音楽聴取記録(交響曲の聴取 各曲の聴取記録 通しNo.96  hob-No.94
2024年1月14日 更新 

No 
Hob.
No.
 
通称名   作曲年 調性   楽

 fl  fg trp  cl  timp   cmb ランク    聴きどころ、ポイント
96 94 surprise G 1788 4 -  -  - B ロンドソナタ形式を確立したFinale
       1 G Adagio-Vivace assai
       2 A Andante
       3 G Menuet & trio:Alleglo mlto
4 G Finale:Alleglo di molto
「驚愕」の通称名のある交響曲。第2楽章から由来するが、曲全体では、第1,4楽章を推したい。序奏は主調の確保が中心で、普通の長さ。第1主題は、経過部を含めてかなり長い。その分、第2主題は登場するものの、直ぐに終結部になってしまう。提示部の中では、かなり長い第1主題の経過部がポイントになっていると思う。展開部は、通常の長さで、第1主題を中心を扱う。
 一番の圧巻は、再現部の登場と再度の展開にあると思う。再現部の第1主題の登場は一般的。その後、かなり拡大されて第1主題が展開していくのは、今までによく聴かれてきたパターンではある。経過部が直ぐに主調を維持して展開していくのも通常のパターンではある。しかしその後、再度、第1主題がはっきりと展開をはさみながら、あたかも第2展開部の様に、大きく登場するのは、今までにない試みである。展開部はやや短い小節数であったかもしれない。しかし再現部は、この効果が大きく、あたかも第2展開部になる小節数と思う。その後は、通常の第2主題が主調で再現し、終結する。まるでベートーベンの交響曲などは再現部が、かなり長く展開されるケースが多い。この曲を見本としたのではないかと思った。
 第2楽章は、驚愕の由来になった楽章であるが、timp.とtrp.を緩徐楽章で使用したのは、過去にも例がある。変奏曲の変奏も主調から、大きく変化することも少ない。第3楽章のtrioで、Menuetの主部と関連があるのは、ひとつ前のNo.93でも用いられた手法。
 Finaleはロンドソナタ形式に相当すると思うが、速いテンポでありながらも、流れを重視している。短い第2主題の中、テンポを一瞬、変えてている。展開部はロンド風に最初に再現する。その後、第1主題が擬似再現とロンド形式を混在させ、構成が複雑ではあるが、長くて、様々な面白みがある。曲の最後も、盛り上がりが十分。ロンドソナタ形式が確立した初めての交響曲であると思う。一度だけ聴いただけでは、曲の構成が少し複雑で、流れる様な雰囲気について行きにくい。しかし何回か聴いてみると、特に、Finaleは、流れる中にも、曲全体を華やかに盛り上げる迫力がある。
 ドラティ盤はMenuet主部とtrioのテンポがかなり速くて、きびきびとしている。soloの箇所が全体的にフィッシャー盤でも減っていること。細かい音を聞き比べるよりも、迫力さを重視した聴き所を重視したい。ドラティ盤を推薦したい。

(2020年1月13日追記 タグとして2010年3月6日とする)
2010年8月21日 NHK FM放送の番組「吉田秀和 ハイドンその生涯と音楽」
 を聴取。T. ピノック ロイヤルコンセルトヘボウによる演奏。詳しい演奏までは聴取できなかった。第3楽章のメヌエットがゆったりとしたテンポ。
2014年12月6日 デイビス盤を聴取。概して、テンポは遅めノデイビス盤であるが、思ったより、中庸のテンポ。No.93からの聴取であるが、編成が大きくなったのか、細かい音までが聞き取りにくい。しかし編成が大きい分、第1楽章の再現部での拡大された盛り上がりなどは、効果がある。No.93で各楽器に細かい役割を持たした作曲とは対照的。デイビス盤では、この特徴が余り活かせず。
2015年1月3日 G.ヘルヴィッヒを聴取。残響が比較的長く、モダン楽器で編成も大きい。テンポも中庸での演奏。
2015年7月30日 C.デイビス ACO No.94を聴取。 第1楽章の終わりの方でT228当たりから、一般に「p」 指定を守りながらも、最後のcodaに少しずつ、t248の「f」に向かっていくケースが多い。このデイビス盤では、T248まで、忠実に「p」指定を守っている分、最後の盛り上がり目立つ。 全楽章を通して、timp.が活躍するが、あくまで、控え目に徹している雰囲気。
2015年10月2日  ノリントン ロンドンセット ライブ盤 No.94を聴取。最初のNo.93は、楽器の配置などの違いもあり、曲の冒頭から違和感をもったが、2曲目となり、この音源にも慣れてくる。名曲解説全集でも、この第1楽章の作曲者の意図として、この第1主題は、僅か1小節の2つで構成される動機からなり、これが至る所で全楽章に渡り活躍すると書いてある。ニックネームの付いた第2楽章についつい、影に隠れているかもしれないこの楽章こそ、ハイドンの動機の巧みさが良く分かる。
この第1主題の第vn.で演奏される動機は、p指定で、クレッシェンドとデクレッシェンドを挟む。ノリントンの演奏は、もちろんこの特徴を掴んでいるが、T34から経過から、スラーやスッタカートの指定がない、ノンレガートの部分で、急に羽を広げたかのようなf指定で、開花をする。fとpの微妙な対比は、展開部のT125当たりで旨く表現されている。影が薄い第2主題も、再現部では、調と音程はもちろん違うが、同じp指定でもさらに音量を落とす。
 第3楽章のMenuetは、テンポがかなり速く、スケルツオのような雰囲気。テンポの影響もあるが、ノリントンの演奏では、1小節単位で、スラーとスッタカートの細かい音色が対比させているのが効果的。Trioも、繰り返しの部分は、各楽器のsoloで登場。ハイドンの初期から中期の交響曲では、trioの最初は、solo、後半はTuttiとなるケースが多いが、今回は、逆のパターン。多少の即興は作曲者の意図するところでもあり。これがノリントンの解釈であろう。
Finaleは有名な、パリセットでも良くあったが、timp、が後半に向けて活躍。T233までは、余り目立った中このtimpが突如鳴り響き、聴き応え十分。
2015年12月1日  バースタイン ニューヨークフィル No.94を聴取.。全体的に、遅めのテンポ。C。デイビス 旧盤の演奏スタイルに似ているのか大編成のオケで、細かい音色を各パートで聞くよりも流す雰囲気。timp.などは、finaleで活躍すると期待をするが、それほど目立たない。
 2015年12月29日 Georg Solti London Philharmonic Orchestra DECCA盤を聴取。2011年にNo.93は聴取したが、その後は、途絶えていた。バースタインからの引き続き聴取なので、テンポの差に戸惑う。概してテンポは、やや速め。C、デイビスとバースタインの中間。 バースタインと違って、音の厚みがやや少なく、自然な雰囲気。第1楽章は、比較的速めのテンポで流れるように進む。第2楽章 T16のtimp.を伴う強打も通常。
2016年4月19日 ホグウッドNo94を聴取。No.96のMetuetのtimp。のパートは、繰り返しがあっても、こちらは通常通りであった。Finaleは、後半でtimp.が活躍するが、作曲者の意図のみ表現であった。No.96の印象が残っていたので、こちらの方は、印象が少ない。
2016年8月2日 ブリュッヘンOrchestra of The Age of Enlightenment  No94を聴取。93から通して聞くと、少し前の作曲なので、soloの扱い、装飾音の登場が少ないなど微妙な差がある。第1楽章は、管楽器のsoloが少なく、弦楽器の各パートがあらゆる個所で展開される。第2vn.の右側に位置する効果が良く出ていて、T17、T80の対旋律などがよく分かる。
2016年8月18日 ザロモン編曲による室内合奏の No94ホグウッド フォルテピアノ盤を聴取。編成はNo.104と同じ。No.100,100と異なり、第2vn.の位置が右側ではなく、左側の第1vn.の隣に位置。第3楽章MenutetでTrioの後の戻って来る部分。作者の指定では前半と同じ様に繰り返しの指定があるが、この演奏では繰り返しはなし。
 FinaleのCodaT227からの部分。オケではT226からtimp.が登場し、管楽器の持続音とも相まって、2つのvn.がピチカートで伴奏していることが余り分からない。室内盤では、このvn.のピチカートの伴奏が良く分かるので意外な音色が分かる。
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 2016年10月1日 E ヨッフム ロンドンフィルハーモニー管弦楽団 を入手。No.94.100、101の3曲がセットで1枚になっている。レーベルの表面は、懐かしいグラムホンの黄色いラベルがある。No.94の録音年月日は、1972年4月となっている。
モダン楽器で、編成は昔風のフルのオケ。テンポは概して遅めで、強弱の対比を割合に重視。一番面白いのがfinale。ロンドソナタ形式の提示部から、第1主題がpで登場する。ここまでは通常の演奏と同じ雰囲気だが、T38からfで16分音符で経過部になる個所。大半の指揮者は、今までのpから開放されてfの指示により一気に盛り上がりに向かう。ヨッフムの解釈はこれとは異なり、fの指定を守らずに音量を落として演奏する。この部分は意外に感じた。しかし再現部で、T228当たりからテンポを微妙に変えながら落としていく。その後T233のtimpの強打に導く演奏。提示部と違って、f指定を通して最後に向かっての盛り上がりは見事。T38からの旋律をややpにしていた演奏に合点が行く



2017年4月25日 パイヤール指揮 イギリス室内管弦楽団のNo.94を聴取。

ハイドン音盤倉庫では、軽快な演奏として評価が高くされている(下記のアドレス)

http://haydnrecarchive.blog130.fc2.com/blog-entry-955.html


最近、スコアの背後にある面白さを発掘してきたファイの演奏(強弱の対比、繰り返し後の装飾など)とは対照的。あくまでスコアに書かれている最小限の情報を引き出し、流れるような解釈。ファイの演奏は、楽器配置で第2vn.が右側に位置していることで、vn.を中心とした各パートの分離感とTuittiでの一体感が印象的。一方、パイヤールは通常の配置。2つのvn.パートは左側で、あくまで他の弦のパートはvn.を支えている。また、管楽器のパートもsoloの箇所では、主旋律を演奏する箇所では、soloがやや目立つが、対比旋律などは、音量を抑えている。このため、主旋律を中心に、流れるような解釈がキーワードとなっている。
 たとえば第3楽章 Menuetの冒頭の旋律。最初の第1小節目のfの旋律を強調して、主題そのものがやや、「ごつごつ」した雰囲気が、一般の指揮者は多い。パイヤールのこの演奏は、冒頭の8分音符の旋律は、fを守らず、やわらかく演奏した演奏。各パートもこのやわらかい旋律を重視しながら進めていく。T54の部分(譜例)で、Menuetの後半の部分。ここでは、指揮者によっては、vc.の8分音符を目立たせる。しかしパイヤールでは、この部分も高い音域のfl。を目立たせ、vc.の音量を抑えている。
 ハイドンを聞き始めるときに、ドラティ盤からスタートするかもしれない。ハイドン音盤倉庫でも記載してあったが、教科書的なドラティ盤をベースに流れるような解釈がポイントと記載してあった。私も同じような印象。ドラティ盤は、流れるような印象ではないと思った。一方、この演奏では、スコアに書かれている旋律を「流れる」をキーワードとした解釈。


2017年8月2日 N. アーノンクール  Royal Concertgebouw  Orchestra No.94を聴取。No.96で p の柔らかさがポイントのひとつと記載した。冒頭の第1楽章の序奏から、p 指定を忠実に守り、管楽器による旋律が、とてもT3から呼応する弦の各パートも柔らかい印象。No.94の特徴は下記のブログにも記載されている。

http://micha072.blog.fc2.com/blog-entry-147.html

http://musikfreund.blog64.fc2.com/blog-entry-68.html

レガートの独特にある印象は随所にあるが、一例を上げれば、T78からの第1vn.から始まる第2主題。ここでは8分音符のスッタカートの旋律の箇所があるが、アーノンクールはスラー(このスラーの表現は微妙なところで、音をつなげるように近いスラーとも異なる)で引いている。No.96にも記載したが、ノリントンのノンレガートともまた違う。なお、第1vn.以外の他の弦のパートもスッタカートの指定ではなく、第1vn.と同様にスラーで引いている。再現部の類似箇所も調は違うが同様の解釈。
 第2楽章の有名な冒頭主題も、スッタカートの指示ではなく、第1楽章の第2主題と同じように、柔らかく引いている。冒頭のこの解釈に対して、変奏されながら中間部でッタカートに移行していくのとうまく対比。
 第3楽章MenuetのT54の部分。自分の前のレビューでパイヤールではvc.の8分音符の音量を抑えていると書いた。アーノンクールでも同様。No.96と同様に、思わぬ発見を見出してくれる印象。
 
2018年2月5日 ザロモンセット12曲でファイの演奏は過去にも数枚、入手してきた。残りの盤も廃盤が多く、入手困難を思われたがこのたび、セットで再発売された。このため、残りの部分を順次、聴取していく。No.93は既に聴取すみのため、今回は2018年2月5日にNo.94からがスタートとなる。
 ザロモンセット以前も初期交響曲から適宜入手し、ファイの特徴は自分なりに把握をして来たが、この演奏もその典型。スコアにはない微妙な旋律、テンポなどを加えている。そのひとつとして、T84のob.の旋律。提示部の終わりに近い部分でこの部分はトリルの指定が書いてある。いきなりトリルで始まるのではなく、少し間をおいてからトリルとなる。一呼吸をおいた雰囲気で他の演奏家とは少し異なり、この前後の部分を含めた柔らかい雰囲気を演出。再現部の類似箇所でも、このob.の部分は同じ様な演奏。

ザロモンセットの頃になると、各楽章では展開部と再現部の後半の繰り返しがない。その分、展開部以降は、一度で通り過ぎてしまうため、過去の交響曲よりもより一層、集中して聴く必要があると思う。この楽章は、ついつい第2楽章が有名で他の楽章は、余り取り上げる機会は少ないかもしれない。しかし序奏から最後まで、様々な旋律が強弱を含めたリズム感が豊かに展開していく。timp.を含むリズム感を引き立てるのもファイの特徴のひとつ。もう少し注目されて良いと思うが。
 第2楽章では、終結に近いT145からは、テンポをかなり落として名残り惜しいように終わる雰囲気は独特。その分、次の第3楽章の速いテンポと対照的。この第3楽章 Manuetの主部でテンポが速いのは、今までにも聴いて来た特徴のひとつ。それに対してTrioのテンポの遅さと微妙な変化も主部と対比されて興味深い。Menuetが再度、回帰してくる部分で前半の部分の繰り返しがある。過去の演奏でも、適宜、繰り返しがあったり、なかったり。もしライブで聴いた場合、繰り返しがあるかどうかも、ぞくぞくする部分。
 全体的に聴き通してみて録音がやや近接気味で低弦も強調されていることもあり、各楽章でtimp.のリズム感がポイント。 かといって、全ての箇所がリズム感で一点張りの部分ではなく、適宜、強弱を伴っているのもこの曲の特徴のひとつ。その中でファイの演奏は、即興を含むtimp.が効果的になっていると思った。
2018年3月18日 (Pablo Casals)指揮のマールボロ音楽祭管弦楽団No.94を聴取。No.95でも少し気になっていたが、ライブ録音のためか、指揮者のうなり声?の様な音が時折、聴こえると思う。第1楽章ではそれほど目立たなかったが、第2楽章で強弱の差が大きい楽章だと、目立つような気がする。
 概してテンポは中庸。有名な第2楽章は、管楽器などの奥行き感は乏しいが、低弦をがっちり聞かせている。得てして第1vn.の主旋律の動機がどうしても、目だってしまうが、低弦を含めた各パートをエネルギッシュに聞かせる。ライブならではの臨場感がある。3曲を通して聴いてみるに、No.94は、低弦を中心としたエネルギッシュな雰囲気が、大きな特徴だと思った。最後の拍手が直ぐに終わってしまうのが残念。

2018年7月24日 ピエール・モントゥー ウイーンフィル 94番を聴取。中古で入手したが、No.101とのカップリングで、ウイーンフィル世界の名曲 No.34から。録音は1958年。

https://blog.goo.ne.jp/florian2896/e/38ea7f84e12e3872c2069743804d3208

 約60年前(自分の年齢と大差ない)の録音であるが、ステレオ録音。ダイナミックレンジは少し狭いかもしれないが、奥行き感も、そこそこあり、左右に広がった定位感も十分あり。とても60年前の録音とは思えない鮮明さがある。もちろんモダン楽器で、弦の奏者も多い。
 最近の演奏で、奏者が少ない機会が多かったが、モダン楽器で広いホールで迫力ある演奏の解釈のひとつ。第1楽章からテンポは速め。提示部の繰り返しはなし。以後、第2楽章以降も、繰り返しがない。
第2楽章の始めの方で、T16のffの部分でも、強弱の対比が鮮明。T57の短調の部分で、第2vn.の対向配置を生かして、2つのvn.パートが対等に掛け合っている部分も印象的。
圧巻はFinale。テンポは、かなり速め。弦楽器を中心に、単一主題に近く、流れるように進んでいく。T233からのtimp.を含むあたりから。ファイなどは、timp.をこのときばかり派手に、たたかせるが。この演奏ではあくまでそれほど目立たない。しかし、Tuittiでの弦のユニゾンを含む厚い響きは、大編成のモダン楽器の特典。テンポも次第に少しずつでは速くなって、一気に終わるのは、気持ちよい。どの楽章をとっても、面白いが、特にこの演奏では畳み掛けるFinaleが一番の聴き所。録音の良さも相まって(60年前とは思えない)推薦盤としたい。
2018年9月11日 レナード・スラットキン フィルハーモニア管弦楽団 No.94を聴取。No.93から続けて聴取するが、テンポは中庸。ザロモンセットの前半は、管楽器のsoloの箇所が、曲によって多少のばらつきがあるものの、この点が聞き所のひとつとしたい。一方、適宜、弦楽器のにも、必要に応じて、soloの箇所が入る。
  この曲では、主にfg.が活躍する部分が多い。第3楽章 Menuet のtrioでは、第1vn.とfg.のユニゾンによる演奏が、有名?な箇所ではある。スラットキンの演奏でも、vn.よりも1オクターブ低いfg.が、繰り返しを含めて、分が多い。第3楽章 Menuet のtrioでは、第1vn.とfg.のユニゾンによる演奏が、有名?な箇所ではある。スラットキンの演奏でも、vn.よりも1オクターブ低いfg.が、繰り返しを含めて目立っているが自然な雰囲気。
  しかし、このtrioだけでなくMenuetの冒頭でも第1vn.がユニゾンで活躍している。(ただしfl.も一緒)この当たりは、何度か聴いてみないと、通過してしまう部分ではある。スラットキンの演奏でも、fg.が良く分かる。

2018年10月2日   ロイ・グッドマン ハノーヴァーバンド 94番を聴取。No.31から引き続いて聴取する。vn.は対向配置でない。個人的には対向配置を好むので、Tuittiでのvn.を含めた迫力が今ひとつ。第2楽章の最初の方で、ffに向かって音量を落としていく。直前のppの部分はかなり音量が小さく、音量の対比が大きい。
 No.31は好演だった。それに対して、こちらの方は素直な解釈に終始し、これといった印象が余りないと思った。

 2018年10月18日 追記 94番レイモン レッパード モダン楽器で編成は大きめ。vn.は通常配置。最初から流れるように進む雰囲気timp.をどの部分で効果的に使うかが、この曲のポイントのひとつ。第1楽章はそれほど目立たず。第2楽章のT16のff の部分も、余りtimp.を含めた強調なし。しかしT15の直前まで、消えるように音量を落としていくダイナミックレンジは広い。
 一方、finaleの終わりのT233でsoloに近いtimp.の部分がある。どの指揮者も、特にファイなどは、このsoloの部分を強調する。レッパードも同様だが、その前から、登場する部分が印象的。Finaleの最初の方からT226までは、timp.は余り目立たない。T226の部分は、スコアではtimp.は p になっている。この箇所で16分音符の刻む様な部分は、soloに近い立場。レッパードの演奏では、 p とはいえ。この部分から目だって登場。第1楽章から、この直前まで、timp.は緩叙楽章の一撃を含めて、余り目立っていなかった。しかしT226で、最後に主役になるような雰囲気は独特だと思った。
なお、ジャケットの写真は、日本語解説は特に特徴はないようだ。しかしエラートの原盤は、盆栽シリーズのひとつになっている。




2018年11月3日 94番 バリュシャイ モスクワ室内管弦楽団 を聴取。ピアノ協奏曲 No.4  とのカップリング。1974年の録音。ジャケットの帯によると、YDANNG CLASSICS シリーズはロシア国営テレビラジオ局の資料保管倉庫に所蔵された録音物。当該アーティストの政治的事由で旧ソ連当局によって公開禁止にされたまま陽の目が見られなかった名作群。
 モダン楽器でテンポは序奏を含め、比較的遅め。Vn.は通常配置。第1楽章でのリズム感なり切れ目のあるリズム感が少ない。
 第2楽章の出だしも、T16の消える部分もそれほど対比なし。T33からの第1変奏では、第1vn.が控えめ、その分、第2vn.とva.が主題を強調。T106ので冒頭の第1主題はtrp.で強調されるが、第2vn.や低弦の裏拍は強調されず。
録音で管楽器、打楽器群の奥行き感が不足気味。残響がかなり多く、その分、音の分離感が不十分。この点もマイナスに影響。全体的に大きな印象は余りない。
 

2018年11月11日 94番 バリー・ワーズワース カペラ・イストロポリタナ を聴取。第3楽章Menuet の音量が柔らかめ。4小節単位の主題で最後の部分が、柔らかい音量。大半の指揮者は、この最後の4小節の区切りの部分で冒頭のf と同様に、切れ目のある4小節の主題を f で引き立ってる。しかし、この演奏では、 p に近く、4小節の主題が柔らかい雰囲気。Menuetの主部の全体とtrioも含めて、f の音量は無縁。このため、Manuet 自体が取水、とても柔らかい雰囲気。
その後に続くFinaleも、柔らかい雰囲気に終始。coda近くになってT224の部分。僅か1小節であるが、この1小節のみ、テンポを落として音量を下げている。このタイミングが絶妙で、T226からのtimp.が pの中でも、codaに向かってあたかも主役の様に登場していく部分は印象的。第1楽章の冒頭から、音量を余り上げないで抑えていた効果が発揮したのか、最後は迫力がある印象になった。
 
2018年12月24日 クイケン ラ・プティト・ バンド No.94を聴取。聞きどころは色々あるが、今回は第3楽章 Menuetの部分を取り上げたい。No.93でも共通しているところもある。どちらもテンポは、かなり速め。Menuetn冒頭から、テンポが速めで旋律を重視しながらも、強弱とリズム感の対比も強調。冒頭は f で提示するも、T8からの確保の部分では、 p の指定を生かして強弱を対比。
  Menuetの後半T28からの部分。ここでは一般に第1vn. 8分音符の旋律も目立つ部分ではある。しかしクイケンの演奏では第1vn.の旋律は少し抑えて、vn.の他のパートの不協和音? の部分を強調。第2vn.とva.は、重音になっている。第1vn.の旋律は抑えることで、逆に他の弦のパートを目立たせることで、重音とも相まって並ならない複雑なMenuetの雰囲気を醸し出している雰囲気。
また、Menutet 主部の後半でアーノンクールの演奏でのブログから。ここでT54の部分でvc.の8分音符の動きを抑えていることを記載した。

http://mistee01.blog118.fc2.com/blog-entry-749.html

クイケンの場合も同様。どちらかといえば、聞かせどころの部分では旋律を重視している解釈はある。Trioのテンポも速め。速いテンポのMenuetとともに、もはやパリセットの頃の第3楽章とは、無縁に近い雰囲気が漂う。
 
2019年6月30日 94番 N マリナー を聴取。強弱に関して、pの部分は、あくまで、どのパートの部分も原則 pで通し、その中で微妙なニュアンスで演奏するのがマリナーの特徴のひとつと記載してきた。P 以外にf の部分も同様にある。No.82の第1楽章で、弦のパートの中で第1主題の動機を生かすために、低弦の方を強調し、その分、vn.の音量を落としている点を記載した。概して旋律の流れを重視し、不必要な動機や展開は、少し抑えてる分、わかりやすい流れの解釈ではある。
 このNo.94は、どちらかといえば、動機や旋律の種類は少なく、その分、展開や受け渡しなどが逆に聴き所になる。しかし根底には流れる箇所は重視をし、各パートはある程度、くっきりと均等に聞かせてくれる。第1楽章の推移するT50の部分では概して、第1vn.以外の全てのパートの動機を重視される。その分、第1vn.は単独の16分音符で早く演奏するために、埋もれてしまうことが多い。しかしマリナーでは、第1vn.は他のパートと負けないようになっている。その分、あくまで冒頭の動機が展開されたまま、続いている雰囲気。概して大半の指揮者はこの部分で、第1vn.が負けてしまうのとは対照的。
 2019年11月9日 94番 カルロ・マリア・ジュリーニ指揮を聴取。ハイドン音盤倉庫にも、モダン楽器で大オーケストラによる理想形のような響きを記述がある。(下記のアドレス)


https://haydnrecarchive.blog.fc2.com/blog-entry-211.html

この演奏では、テンポがかなり遅くのが印象的だった。ハイドンのNo.94もテンポは概して、レビューにも書いてあるように少し遅いようではある。しかしブルックナーほど極端ではない。演奏スタイルでも要所では多少、音量を上げて盛り上げているが、普段は、控えめにコントロールしている雰囲気が終始、伝わってくる。しかし要所では、迫力あり。同じ曲でヨッフムの時に、Finaleでtimp.の強打を記載した。(下記のレビュー)

http://mistee01.blog118.fc2.com/blog-entry-627.html

T243の部分だが、この前の箇所でヨッフムの場合、T288から音量を落としていると記載した。ジュリーニの場合は、T228からではないが多少音量を落とす。直前のT287でかなり落として、その後のT233imp.(ややみぎよりに位置)緩叙楽章でも、打楽器群を含むtmp.はあまり目立たなかったが、独自の動機も含めてtimp.は効果的。クレンペラーのようにvn.は対向配置でない。低弦は右側から広がっている。しかしジュリーニのこの演奏はモダン楽器で奏者も多い。テンポはクレンペラーほど思ったより遅くはないが、要所で余裕のある演奏。ライブ録音ではあるが、会場のノイズはほとんど聞かれない
なお上記のレビューでジャケットで指揮者の綴りが間違っている部分が指摘されていた。これ以外にNo.94の調性が C MAJOR になっている。ライナーノートのタイトルは本来のG MAJORで正しかった。一方、ジャケットの裏側には1979年1月26日の録音となっている。(レビューでは1976年のライブ録音だが)録音のデータ(会場など)の細かいデータがジャケットには記載されていないのが残念。
 2019年11月28日 94番 カール・リヒター(Karl Richter) ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団を聴取。ハイドン音盤倉庫(下記のレビュー)にもコメントあり。このコメントでは、弦楽器の重厚さを生かした教科書的な面もある演奏とある。レビューの方は、No.101と2曲のカップリングのようだ。私が最近入手したのは、 T ビーチャム  No.100が3曲目に収録されている。リヒターの2曲しては、同じ奏者と録音年月日なので、レビューと同じ音源の様だ。 

https://haydnrecarchive.blog.fc2.com/blog-entry-871.html



 序奏の冒頭は、かなりゆったりしたテンポ。その後、主部に入ってから、速めのテンポで弦の重厚さが最初から押し出している雰囲気。Vn.は通常配置。1961年の録音だが、レンジが広い方で、左右のバランスも良好。管楽器、打楽器の音は少し前の雰囲気で、奥行き感がやや不足気味。奏者の数の多さを生かして弦楽器の重厚さが、この録音の大きな特徴。
 オットークレンペラー No.102のレビューで、2つのvn.の対向配置を生かして、特に、第2vn.の独自の動きがよく分かることを記載した。

http://mistee01.blog118.fc2.com/blog-entry-1260.html

初期の交響曲や疾風怒涛期の頃の曲は、2つのvn.はユニゾンで同じ旋律を演奏する箇所も多い。しかし作曲年代が経過するに伴い、2つのvn.が分かれていく箇所が多くなって来る。No.94もその一つになるが、No.102ほど、分かれる箇所は多くない。この演奏ではvn.は左側だけであるので、ユニゾンの同じ音程で演奏する箇所は、特に音に厚みがある。
 第1楽章の再現部、T204では、弦のすべてのパート(+fg)が、ユニゾンで演奏する。この部分では、2つのvn.は奏者の多さを生かしてダイナミックな雰囲気。提示部ではこの部分はない。展開部と再現部の繰り返しはこの楽章はないので、T204からの部分は、この楽章で一度だけしか登場しない。このため、弦の厚みが印象に残る箇所。

第1楽章の譜面で取り上げた箇所以外にも、多くの部分でvn.の同じ音程でのユニゾンの箇所も多いFinaleは第1楽章以上に、演奏する部分がある。打楽器群と管楽器は、やや控えめ。その分、弦の厚みを生かした特徴の印象。
 2020年1月6日 94番 クリップス  ウイーンフィルを聴取。No.92から引き続く。こちらは録音が少し後になりステレオ録音。レンジも当時としては広く、録音は当時としては普通。vn.は通常配置。第1楽章は、テンポは少し遅めで全体的に柔らかい表現。
第2楽章のT16でのTuittiの強打も控えめ。T75からob.の変奏も、スタッカートは控えめで柔らかい表現。4つの楽章の中で第2楽章は、あくまで緩徐楽章としての柔らかいスタンスを通している解釈だと思う。
 第3楽章のMenuet  T54 の部分。パイヤールの演奏などは、T554の箇所でvc.の音量を控え、高音域のfl.を目立たせるような演奏だった。(下記のレビューに譜面あり)

http://mistee01.blog118.fc2.com/blog-entry-709.html

クップスの場合は、この箇所で音量をかない落としているのはもちろん、各パートも均等に音量を抑えている。その分、各パートの独自の音色は余り分かり難いが。録音としては当時としては普通だと記載した。No.92と同様に、楽器音以外の微妙な音?が、僅かだが入っている。やや高音域で「ピチピチ」と言う音。指揮者あるいは奏者からの細かい音かも。箇所によっては、少し気になることがある。
 2020年12月15日  T ビーチャム ロイヤルフィルハーモニー管弦楽団 No.94を聴取。No.93と同じような解釈は変わらない雰囲気。各パートの分離間はモノラル録音のため分からないが、それでも一部の管楽器特にhr.は、比較的わかりやすい。No.93と同様に繰り返しは必要に応じて採用。一番面白いのは、 No.93と同様にFinale。No.93よりも終わりそうで終わらない雰囲気は継続。
 2022年5月1日 94番 アルフレート・ショルツ  スロヴァキアフィルハーモニー管弦楽団 Alfred Scholz, Slowakische Philharmonie を聴取。この指揮者は、初めて聴取する。国内で過去に、シリーズとして発売されていた中のシリーズの一つの様だ。CDの次の曲はベートーベン 交響曲第3番で 同じ奏者で、 別な指揮者( ズデニュック・コシュラー)が収録されている。録音データの詳細な記載がない。 Germidas MUSIK PRODUKUTION(WEST GERMANY)GmbH.と記述があるのみ。
 モダン楽器で奏者は多い方。テンポは概して遅め。vn.は通常配置。昔に近い解釈のためかランドン版でない可能性があるかも。第2楽章のT16 tuittiでの強奏も、それほど目立たず。ハイドンの交響曲は、初期から後期に問わず各パートの掛け合い、スコアにはない微妙な音色や解釈を指揮者が現代の聴取にどのように演奏するかが注目の一つだと思う。Menuetto の第3楽章。この演奏では、終始、その部分でもやや遅めのテンポに終始。主部のT55から低弦のvc.はbass.と分離し、独自の旋律を受け持つ。この部分も余り目立たない。この後に続くT59では管楽器の奏者が増え、加わってくる音色や全体的に音が大きくなる雰囲気が欲しい所。しかし余り変化がない様子。 最近、古楽器で小編成の各パートが鮮明な録音ばかりの聴取が続いているかもしれないが、全体的に通してみて、印象は余りない。

 
2022年8月11日 J テイト イギリス室内管弦楽団 Jeffrey Tate Eenglish Chamber Orchetra 94番 を聴取。この曲を含め、下記のブログにレビューがある。

https://haydnrecarchive.blog.fc2.com/blog-entry-48.html

「弦のフレージングを非常に丁寧に追い込んでいった暁に見えてきたのは歌」の記述がある。モダン楽器で奏者の数は、余り多くないようだ。テンポは余り動かさず、流れを重視。Vn.は通常配置。この曲は、多くの奏者でレビューをしてきた。テイトだけの特徴はなかなか、見いだせない。しかしテンポの変化をかけず、折り目正しい演奏が特徴のためか、意外な発見もある。第1楽章は、No.88やのNo.101などと同様に、旋律的で歌うような動機ではない箇所が大半。第2楽章、中間部での裏拍など、意外な聴き所もある。
 この演奏で、第3楽章の冒頭で意外な発見もあった。Menueteの冒頭で第1vn.以下と、対旋律のパート。(管楽器も第1vn.とその他のパートの2つに分かれている) T1の部分で対旋律は、裏拍になっている。今まで、余り気づかなかった箇所。裏拍のため、少し不安定な雰囲気が冒頭から開始となる。それに対して、Menuete の中間部で調性が変わるT21の部分。この箇所では対旋律は、裏拍にはなっていない。この意外な発見を受けて、Finaleでは折り目正しい、一定のテンポで流れる雰囲気とは対照的。

 2023年11月18日 94番 A フィッシャー デンマーク室内管弦楽団 を聴取。 No.93から引き続く。 No.93では跳ね弓などの弦の奏法を中心にレビューした。この曲でも随所にある。 (第2楽章 冒頭の主題など)
 弦の細かい奏法の詳しいことは分からないが。第1楽章 T32の部分で第1vn.が跳躍するような動機の部分。わずかではあるが、前打音を伴って跳躍するように引いている。この前打音にともないvn.が高い音程に向かって跳躍するような雰囲気がよくわかる。再現部にも類似箇所があるが同様。


第3楽章  Menuetto の Trio の部分で fg.のsolo 以外に弦楽器の部分。伴奏側に回る部分の弦楽器。弦の各パートはsoloで弾いている。前の全集でも初期から中期の交響曲では、必要に応じてフィッシャーは、弦楽器で第1vn.を中心にsoloを弾いている箇所があった。この手法を応用したのかもしれない。弱奏のTrioと回帰する Menuetto の主部との音量の対比もよくわかる。


 ハイドン音盤倉庫や HMV レーベルの批評にもこの第1集の特徴が記載されている。下記のサイト。

https://www.hmv.co.jp/news/article/230623165/
 

上記のサイトのレビューでは Menuetto は旧盤は恰幅が良いと記載がある。それに対して速さと滑らかさは別次元の記述がある。このNo.94に関しても同様。
 またPresto に疾走感にも触れている。Finaleの T226の部分からtimp.が入ってくる。 (下記のブログに譜面あり)どの指揮者もこの部分でtimp.を目立たせているのはこの演奏でも同様。



http://mistee01.blog118.fc2.com/blog-entry-1035.html

しかしそれ以外にtimpは終結に向けてさらに活躍する。T259でtimp.のみが独自の動機を受け持つ。(Finaleの開始からT258まではこの動機は登場しないと思う) T253のtimp,の動機は終結に向けて多いに活躍する。この登場箇所もよくわかる。最後にT226~267の終わる4小節前の部分。この箇所は、菅楽器のみが弱奏で演奏する。最後の2小節のtuittiとの対比はゆうまでもない。管楽器の部分で僅かだがテンポを緩めている。全体的に速めで案がれるようなテンポが多いが必要に応じて、テンポを緩める手法は、多くの指揮者が採用している。
 得てしてハイドンの交響曲はFinaleに向けての終結が余りない傾向かもしれない。第2楽章の冒頭で驚愕のあだ名になった音量の対比。第2楽章は有名だが、Finaleの最後の部分でこの箇所を再現している効果にも聞こえる。しかも要所で1度しか聴取していないのに、このような特徴が直ぐに分かるのはフィッシャーならではない手法ではないか。全集を録音し、ハイドンのツボを得ているような解釈が私には読み取れる。

 2023年12月8日 94番 R グッドマン ハノーヴァバンド Roy Goodman The Hanover band を聴取。以前、この指揮者と奏者で過去にレビューをした。このCDではNo.31に引き続きNo.94とNo.95が収録されている。(下記のブログ)

http://mistee01.blog118.fc2.com/blog-entry-1008.html

 録音年月日が異なる。また録音時間も多少異なっている。No.93~95の詳細の録音会場の記載がないので、このあたりまでの詳細な違いまで分からない。上記のレビューでは第2楽章 T16のtuittiの強打の部分。音量の対比が印象的と記載した。しかし最近、聴取したフィッシャー盤と比較すると、さらにレンジの広さを堪能できる。
 グッドマンでも各パートの掛け合い、音量、音色の違いは、よく分かる。しかしフィッシャー盤の場合は、指揮者にない動機も大切にしているようだ。FinaleのT3の第2vn.の動機。フィッシャー盤のレビューでは記載しなかったが、この箇所を目立たせている。一般に4分音符の動機が多い中、長い持続的な旋律の箇所は少ない。その分この箇所が目立っている。冒頭の部分だけでなく、何度か回帰してくる部分も同様。グッドマンの場合、第2vn.
動機は余り目立たない。
 フィッシャー盤でFinaleの最後の部分。Timp.を含めた強弱の対比印象的と記載した。

http://mistee01.blog118.fc2.com/blog-entry-1645.html

 グッドマンも強弱の対比はあるが、やはりフィッシャーには構わない。



  Carlos Kleiber  C クライバー ウィーンフィル 94番 2024年1月11日 追記

2024 年1月11日 アップ  ウィーンフィル 94番を聴取。下記のブログにもレビューが記載されている。

https://haydnrecarchive.blog.fc2.com/blog-entry-53.html

 上記のレビューによれば好演の記述あり。1982年のライヴ録音の記載があるが、録音場所の記述がない。手持ちのCDは、上記のジャケットの表紙は違うが、録音データは同じ。1曲目にモーツァルトのNo.36が同じ指揮者と奏者で収録されている。
 1982年の録音にしては、かなり音質が悪い。レンジが狭く、テープヒスのような音が少し入る。また、ごくわずかではあるが音が途切れる箇所もある。ライヴ録音で会場のノイズは多少あり。音の定位感も不足し、各パートの音の分離が不足。モダン楽器で弦の数がかなり多いようだ。残響が多いことも加わり、厚みがある低弦も音が不明瞭。第3楽章の Menuetto のT54の部分。Vc.の4分音符の旋律も分かり難い。
 最近聴取した小編成のフィッシャーの切れの良い演奏とは対照的。もう少し録音が良くないと、レビューが難しい印象。