音楽聴取記録(交響曲の聴取 各曲の聴取記録 通しNo.24 hob-No.-107 B


No 
Hob.
No.
 
通称名   作曲年 調性   楽

 fl  fg trp  cl  timp   cmb ランク    聴きどころ、ポイント
 24 107 B    1762 B 4 -  -  - - (1)   習作風の4楽章。
       1 B Alleglo molto
       2 B Menuettoーalegretto
       3 Andante
4 B Presto
 Menuettoがある4楽章だが全般的に演奏時間が短い。通しNo.では24番目に位置し、1762年頃の年代になっている。習作というか簡単に書いた様な感じが強く、聴き通してみると、もっとも初期の頃の作品に近い雰囲気。Menuettoのtrioでは、fg.のsoloあり。フィッシャー盤では、このtrioでvn.soloとなっている。Andanteは2部形式の小カノン風。
 2010年12月21日 ディビス盤を聴取。Alleglo molto のテンポは、ややゆったり目。Adannteのテンポは、かなりゆったり。管楽器が休み弦のみで演奏。音量もかなりフィッシャー、ドラティ盤以上に落としている。その分g−mol の調性とも相まって独特な雰囲気。他の楽章は主調のBであるのと対照的。第3楽章だけをとったら、Cランクとしたいが全体を通すと、Dランクのまま。
 2015年3月1日  ゴバーマン盤を聴取。ゴバーマンは、全集の録音に至っていない。補完的な、当初の104曲には含まれなかったAとBの2曲は、14枚目のNo.98に引き続いて収録され最後になっている。
 第2楽章 Menuetto のTrioの部分では、独自の旋律で装飾。第3楽章 Andanteは、テンポをかなり落として、第2vn.から始まる冒頭の旋律が引き立つ。僅か35小節しかない緩除楽章であるが、対旋律で浮き立つゴバーマンの演奏は、遅いテンポととも相まって全集盤の3人(フィッシャー、ドラティ、デイビス)やホグウッドなどと比較して一番と推薦したい。
 2019年3月4日 エルンスト・メルツェンドルファー ウィーン室内管弦楽団 107番B を聴取。 ハイドン音盤倉庫で下記のブログで、緩叙楽章での弱音の美しさについての記載がある。

http://haydnrecarchive.blog130.fc2.com/blog-entry-1747.html

 今まで聴いて来た中で確かに緩叙楽章は、どちらかといえば遅めのテンポでvn.を中心に旋律を引き立たせるのが特徴と思う。通し番号20番台は、1762年ごろから1764年頃。1761年のNo.6〜8シリーズとNo.31 「ホルン信号」の間に大体位置している。疾風怒濤期の前であるが、どちらかといえば曲自体に特徴が余りにないものが自分なりに感じていて、聴取記録を書くには少し苦しい時期にあたると思う。
 この曲も元々、自分なりにランクを低くしていて、それほど特徴はどの指揮者も余りないように記載をしてきた。Menuetが第2楽章になり、緩叙楽章がFinaleのひとつ前の第3楽章になる。この頃の特徴のひとつとして緩叙楽章は全て弦楽器のみ。 d-mol で弦の各パートがカノン風に進んでいく。テンポはかなりゆっくり。珍しく展開部と再現部の繰り返しも採用。メルツェンドルファーの演奏だと6:58にも渡る。緩叙楽章の消えるように終わる終始から、Tuittiで明るい雰囲気に対比されるところはどの曲にも共通している。特にこの曲はmenuetを挟まないので対比が目立つ。録音は普通。第2楽章trioでfg.のsoloがある。この部分で他の曲と同様に、soloに近い箇所で管楽器が登場する部分は多少の違和感がある。SoloとTuittiでの溶け合い感は余りなく、平面的な音響。