音楽聴取記録(交響曲の聴取 各曲の聴取記録 通しNO.71から
アクセスカウンターページカウンタsince2011年8月15日

No
Hob.
No.
通称名 作曲年 調性 楽章数 楽器編成 ランク 聴きどころ、ポイント
fl fg hr trp timp cemb
71 67 1779 F 4 2 2 不要 A CDの聴取よりも楽器の演奏を実際に見てみたい曲。
楽章の構成 調性 リ*1 曲全体の中で楽章の構成がユニークで、最初にFinaleの様な旋律と雰囲気のPrestoが来る。Prestoは大規模なソナタ形式で、第1主題は、比較的短くて単純であるが、一度聴いたら覚える魅力的な旋律。展開部は、各動機を扱いながら展開し長い。再現部のcodaでは弦のsoloが入る。Adagioは、vn.に特殊な奏法がある模様。
 圧巻は、Menuetのtorio部分。2本のvn.のみで演奏。vn.の開放弦の調弦が通常より異なり新鮮な音となる。Finaleは、3部形式だが1,3部はソナタ形式。第1部は繰り返しがある。中間部は、全く違った旋律とAdagioのテンポ。その後、第1部が再現され、codaの部分でsoloを挟んで終わる。親しみやすい旋律と楽器の扱いや音色に随所に工夫が見られる。特に、Menuetのtrioは、恐らく、ソリストがvn.を持ち替えての演奏と推定。CDで聴取をするよりも、楽器の演奏を実際に見てみたい曲として推薦したい。この頃の曲としては、ベストのものとして推薦したい。当時は人気のある曲であったと推定。俗称名がないのが不思議。
 ドラティ盤は、例に寄って、随所のsoloが少ない。Menuetでのtrioの2本のvn.の扱いもやや、目立たないので細かい音が分かりにくい。第1楽章のPrestoは、展開部と再現部の繰り返しがあり、その分、演奏時間が長くなっている。初期の頃と異なり、再現部は提示部と異なって短いながらもcodaがある。このため、繰り返しがない方が、すっきりと聴こえる。
「追記」ハイドン106曲の交響曲を聴くの著作 井上太郎著より。Menuetのtrioで、vn.演奏について。私なりには、第1vn.では、調弦を換えた一人のソリストが2つのvn.を持ち替えて演奏していたと思っていた。しかし、この本によると、第1vn.は弱音器をつけたE線で弾き、第2vn.は弱音器をつけたD線とG線で弾くとなっている。G線は1音下げたFで弾くという指定となっていた。調弦を換える点では、予想通りであった。しかし奏者が2人であったこと。それも調弦を換えるのは、第2vn.であったことは予想とは外れていた。
 しかしながら、第2vn.のソリストは、Menuetで演奏をしていなければ話は別であるが、調弦を換えた2本のvn.を持ち替えての演奏をしたと思う。その場合は、持ち替えての演奏が期待を出来る。この点からも、やはり実際の演奏を見たい曲の価値としては変わりない。またランクもAを維持していると思った。実際、この本でもハイドンの独創性が存分に発揮された傑作と書いてある。
2012年3月10日追記(その1) MenuetのTrioの部分のsoloは初めて聞くと、意外な音色も含めた聴き所と記載をした。井上著でもG線を一音下げたFの音程で引くと記載してある。vn.の第1弦の開放弦は、本来G音であるから、それよりもさらに1音低い音程となる。
 (その2)スコアを見ると本来、vn.では出せない音域が記載をしてあり、あらためてびっくりする。あわせて、もし実際の演奏を考えた場合、正確に1音低い音程が出せるのか。気になるところである。
(その3)だいぶ以前になるが、マーラー交響曲No.4の生演奏を見に行ったとき、第2楽章にも共通する点がある。すなわち、この楽章では、半音高いvn.奏者のsoloがある。それに対してTrioでは、通常の調弦をしたvn.のsoloがある。この2つの楽器をコンサートマスターは、使い分けていた。
(その4)また、ソリストの傍らにもうひとつのvn.を置いていた。このNo.67番でもソリストは、このTrioのときだけ、事前に調弦した別な楽器に差し替えていたに違いない。実際の演奏を見たいものである。
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2013年11月3日 デイビスを聴取。元々、この頃の作曲で一番好きな曲だったので、デイビス盤なりの表現方法を期待して聴取。cmb.が入っているが、違和感はなし。プレストの一貫したテンポを通してる中、旋律の細かい動き(調生は元より、各楽器の旋律の受け渡し、ピチカート、スラーとスッッタカートの微妙な対比)が、楽章の間でいたるところで、記載されスコアを見ると音符が、跳ね回っている雰囲気。
 一転してAdagioは、デイビス盤にしては、思ったより速めでAndannte並みのテンポ。しかしながら、これも違和感なし。Menuetのtrioは思ったより、第2vn.の低音域が目立たず。Finaleの中間部で、テンポ、拍子、楽器編成、強弱が、がらりと変わった中間部に入る。このあたりの変化など、聴きどころに記載をした実際に聴取してみたい部分のひとつである。デイビス盤では、ライブ録音とも相まって、臨場感が抜群。4者の中では、この臨場感を重視したこともあり、この盤を推薦したい。
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2016年2月27日 ホグウッドNo.67をNo.68から引き続いて聴取。8分音符の僅か1小節しか構成されない動機がいたるところで展開される第1楽章。この動機がスッタカートだったりスラーだったり変形されながら、各パートで引き継がれる。T18でvc.の長い音色が、比的。ホグウッドの演奏は、小編成で8分音符の第1vnのパートと対比がすばらしい。T57のフェルマータで一段落する休止がある。ここでは長めの休止となる。
 Finale T78からの中間部分。弦3パートのsokoの開始の直前は、Tuttiで終わるのと対照的な雰囲気。この続きのT98からp指定で、全てのパートがTuttiでからみあう部分が美しい。この中間部分は旋律的で、モーツァルトの様な、オペラブッファの中間部の様に聴こえる。ハイドンにしては、珍しい。同じ頃に作曲されたNo.66.や68と比較して、この様に、念入りに特徴的に作曲できるのか?楽器編成は少ないが、ホグウッド盤ではTuttiでの柔らかい音色とも相まって、フィッシャー、ドラティ、デイビス盤などとは独特。もし、ゴバーマンが録音していたら、モダン楽器で、vn.の左右に広がった音色で聞いてみたい。

Presto F
2 Adagio B
3 Menuet F
4 Finale、Alleglo di moltoーAdagio cantabileー Alleglo di molto  F


No
Hob.
No.
通称名 作曲年 調性 楽章数 楽器編成 ランク 聴きどころ、ポイント
fl fg hr trp timp cemb
72 69 Laudon 1779 C 4 2 2 2 不要 B 親しみやすい旋律と通称名で当時からの人気作品。
楽章の構成 調性 リ*1 Vivaceの第1楽章は中規模のソナタ形式。C調で明快な主題はNo.48の主題に類似。通称名のLaudonは実在の人名で、トルコ軍を撃破したオーストリアの元帥のラウドン男爵を示すらしい。第1楽章の展開部は提示部の動機が扱われ、4つの部分から構成される。短いcodaがあるが、曲の構成が明快で分かりやすく、一度聴いただけで、覚えられる親しみのある楽章。特に第2主題は民謡風で明快。
 Adagioの第2楽章は、中規模のソナタ形式で演奏時間が比較的長い(フィッシャー盤で9:10)例によって弱音器vn.を主体とした第1主題。提示部は、それほど主だった特徴は余りないと思う。それに対して、展開部は第1主題の始まりは同じ雰囲気だが、短調の表現が効果的に生かされていて、2つのvn.の対比が心地よい。再現部は管楽器が主体となり装飾が加わりながら提示部と大きく異なる。
 Menuetのtrioでは随所にsoloあり。Finaleは自由なロンド形式だが、フィッシャーでは随所に弦のsoloがある。明るい雰囲気でも、その底には、ユーモアをこっそりと楽しむ感じ。
 4つの楽章全体を通して聴くと、明快で分かりやすく親しみが沸く。通称名が付いている点からも、当時から人気にあった交響曲と推定される。No.67と比較して当時から人気がある作品と思った。何度も聴くとなると、No.67の方に軍配を上げたい。しかしこちらの方が、この後に続くパリ交響曲シリーズと遜色はないと思う価値あり。後年のモーツァルトやベートーベンなどは、この曲を見本として作曲したのではないかと思った。
 ドラティ盤は、第2楽章のテンポがAdagioでなく、Andanteの様な速いテンポ。フィッシャー盤と比べると、さらりと流している。また提示部の繰り返しがないので、かなり演奏時間が短い。(5:03)作曲者の指示を重視すれば、フィッシャー盤のAdagioに近いテンポをとるべきか?各楽章でのsoloの活躍は殆どなし。各solo楽器の音色を楽しむ点から、フィッシャー盤の方を取りたい。

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2013年11月2日 デイビスを聴取。元々デイビス盤はテンポが概して遅いが、この第1楽章は極端に、遅めの印象。作曲者の指定はVivaceとなっており、これを遵守したのが、本来のテンポかもしれないが。今まで特にフィッシャー盤では、かなり速いテンポに慣れていたので、戸惑い気味。
 その分、各パートがホグウッド盤並に比較的細かく聴き取れる。T5で早くも、Vc.が単独で引く。これに引き続き、T15ではvc.に加えてbass.がユニゾンで引くが、この音域の広さに、びっくりする。(それまで、低音域でbassが出現しなかったので印象的)デイビス盤はcmb.が入っているが、中期のhob−Np.−42の第1楽章の展開部でも同様だったが、独自の動きがある。概して展開部を中心に、ピアノの箇所で、ユニゾンで持続音をを長く引く箇所で、cmb.の装飾音でアクセントとしている様だが、No.42ほど目立たない。それ対して、残りの3つの楽章は、比較的テンポは3者と同じ。各楽章でfg.が活躍するので、デイビス盤では、この音色がよく聞こえる。

Vivace C
2 Un poco adagio piu tosto andante F
3 Menuet C
4 Finale、Presto C


No
Hob.
No.
通称名 作曲年 調性 楽章数 楽器編成 ランク 聴きどころ、ポイント
fl fg hr trp timp cemb
73 70 1779 D 4 1 1 2 2 不要 B Finaleの3つの主題によるフーガ。対旋律が全体を支配。
楽章の構成 調性 リ*1 第1楽章vivaceは中規模のソナタ形式。比較的単純な主題。規模は普通だが、さらりと書き上げたような雰囲気で特徴が余りない。Andanteは2つの主題による変奏曲。各所にsoloが入りながらも、旋律が豊かで、対旋律が美しい。trioは、ob.と各弦のsolo。Menuetにcodaがあるのも珍しい。全体を通して聴くと、第2楽章で変奏を重ねながらも、対位法を重視した旋律の流れが印象に残る。
 Finaleは前奏の後、3つの主題によるフーガ。ロンド形式でなく、演奏時間はフィッシャー盤で僅か3:01. 対位法の使い方はフーガ形式とも相まって、この楽章で頂点となる。曲の終わりは、あっさりと終わってしまうが、途中の盛り上がりは、聴き所。終わり方は異なるが、最初期のNo3の終楽章の雰囲気に近い。ここではさらに主題を増やし、より一層ダイナミックに仕上げた感じ。フーガ形式に加えて、ンド形式で、さらに演奏時間を増やしたら、もっと聴き応えがあると思う。その点は少し残念である。もしロンド形式だったら、 モーツァルトのNo.41の様な、ダイナミックなものになった可能性を秘めている。全体の楽章の中で、終楽章が突出しているので、全体的には、ランクはやや落ちる。聴衆受けを狙った雰囲気の曲とは、ほど遠く実験的要素がある「通好み」と思った。
 ドラティ盤は、Andanteでは、テンポを忠実に守っている。フィッシャーよりも各パートの音が細かく聴こえにくい。その分、フィッシャーを勧める。
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2013年12月15日 デイビス盤を聴取。ひとつ前のNo.69と同様に、第1楽章はかなりゆったりとしたテンポ。Vivaceのテンポと言うよりは、モデラートの様な感じ。井上著では、この第1楽章は、「ゴツゴツした旋律が目立ち、いつものハイドン風の流れる印象は期待できない」と記載してある。テンポが、かなりゆっくり目なので、今まで3者の演奏を聴いてきた中では、それほど、ゴツゴツした印象は余りない。
 楽器の音色をの対比をどちらかといえば、重視をした作風がこの曲でも顕著。特に第2楽章は、vc.が、かなり高い音域で第1vn.と掛け合うように活躍するところが随所にある。3つの主題のFugaは、一番の聴きどころであるが。bass.とvc.の分離が随所にあり、各パートの細かい動きが聴き取りやすい。最初期のNo.3と引き続いて、この曲を上げたらfuga形式の締めくくりが、同じ作曲者とは思えない感動を与えると思った。
 なお、デイビス盤は、概して、作曲順番に収録されている。この交響曲は23枚目のあたる。この曲は、hob‐No. 61と53の3番目に位置している。いずれの3曲もD調。この23枚目のCDをもし続けて聴取したら、D調の3曲目にも辺り、やや食傷気味になる可能性あり。
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2016年2月28日 ホグウッドNo.70をNo.67から引き続いて聴取。No.68と比較して打楽器群が入り、ホグウッドでも編成が大きいようだ。FinaleでTuttiでpとfが対比されながフーガが展開していく。ホグウッドの編成は、他の指揮者よりもやや少ない分、迫力差が少し欠ける雰囲気。

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17年6月4日 ラトル  City of Birmingham Symphony Orchestra  No.70 を聴取。No.60から引き続いて聴取する。ラトルの演奏で編成は打楽器群が入る。終楽章のAlleglo con brioでd-molから 交響曲に向かう直前の部分。Pで消えるように終わるがダイナミックレンジが広く、その後に続く冒頭の主題がD-DURでfで登場する部分と対比が印象的。しかし、No.60と同様、印象は少ない。
vivace con brio D
2 Specie dun canone in contrrapunto doppio、Andante
3 Menuet&trio、allegretto D
4 Finale、Alleglo con brio d


No
Hob.
No.
通称名 作曲年 調性 楽章数 楽器編成 ランク 聴きどころ、ポイント
fl fg hr trp timp cemb
74 71 1779 F 4 1 1 2 不要 C 管の役割が上がり、後期につながる明るいFinale。
楽章の構成 調性 リ*1 第1楽章にAdagioの序奏が付く。主部のAllegloとは特に関係がなく、soloが入りながら曲全体の小手しらべの様な感じ。主部は大規模なソナタ形式だが、親しみのある主題と対旋律がNo.70と同様随所にある。特に第2主題は、カノン風に旋律が受け継がれて行く。展開部は、この頃の特徴のひとつとして第1主題の擬似再現がある。提示部、展開部を通じて、第1主題は、前半の部分よりも、その後に続くコデッタ風の経過部が、重要な役割を担うようだ。
 No.53と同様に後から序奏が付加されたらしい。No.53の場合は、序奏がない場合、いきなり主部に来ると、少し拍子抜けの可能性がある。しかし、こちらのNo.71の方は、無理に序奏がなくても、違和感はなさそう。
 Adagioは変奏曲。第1楽章では余り聴けなかった管の扱いが重視。この頃から、fl.とob.の持ち替えはなくなり、fl.とob.同士の掛け合いが多くなる。変奏曲であるが、ロンド風に主題の変化がなく、帰ってくる箇所もあり。終わりの頃に変奏曲でありながらカデンツアがある。変奏自体に調性やテンポの変化は少ないが、各楽器の扱い方で音色の扱い方を中心に、聴かせてくれる。
 Finaleは、大規模なソナタ形式。第2主題は管で提示されるが、提示部を中心に、管が主旋律を受け持つ箇所が目立つ。vc.とbass.の分離は見られないようだが、各弦の対位的な動きは、80-90番台と大きな隔たりはない。fg.を含む管の扱いが多く、明るく、親しみのあるFinaleが、この曲の一番の特徴でないかと思った。曲全体が大衆にも分かりやすい雰囲気が伝わってくる。
 フィッシャーは随所にsoloが多くあり、soloの音が明快に聴こえる。それに対して、ドラティ盤はsoloの扱いが少ない。
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2013年12月17日 デイビス盤を聴取。いつものCDプレーヤーが不調で他の機種で聴取。音のバランスや音色等が異なり、トーンコントロールで調整するものの、聴き慣れない雰囲気がある。ひとつ前のNo.70と同様に、70番代の特徴と言うべきか、同じ旋律をでも楽器を変えながら、音色の変化を楽しむ典型的な曲。前の曲と同様に、第1楽章はやや、ゆっくりめのテンポで終始。
 特に第2楽章は、前曲とも異なり調の変化が少なく、その分、楽器の扱い方は音色を重視している。これは、この3者の演奏でも同様。デイビス盤では、弦楽器のvc.、bass.fg.それぞれの音色が明白なため一層引き立つ。全楽器の第3楽章 trioの2つのvn.のsoloなどもその典型。finaleの最後に近くなってから、それまで余り活躍していなかたhr.が華を添えているのが、デイビス盤では目立つ。テンポを速めて爽快に流れるフィッシャー盤を勧める。
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2016年3月13日 ホグウッドNo.71を聴取。vc.を含む楽器の音色の対比を重視した作品。ホグウッドでは、弦楽器のパートがよく分かる。第1楽章のT43から第2主題がpで各楽器で受け渡しながら登場する。この部分でT49でvc.がbassと離れてかなり高い音域で演奏するが、古楽器のためか、独特な音色。
第2楽章は、細かい音の典型。この楽章は、冒頭からvn.パートは弱音器を使用する。T41からの管楽器が受け持つ変奏の部分。管楽器はpの指示。弦の各パートは第2vn.以外はピチカート。第2vn.は、32部音符の持続的な対旋律を伴う。この部分で、主旋律のpの管楽器に寄り添うように、第2vn.が鮮明に聴こえるのが印象的。この曲は、ハイドンとしては、珍しく長い旋律で謡う様な個所が多く、しかも楽器の音色を随所で対比させている。古楽器で初めて聴くが、フラット系のB−durということもあり、全体的に落ち着いた雰囲気が堪能できる。


AdagioーAlleglo con brio B
2 Adagio F
3 Menuet B
4 Vivace B


No
Hob.
No.
通称名 作曲年 調性 楽章数 楽器編成 ランク 聴きどころ、ポイント
fl fg hr trp timp cemb
75 73 La chasse 1781 D 4 1 2 2 不要 A hrを中心とした音色の変化とダイナミックさ
楽章の構成 調性 リ*1 序奏を伴うが、最初の部分から弦のピチカートを伴う。この交響曲からの初めての手法かもしれない。ちょうどベートーベンのNo.1交響曲の第1楽章に類似。序奏は主部とは直接関係はないようだが、主調を確保しながらも、微妙に単調にも転ずる。提示部の第2主題は、第1主題と類似している。展開部は、両主題、経過部動機等が多彩に扱われる。再現部では、展開部では余り扱われなかった第2主題が、旋律と音色を変えて登場。この手法は、今後も多用される。フィッシャー盤では、展開部以降にhr.がかなり強調されて演奏されているが聴いてみて、ダイナミックな雰囲気に寄与している。
 Andanteの変奏曲は、主題は親しみやすく、各楽器を含めて展開。Menuetでは、soloの扱いが目立つ。trioは木管アンサンブルが主体となるが、fgが、かなりの旋律を担う。
 Finaleは、通称名の由来となった「狩」の主題。通称名は作曲者自身が付けている。オペラ「報いられたまこと」j序曲からの転用。狩風の主題が、hr.とob.で提示。hr.は2本であるがフィッシャー盤では、かなりの音量でhr.を際立たせる。編成は第4楽章のみtrp.とtimp.が加わる。かなり長いcodaが続くが消えるように終わるのは意外。
 名曲解説全集では、No.63以降で久々に登場。これによると、1781年はロシア四重奏曲を完成させた年にあり、古典派ソナタ形式を樹立した記念すべき年に当たる。この交響曲も節目に当たると記載してある。実際、今まで聴いて来た中での総決算と一区切りがある。No.53頃を転機として、さらに飛躍をした感じ。フィッシャー盤では初期の頃からhr.を中心に、特定の楽器を際立たせていて、小編成ながらの強奏でのダイナミックさが、曲によっては聴かれる。しばらくこの様な雰囲気の曲や演奏が途切れていたが、久々登場した感じ。
 ドラティは、編成が大きく、soloの箇所が少ない。特に、第1楽章の展開部から再現部にかけてのhr.の扱いは余り目立たない。1-3楽章とから第4楽章で楽器編成が加わった差も余り聞き取れない。このためフィッシャー盤を断然推したい。なお、ドラティ盤は第1楽章の展開部と提示部を繰り返しているのでフィッシャーよりも演奏時間が長くなっている.(10:03と6:57)
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2010年(平成22年)1月9日  NHK FM番組 「吉田秀和 ハイドンその生涯と音楽 No. 20」の番組で、オルフェウス室内管絃楽団の演奏を聴取。聴取に先立ち、この曲の紹介の中で、Alleglo 第1主題が モーツァルトやベートーベンの印象的な主題の、先駆けになった点について、触れている。同じ旋律を各楽器が変えながら進行していく点で、斬新さがある点は合点が行く。Allegloは比較的速いテンポ。展開部と再現部の繰り返しがドラティ盤と同様にあるが、演奏時間は比較的短い。注目のFinaleは、hr.が余り目立たない。新たに、timp.とtrp.も加わるが、やや迫力不足。経過部を中心としたテンポの微妙な変化は面白い。楽器の配置は、通常に聴かれる様に、第2vn.は左側に位置する。やはりフィッシャーを取りたい。
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2014年1月3日 デイビス盤を聴取。cmb.が元々入っているが、緩徐楽章では後期の交響曲では装飾が比較的、目立たなかったのが、ここでは、割合に引き立つ。各パートが鮮明に聴きやすいが、ここでも、vc.を中心に、細かいところが聴き所。しかしながらテンポが比較的ゆっくり目で、テンポの変化が比較的少ない。終楽章のhr.も、やや迫力に欠けている。しかし、その分、思ったよりテンポと強弱に差を付けている。ライブ録音のためかFinaleの繰り返しを懸念したのか、終わった直後、聴衆の拍手が直ぐに入らず。No.71や、No.76〜78と同様に、テンポを速めてフィッシャー盤を薦める。
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2016年3月16日 ホグウッドNo.73を聴取。第3楽章 Menutet のテンポは、やや遅めで、pの個所が多い。Finaleに続く直前も、p で終わるようだ。それに対してFinaleは、冒頭からTuttiでfから始まる。ホグウッドは、trp.とTimp.は使用せず、この音色が対照的。(楽章と楽章との間が、少し、間があるようだ) Finale展開部のT148-156 三連符の16分音符で弦のTuttiの個所。次第にT157からは弦の全てのパートで32分音符。その後、T161からは、64分音符でエネルギッシュに進む部分が一番の聴き所。ホグウッドでは、編成は少ないが、この部分は打楽器群がなくても違和感なし。最後は消えるように終わるので、聴き応えのあるFinaleの中で、編成が少ない中の特徴をよく表現している。


AdagioーAlleglo D (有)ドラティ盤)
2 Andante G
3 Menuet&trio、allegretto D
4 La Chasse、Presto D


No
Hob.
No.
通称名 作曲年 調性 楽章数 楽器編成 ランク 聴きどころ、ポイント
fl fg hr trp timp cemb
76 74 1780 Es 4 1 2 2 不要 C 休止と音色の変化を重視。Finaleの流れるような印象と対照的。
楽章の構成 調性 リ*1 第1主題は主和音からなり、主題の中にも休止を挟む。第2主題も休止を挟む。休止を利用して、強弱のアクセントを付ける手法は、以前から、採用されていたが、この交響曲では目立つ。しかし主題自体が比較的単純。展開部は両主題が扱われ、かなり長い。再現部でも第2主題が展開されながら休止箇所が多くなって提示部と異なる。第1主題は、後のNo.89に類似しているが、こちらの方は、楽章全体に渡って、休止と音色を重視。
 Adagioは、vn.とvc(solo)で主題が続くのには、びっくりする。(後のNo.102の第2楽章もvc.のsoloによるオブリガートがあるが、その先駆をなしているのか?)その後、経過部に入って各楽器が登場し、音色の変化を伴いながらの変奏曲。主題は2つある。調性は殆ど変化ないが、フィッシャー盤では、hr.の低音がかなり目立つ様に、演奏するのがアクセントとなる。またvc.とbass.の分離が所々あり、楽器の音色の工夫を重視している。Menuetのtorioでもvn.vc.fg.の掛け合いがあるが、fg.のみは珍しい。Finaleはソナタ形式で、流れるように明るい雰囲気になる。第1楽章の休止符が多いのとは対照的。調性がフラット系で、fl.とob.のsoloが殆どなく、vc.やfg.を重視している点から、聴き通して見ると落ち着いた印象。
 ドラティ盤は、各楽器の扱いが目立たないが、ゆったりと、オーソドックスに聴ける印象。
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2013年12月17日 デイビス盤を聴取。第1楽章の展開部が、かなり長いと思ってスコアをチェック。提示部65小節に対して、展開部が61小節とほぼ同じ。休止が小美第1楽章だと記載をしたが、再現部の直前などに、微妙な転調が続くなど、じっくりとスコアを見ると、思わぬ仕掛けがある箇所が多い。爽快に流れるフィッシャー盤を勧める。
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2016年4月2日 ホグウッドNo.74を聴取。演奏会でも余り取り上げられないと思う曲の一つ。過去の聴取記録でも「通好みで意外な発見のあるのが特徴」と記載をした。第1楽章は、強弱、休止符、各パートの旋律の受け渡しなど、様々な仕掛けがある。T3からのbass.と分離しvc.が単独で登場する箇所。だいぶ前のhob-No.-42の第1楽章にも同じような仕掛けがある。調はお互いに異なるが、vc.の扱い方などは共通点がある。
No.42の方は、強弱や各パートの旋律の受け渡しなどは、同じ楽器編成でもNo.74に類似をしている部分が多い。しかしNo.72の方が、冒頭主題だけでなく、32音符から全音符までの様々な長さを伴った、細かい旋律がいたるところに登場する。しかもこれらの旋律が、長い展開部で自在に動く。年代を経るに従って、作曲スタイルが変わっていくことが分かる例。
ホグウッドでは、このvc.を含めた弦の各パートの動きがよく分かる。一度聴いただけでは、このvc.を含めた各パートの動きが分かり難い。展開部から再現部の後半部分も忠実に繰り返すことで再度、聴取者には、落ちのないように聞かせてくれる。打楽器群が入っていない曲だが、改めて、通好みの演奏を堪能できると思った。

Vivacs assai Es
2 Adagio cantabile B
3 Menuet&trio、allegretto Es
4 Finale、Alleglo assai Es


No
Hob.
No.
通称名 作曲年 調性 楽章数 楽器編成 ランク 聴きどころ、ポイント
fl fg hr trp timp cemb
77 75 1781 D 4 1 1 2 2 不要 B 第1楽章でのテンポの速い爽快感の流れ
楽章の構成 調性 リ*1 序奏のGraveと主部のPrestoの対比が印象的。序奏はかなり長く、主調から短調にも移る。第1主題は モーツァルトのオペラ序曲の主題にも類似。フィッシャー盤は、Prestoのテンポを忠実に守り、休止が少なく流れるような雰囲気を保っている。展開部は2つの主題を扱う。それに対して、再現部は第1主題の再現と経過部をを扱い、第2主題の再現がない。その分、展開部から駆け抜ける様に一気に終わる。Prestoのテンポを生かした爽快感が特長。
 第2楽章は、一つの主題による4つの変奏曲。変奏は、調性の変化は余りないが、テンポは、微妙に変わり、2つの vn.、vc.のsoloがある。最後の第4変奏は、vn.の細かい動きに合わせてcodaが付く。Finaleは第1楽章と違って、少しゆったりとしたテンポ。ロンド形式で対位法はもちろん、管楽器との掛け合いなどが随所にあり、流れる様な明るく軽快な雰囲気。
 調性こそ違うが、序奏のダイナミックさ(転調、強弱、テンポ)や、第1楽章の駆け抜ける雰囲気などは、 モーツァルトのリンツ交響曲(第1楽章の序奏とfinale)に類似。 モーツァルトが逆に、この交響曲を手本としたのかもしれない。この後に続くパリ交響曲シリーズに次ぐものとして、十分に推薦できるレベル。2013年12月22日追記。 井上著 ハイドン 交響曲では、この曲は、かなり高い評価をしているかも。ベートーベンやモーツァルトよりも低く評価をしている人に、まずは聴いてもらいたい曲として掲載。また、モーツァルトは、この第1楽章のの主題をを 記録していると記載があった。実際、70番代の曲は、優劣をつけにくいものが多い。私としては、一番に推薦したい。
 ドラティ盤は例によって、soloの部分が少ない。第1楽章のテンポは、PrestoよりもAlleglolに近い感じ。フィッシャーの様に駆け抜けてしまうことがなく、逆に細かい音までじっくり聴かせてくれる。終わった後の爽快感はフィッシャーほどはない。しかし初めて聴く場合は、曲の流れについて行きにくいと思う。ドラティ盤とフィッシャーの両者を推薦したい。
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2013年12月22日 デイビス盤を聴取。テンポは概して遅めだが、この曲もその典型的な例。最初のgraveの最も遅いテンポの指定だが、この演奏では、かなり速め。一方、主部に入るとPestoの指示よりも遅め。このため、序奏から主部へのへのテンポの対比が明確でない。再現部では、かなり圧縮されて一気のこの楽章が終わる。この駆け抜ける雰囲気が感じられず。フィッシャー盤を推薦。

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2016年4月9日 ホグウッドNo.75を聴取。No.74から少し間が開くが改めて、No.74との違いが、く分かる。交響曲の聞き始めた当初は、No.74よりのNo.75のほうが、好みに合っていた。しかしNo.74の意外な、通好みの個所を発見するに伴い、逆に意外な発見が、No.75の方は、少ない印象。第1楽章の序奏のGlaveは、ハイドンの交響曲では唯一の指示だと思う、もっとも遅いテンポ。確かにどの指揮者も、このGlaveの遅いテンポを忠実に守りT24からのPrestoの主部との対比がすばらしい。ホグウッドも同様。
低弦での細かい音の分離が特徴であるが、この曲では、第3楽章の ManuetのT2でbass.の部分。ここではbass.は他の楽器とは異なりf 指定でドローン風の持続音がある。今までの演奏では、この部分が余り分からなかった。ホグウッドでは、この部分が鮮明に聴こえる。
 意外な発見が少ないと思う原因の一つには、繰り返しの個所が多いからかも。第2、第4楽章は、両者とも変奏曲。殆ど繰り返しを採用。ホグウッドは繰り返しを忠実に守っている。調性こそ違うが、No.64の第2楽章と比較していみると良い。No.75よりも 約8年前の作曲であるが、作風スタイルが全く異なる。No.64は繰り返しは採用せず。大衆向けの分かりやすさは余りなく、通好みのような楽章。テンポの変化、強弱、転調などは、No.75と異なりいかにも通好み。

 
GraveーPresto D
2 Poco adagio(Andante con variazioni) G
3 Menuet&trio、allegretto D
4 Finale、vivace D


No
Hob.
No.
通称名 作曲年 調性 楽章数 楽器編成 ランク 聴きどころ、ポイント
fl fg hr trp timp cemb
78 76 1781 Es 4 1 2 2 不要 C 第2楽章で2つの主題を均等に扱ったての展開と盛り上がり。
楽章の構成 調性 リ*1 序奏がなく第1主題がゴツゴツした感じで登場。その後も様々な主題が登場し、テンコモリの様な感じ。経過部を挟み第2主題が登場し、提示部を締めくくる。かなり長い展開部の後、再現部でも、第1主題がかなり変形されて登場する。
 第2楽章は、2つの主題による変奏曲でロンド風でもある。2つの主題は、旋律と調性も全く異なり、規模が大きくなっている。特に、2つめの主題は、ダイナミックに扱われいて起伏が激しい。シューベルトの交響曲の展開部を思わせる。フィッシャー盤では、第1主題の変奏で随所にsolo楽器が登場し、vn.のカデンツアを含めた、この対比が美しい。楽器編成は全て、trp.とtimp,は含まない。しかし第2楽章のダイナミックな部分を含めて、trp.とtimp.があったら、より迫力がある印象だと思った。
 第4楽章は中規模のソナタ形式、フィッシャーでは、管の音色を軽快に演奏するように心がけているのか、常に明るい雰囲気に終始する。聴き通してもて、第2楽章の盛り上がりが一番印象に残った。
 ドラティ盤は、soloの部分が少ない。Finaleのテンポはma non tropo の指示を守っていて、フィッシャーよりもかなり遅めになっている。第2楽章のダイナミックさの対比などは、フィッシャーの方を推薦したい。
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2014年1月1日 デイビス盤を聴取。今まで、この辺りの交響曲は、詳しくはチェックしていなかったが、これから後に続く3曲は、イギリス向けに作曲されたセットのもの。
 第1楽章は、各主題がテンコモリの様な感じと記載をした。スコアをチェックしてみたら、最初に、第1主題が登場した後、第2主題が主調で、一度登場。その後、第1主題が続き、再度、第2主題が属調で、通常通りの登場、その後、普通に提示部を終了する形式。第1楽章だけでも、かなり調と起伏に富んでいる構成なので、テンコモリの印象をもったのかもしれない。調性や構造など、独特な構造について「交響曲の生涯」でも記述があっても不思議ではないが。残念ながらない。デイビス盤では、fg.の音など各パートがよく聴き取れる。
 全体的に、同じ調性のこの後に続く No.91の様に、やや技巧に凝った雰囲気が見られる。全体的にテンポが遅めな分、Finaleの流れるような流れる雰囲気を含めて、フィッシャー盤を推薦。
Alleglo Es
2 Adagio、ma non troppo B
3 Menuet&trio、allegretto Es
4 Finale、Alleglo ma non tropo Es


No
Hob.
No.
通称名 作曲年 調性 楽章数 楽器編成 ランク 聴きどころ、ポイント
fl fg hr trp timp cemb
79 77 1781 B 4 1 2 2 不要 B 親しみやすい旋律と明るい雰囲気で、第3期のシリーズで第1候補。
楽章の構成 調性 リ*1 序奏なしに第1主題が登場するが、親しみやすい旋律で明るい雰囲気。第2主題も同様。第2主題の提示を最初は、fg.で次に、fl.で提示するなど、ユニゾンを通して、音色の工夫が随所にある。展開部は長く、弦を中心とした対位法と、終わり頃に、第2主題が弦4部のsoloで登場するのが対照的。再現部も長く、codaはないが、提示部と比較してかなり展開されている。休止の箇所も多いが終始、流れるような明るい雰囲気が特徴。
 第2楽章は、単一主題による変奏曲と3部形式が合わさったもの。調性の変化は余りないが、弱音器を含めた音色の変化が楽しめる。Finaleは中規模のソナタ形式。明るい雰囲気でcodaがつく。
全体を通して、常に明るい雰囲気に終始し安心して聴ける。第3期 聴衆への迎合と実験としているが、シリーズの中でどれか1曲をなれば、第1候補として推薦したい。通称名はないが、当時から人気があった曲と推定。ドラティは、展開部の中の第2主題の部分がsoloではない。しかし、その前の第1主題の展開部の対位的なダイナミックさは、フィッシャーよりも迫力あり。両者、甲乙、付けがたい。
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2014年1月2日 デイビス盤を聴取。この第1楽章の充実した展開部については、前記をしたが、「交響曲の生涯」でも、「徹底した2小節単位の展開部で秀作」と記載されている。ここまでは、比較的流れるように、調性の変化がなかったのが、この箇所へきて、一気に緊張感を増すのは、見事と思う。フィッシャー、ドラティ盤と同等。
vivace B
2 Andante sostenuto F
3 Menue&trio 、Alleglo B
4 Finale,Alleglo spiritoso B


No
Hob.
No.
通称名 作曲年 調性 楽章数 楽器編成 ランク 聴きどころ、ポイント
fl fg hr trp timp cemb
80 78 1781 4 1 2 2 不要 B 第1楽章の展開部は、対位法を駆使した一番の充実。
楽章の構成 調性 リ*1 久々のc調の登場。第1主題はc調だが直ぐに長調に転じるなど明るい部分も多い。展開部は提示部の各動機が登場し展開する。提示部ほど長くはないが、各動機が調性とテンポを変えながら、目まぐるしい。対位法も提示部以上に扱われる。この展開部は、今まで聴いてきた中での一番の充実した内容だと思った。再現部は、各主題主調のcで登場するが一部を省略しながらcodaがなく一気に終わる。
 Adagioは中規模のソナタ形式で親しみやすい旋律。Menuetは、対位法を駆使しながら、管楽器の旋律と弦とのユニゾンも随所にある。Finaleはc調であるが中間部は、Menuetのtrioの様な明るい雰囲気を挟む。この形式は、ロンド形式、ロンドソナタ形式、2つの主題を持つ変奏曲など様々に考えられるが、分類はしにくい。Finaleの最後の方はC調に転じて、華やかに締めくくる。全体的に聴き通すと主調のcを両端楽章で通しているが、EsとC調が途中で入り、楽章に応じて曲の調性の変化が楽しめる。
 c調の交響曲は、この後、残すはNo. 95のみ。同じ調性であるが、No. 95の方は、ザロモンセットに中の1曲。No. 95よりも、楽章ごとに、対位法、調性、テンポ、展開部の扱い等、こちらの方に軍配を上げたい。フィッシャー盤は、Prestoの表示であるが、比較的ゆっくり。随所にsoloがあり。 ドラティ盤もFinaleは、ゆっくり。
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2010年(平成22年)2月6日  NHK FM番組 「吉田秀和 ハイドンその生涯と音楽 No. 23」の番組で、オルフェウス室内管絃楽団の演奏を聴取。聴取に先立ち、この曲の紹介の中では、長い間エステルハージ公爵のための作曲を続けてきた中で、最後に近い部類の1曲であることに触れられている。
 編成は、フィッシャーよりも大きいよう。第1楽章では、展開部を中心とした、めまぐるしい転調やテンポの変化が聴き所と思っている。フィッシャー盤よりも大きな起伏が見られない。その他の楽章についても、これといった特徴がないと思った。
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2014年1月3日 デイビス盤を聴取。全体的にテンポが遅めの分、両端楽章は、短調の緊張感が、今までの2人と比べて、少ないと思う。聴き所のポイントとして、第1楽章の展開部を上げた。緊張感からすれば、一つ前のNo.77の方が、短いながらも、3曲を通して聴くと、むしろ、こちらを取りたい。Finaleの最後では、長調に転じて、管楽器を含めて、華やかに終わる。この辺りも、イギリス向けの聴衆を意識したした表れと思う。
 この3日間で、デイビス盤を3曲通して聴取をした。真ん中の77番が、親しみやすさを一番のポイントとすることもあり、3曲の中のランクでは、Cに下げるか?
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2016年5月16日 ダントーネ/アッカデーミア・ビザンティーナNo.78を聴取。単発で先行発売はされているが、DECCAからの古楽器による初のハイドン全集のセットとして、今回は購入。このセットは、ホグウッドは、過去の聴取記で書いている。F.ブリュッヘンのCDは、まだ私は持っていなかったので今後、少しずつ書いていきたい。
この演奏についての感想は、ハイドン音盤倉庫に、DECCAの全集企画の宣伝方法も含めて、やり取りがされている。
http://haydnrecarchive.blog130.fc2.com/blog-entry-1402.html#cm
小編成だが、近接音が比較的多く、分離感が良く分かる録音。第2vn.は右側に位置。第1楽章は、初めてこの音源を聴くこともあって、特徴が良く分からない。しかし2楽章以降、va. vc.. bass.がユニゾンで、vn.のパートに対抗するように分離感がよく分かる。たとえばT21‐24の部分など。一方、木管楽器は、第1楽章では、soloの部分も少ないこともあって、それほど目立たなかった。第2楽章では対照的に、木管楽器でのsoloの部分は丁寧に目立たせている。T48からva.とユニゾンでfg.が入るが。ここでは、va.は控えめになり、fg.が活躍。Hr.も、場合によっては、f指定を忠実に守り、随所で和音で支えている。
後半のMenuetでは、繰り返しを忠実に守る。ラトルの演奏でも随所にあったが、繰り返しの部分は、各パートで随所に装飾があって、飽きさせない。Menuetの再現部で、後半の最後に近い部分のフェルマータのT24個所。ここではvn.の即興が入っている。ホグウッドは、ここまでの即興はなかったと思う。
Finaleは、調性の異なった単一主題の変奏曲と私は解釈している。単一の主題が、流れるように、飽きさせないで行くかがポイントになると思う。各パート、特に弦のvc.が、bass.と分離して、細かく支えているところなどは、じっくり聴いてみるとよく分かる。」このため、飽きさせない。演奏スタイルは、ホグウッドに類似しているかもしれない。ホグウッド以上にテンポと強弱を微妙に変えているところは、独自のスタイルと思った。少しこの音源に慣れないと、この曲の良さが分からないかもしれない。元々、この曲のランクはBとしてが、この演奏でも評価はこのままとしたい。

Vivace c
2 Adagio Es
3 Menuet&trio、allegretto C
4 Finale、Presto c