーズで聴き始めて、vn.に弱音器を使用。この頃からハイドンの特徴ではあるが。管楽器群も随所に入るが、hr.を中心に、soloの部分は、弦楽器は伴奏に徹しているのが良く分かる。たとえば、展開部の終わりにT50に近い部分。ここでob.とhr.の旋律がある。この部分は、ob.よりもhr.を目立たせている。

テンポは今までと同じ様に、概して、緩叙楽章は少し遅め。第3楽章のMenuet 主部で後半の繰り返しは採用せず。他の箇所でも繰り返しが少ないので、細かいところまで集中して聴く必要がある。
 
2018年9月3日 チャールズ・マッケラス セントルークス管弦楽団 No.45を聴取。第1楽章のテンポは速め。vn.は対向配置でないこともあり、冒頭からの第2vn.のシンコペーションの動機が不明瞭。No.31と同様にcmb.は終始入っている。
 Finaleの後半、奏者の数が次第に減ってくる部分。弦の各パートも明らか少なくなっているのがよく分かる。セッション録音のためか、減ってい来る演奏以外の音(退場時の椅子の音など)は全くない。ある意味、ライブの雰囲気はかけていると思った。
 2019年2月1日44番  N マリナー アカデミー室内管弦楽団 を聴取。下記のブログにも高い評価の記載がある。(ハイドン音盤倉庫) このブログでは特に、キレの良い演奏についての言及がある。

http://haydnrecarchive.blog130.fc2.com/blog-entry-826.html

モダン楽器で中規模の編成だが、cmb.が装飾を含めて初期の交響曲と同様に入っている。No.43にも記載をしたが、soloの箇所は全くなく管楽器でhr.はの43と同様に、和音を補強している箇所が多い。調性の違う2本のhr.は左側に並んで位置。冒頭から強弱と起伏が激しいのが印象的。第1楽章の終わりの方で、 T140 のTenuto の不協和音を挟む部分がある。以前、ピノックの演奏ではvn.の対向配置を含めて、どこまで引き伸ばすかも興味がある。(フェルマーマータ付き)

 以下はアドレスはピノックのアドレス

http://mistee01.blog118.fc2.com/blog-entry-663.html


マリナーは、当初からの速めのテンポを通して、このT140の部分は、Tenutoを忠実に守るが、その後、余り引き伸ばさずcodaに向けて一気に進む。

 圧巻はFINALE。テンポは、速いのは今まで通り。hr.を含む管楽器はあくまで伴奏に徹して、弦楽器が主体で進む。各パートの強弱の対比が激しいのが印象的。たとえば展開部の入り口のT75 提示部の終わりの部分では、p で柔らかい雰囲気で一旦、終始する。その後、T75のTuitti ユニゾンで冒頭の動機が登場するが直ぐに p に消える。この対比の良さ。第2vn. va.のシンコペーションの旋律も管が気の持続する和音とも対比されて、4分音符の第1vn.の旋律とも対比が十分。T78で第1vn.だけなが、4分音符で先行して登場する。ここでも、この第1vn.の旋律が引き立っている。疾風怒濤期では Tuitti ユニゾン  転調、 強弱など様々な聴き所がある中で、この曲はもっとも特徴的なひとつだと思った。 
また録音に関しても、No.6-8の協奏交響曲とも少し異なり、定位感分離感も十分。やや少なめと思う残響がその分、曲の特徴を生かした良い録音とも相まって入る。vn.は通常配置。緩叙楽章の第3楽章で、2つのvn.パートは同じ旋律の音程で引いている箇所が多い。Va..以下の低弦は殆ど伴奏に徹している。2つのvn.パートが多少、独自の動きなどが多ければ、対向配置が好ましいと思う。左側の2つのvn.はでの一体感がある意味、特徴になっている雰囲気。
 2019年3月31日 エルンスト・メルツェンドルファー ウィーン室内管弦楽団 44番を聴取。Tuittiの箇所でも、どちらかといえば珍しく、終始管楽器は伴奏に徹している。最近だと、N マリナーでのモダン楽器で、切れの良いながらも起伏の激しい点が印象にあった。こちらの方はマリナーほどには、切れが不足している印象。第1楽章の冒頭から、録音が悪いほうで左右のバランスがずれていたりする箇所あり。