通
No |
Hob.
No. |
通称名 |
作曲年 |
調性 |
楽
章
数 |
fl |
fg |
trp |
cl |
timp |
cmb |
ランク |
聴きどころ、ポイント |
16 |
15 |
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1761 |
D |
4 |
- |
1 |
- |
- |
- |
(1) |
C |
ピチカートの効果 |
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1 |
D |
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2 |
D |
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3 |
G |
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4 |
D |
Finale |
第1楽章は3部形式の様。最初の第1主題は、主旋律はvn.であるが、伴奏の低弦がピチカート。曲の出始めからピチカートに会うとベートーベンの第1交響曲にも似ているかもしれない。 各楽章で、soloのパートが多くあるが、ビオラ(va.)とチェロ(vc.)のパートが第2楽章のtrioで長く掛け合いで聴ける。音色の工夫のために、楽器のsoloを今までよりもパターンを変えている。 曲全体の構成は、一つ前のHob−No.-32と類似。第1楽章の形式が、今までのソナタ形式でない純然たる3部形式。第2楽章のMenuetのtrio.の部分が長く、管楽器が休んでいる点などは、今までにない手法。 →聴きと通しみて、過去にはあった手法である。 Finaleは中間部に短調を挟むが、かなり長い。 全体を通して聴いてみると、細かい点まで、新たな発見がある曲。ランクはCで変わらず。.井上著では、この交響曲ではハイドンは、これまでの交響曲の定型を壊そうとしたのではないか?との記述がある。この表現は、作曲順に聴いて見ると、的を得ている。 |
2010年12月8日 ディビス盤を聴取。各パートにsoloが多くある点から、この頃よりモルツィン侯爵からエステルハージ侯爵の副楽長に就任した一番最初の曲になると推定。ディビス盤でも、この曲からエステルハージ副楽長としての作曲のCDに入っている。 |
2011年3月7日スコアを見ながら再度、3者の演奏を聴取。最初のAdagioは33小節。その後のPrestoは77小節。帰ってくるAdagioは18小節。中間のPrestoは純然たるソナタ形式で、提示、展開、再現部が、きれいに並んでいる。第1楽章の構成からして、今までにない形式。中期の頃の交響曲でも、楽章によって、最初の頃の部分が回帰してくる曲もあったと記憶。その先駆をなすための実験策でなかったか。なお、モーツァルトのイタリア風の交響曲でも似たような形式はあるが。 第2楽章のMenuetでtrioは弦のみ。フィッシャー盤ではtrioの部分は例によってsoloになっている。この交響曲の最初に記載した通り、この点は、ひとつ前のHob-No-32に通じる所を再度、確認。 第3楽章のAndanteも、弦のみでの演奏。この点も一つ前のHob-No-32と共通。随所で、低弦は独自の動きがあり、vn.と旨くやりとりをしている。 Finaleは作曲者はPrestoの指示をしているが、フィッシャー盤では、これよりも遅いテンポを取っている。中間部の短調の部分でもテンポの指定はないが、3/8拍子。最後の短いcodaがあるが、聴けば聴くほど、意外な発見があり、ランクはCで良いと思った。 ドラティ盤での違いは、第1楽章のPrestoでのテンポの速さ。第2楽章のtrioのsoloの扱い。(フィッシャー盤では、しばしばだが、ドラティは珍しい)FinaleのPrestoの指示は忠実に守っている。 ディビス盤では、trioの部分は、vc.のsoloのみとしている。スコアを見ると、vc.はsoloの記述はないが、明らかに高音の記号で記譜してある。作曲者は高音部でのvc.のsoloを要求したのであろう。Andanteのテンポは速めであるが、録音の良さもあってか、細かい音まで聞き取れる。Finaleのテンポは、フィッシャーとドラティの中間。 |
2013年2月11日 追記。ホグウッド盤を聴取 第1楽章のAdagioでは、ピチカートの効果を聴き所で記載をした。それに伴って、第1vn.の旋律が引き立たせる。このvn.の動きは、手持ちのスコアでは、単旋律のみであるが、ホグウッド盤では、さらにパートに分かれているように聴こえる。その分、小編成でも、各パートの細かい音が聴こえる例なのかもしれない。 Menuetのtrioは弦楽器のみであるが、珍しくva.とvc.が旋律を受け持つ。両者は同じ音域であるが、ここでは、vc.が普段よりも高い記譜記号で書かれていて、vc.の方が目立つ。 |
2015年2月22日 追記。ゴバーマンを聴取。 曲の聴き所のポイントとしてAdagio(後半にも回帰)をあげたが、va.以下の低弦のピチカートが効果的。この部分では、普段は目立たないcmb.が、かなり大きく左側にピックアップ。第2楽章のTrioで、bassは、soloあるいは、奏者を減らているか? 繰り返しの指定がない、短いFinaleのテンポは中庸。 |
2019年2月24日 エルンスト・メルツェンドルファー ウィーン室内管弦楽団 15番を聴取。繰り返しの箇所が少なく、形式も今までと異なり実験的な新たな展開という感じのひとつ。第1楽章の冒頭から弦のピチカートなど斬新な雰囲気。メルツェンドルファー ではピチカートの部分は、たとえ伴奏の部分であっても低弦を含めてかなり目立たせている解釈。その後のhr.(右側)も控えめに位置。 第2楽章 Menuet trio の部分で、vc.とbass.が聴き通してみて初めて分離の部分が登場する。ここではva.も独自の動きがある。vc.は中央、やや右よりに位置。bass.との分離もよく分かる。録音も良好。 |
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