音楽聴取記録(交響曲の聴取 各曲の聴取記録 通しNO.10


No 
Hob.
No.
 
通称名   作曲年 調性   楽

 fl  fg trp  cl  timp   cmb ランク    聴きどころ、ポイント
 10 19    1757-60 D 4    3  -  1  - 第1楽章、第2楽章を中心としたvn.の掛け合い。
       1 D
       2
       3 D
 第1楽章Allegloは、割合にはっきりした主題。経過部で第1vn.と第2vn.が掛け合うところは面白い。第2楽章は緩徐楽章の短調。低弦がvn.と掛け合うようなところは美しい。しかし全般的に聴き通すと、ここという特徴はなし。
 ドラティ盤は第1楽章のテンポは、フィッシャー盤と比較して速め。hr.の音もはっきりしていて各パートが珍しくフィッシャー盤よりもはっきりと聴こえる。D調の明るい雰囲気も相まって楽しく聴くことが出来る。第2楽章のAndanteも、第1楽章との対比がはっきりしている。ドラティ盤の方を勧めたい。
 第1楽章hr.の活躍ぶりは、打楽器的。この手法は初めての登場と思う。hr.は同じ音程の箇所が多いこと。16部音符の箇所が少ないながらもあり、これが効果的になっている。それに対してNo.17は、この様なhr.の動きは見られないので対照的。
 2010年12月5日 ディビス盤を聴取。曲自体の魅力は乏しい。No.17の先ほどの交響曲について、調性をそのままD調に移しただけの印象。
 ディビス盤は37枚のCDからなっている。作曲の順番に収録されているが、この様な分け方(編集方法)について、ジャケットを見てみた。4枚目までのHob−No.-32までが、Early symphonies の英語表記になっている。一方、Hob−No.-15から28までは、The first symphonies written for prince esterhazy の記載になる。このCDを含む一連の交響曲はエステルハージ侯爵の前に分類されている。 
 2011年7月23日 Hob-No-19 をスコアを見ながら再度、聴取。フィッシャー盤は概してテンポが速いが、このAllegloに関しては、遅め。ドラティ盤は第1楽章は速めのテンポが、第2楽章では一転してゆっくりめ。第3楽章の51小節から第2vn.が低い音域で強調して引いているのは意外な音色。
 一方、ディビス盤は全体的にテンポは遅めなのは共通した点。第2楽章は、短調で弦楽器のみの使用。vn.は、まだ弱音器の使用はなし。前回と比べても、残念ながらランクはDのまま。
 2013年2月9日 追記。ホグウッド盤を聴取。第1楽章、第2楽章を中心としたvn.の掛け合いをこの曲の特徴と記載をした。ホグウッド盤では、小編成でもあり、この部分が細かく聴き取れる。展示部だった旋律が、再現部では、微妙に異なる。
 ホグウッド盤では、第2楽章の展開部と再現部の繰り返しは省略。
 2018年4月28日 ハンス・ロスバウト指揮のバーデン=バーデン南西ドイツ放送交響楽団のNo.19を聴取。ハイドン音盤倉庫にも、一部ではあるが、レビューされている。

http://haydnrecarchive.blog130.fc2.com/blog-entry-1666.html

CDは7枚組みであるが交響曲も含まれている。作曲順番から通して聴くため、今回はNo.19からスタート。1961年のモノラル録音。録音時期が古いこともあり、ダイナミックレンジもやや狭い。 モノラルのため音の広がりが分からない。
 自分なりの曲のランキングでも低い評価をしていることもあり、曲自体の印象が余りない曲のひとつ。井上著 ハイドン106の交響曲を聴く でも「凡作」と一蹴されているが私も同じ感想。
 第1楽章のvn.パートも掛け合いが聴き所であるが、モノ録音のため、掛け合いが分からない。No.17と異なり、hr.独自の動きがあるが、余り目立たない。(録音による影響も多いようだ) 第1楽章の提示部の繰り返しは行うが、展開部と再現部の繰り返しはなし。第2楽章も全て繰り返しがない。全体的に、これといった特徴は余り見出せない印象。
 2019年2月18日 エルンスト・メルツェンドルファー ウィーン室内管弦楽団 19番を聴取。まとめて作曲された初期の一連の曲のひとつ。それぞれ共通した特徴があると思う。大半は3楽章で、中間部は疾風怒濤時代と異なり弦楽器のみを使用。必要に応じて、vn.は弱音器やピチカートが使用される。このNo.20はひとつ前のNo.17と同様に弦楽器で弦楽器のみ。57小節しかなく繰り返しをすべてしても、メルツェンドルファーでも3:54 しかない。
 シンコペーション風のリズムが提示部の後半、T13から登場する。この旋律は展開部と再現部にも登場するので役割が高い。この部分では、第1vn.とva.以外に対旋律である下降する旋律も登場する。特に第2vn.の音色は、やや低い音域で第1vn.に消されて姉妹勝ち。対向配置であるが、メルツェンドルファーでは対等に聴こえる。ハイドンの魅力のひとつに、各パートの分離感と一体感の対比がある。この部分が典型のひとつ。録音も良好。