音楽聴取記録(交響曲の聴取 各曲の聴取記録 通しNo.95   hob-No.93
2023年12月31日 更新

No 
Hob.
No.
 
通称名   作曲年 調性   楽

 fl  fg trp  cl  timp   cmb ランク    聴きどころ、ポイント
95 93 1790 4 -  -  - - (1) C Menuetのtrioにもtrp.とtimp.が用いられる迫力。
       1 AdagioーAlleglo assai
       2 Larg‐cantabile
       3 Menuet & trio:Alleglo mlto
4 Finale:Presto ma non troppo
ロンドンセット12曲を飾る最初の曲。通称名はないが、hob‐No.では一番最初の曲になる。しかし作曲年代では、No.95や96よりも後になる。序奏は主調に終始し、転調はあるが、部との関連はない。第1主題、第2主題ともに、明確に対比はある。しかしよく、聴き比べてみると、最初の出だしは、同じリズムになっている。旋律は過去の交響曲と同様に親しみやすい箇所もある。しかし全体的に、旋律の美しさや、展開、対位法的な面白さよりも、音の変化や強弱、装飾音などが重視をされている。ロンドンの聴衆を対象に、好みを察知して、作曲されていると思う。
 
聴衆の好みや、観る楽しさなどを重視しているためか、trp.とtimp.が今まで以上に、多くの箇所で用いられている。その典型は、第2楽章で最初は、弦楽4重奏のlargoと言うゆったりとしたテンポで開始。その直後にtrp.とtimp.が強奏で登場するなど、音の強弱や変化を重視。フルートが2本になり、クラリーノがNo.87と共に登場。しかし、これらの増えた効果は目立たない。
 一番の聴き所は、Menuetにあると思う。従来の室内楽的な、ゆったりとした雰囲気は全く潜め、威風堂々に終始。Menuetの後半も対位法が駆使されている。逆に中間部のtrioは、弦(場合によっては、soloのケースもあり)や管を中心とした、こじんまりとした雰囲気は影を潜める。ここでもtrp.とtimp.が用いられ、調性の変化も著しい。迫力があり、trio.の旋律、編成、構成が全く異なるのは、過去になかったものである。
 finaleは、展開部を欠くソナタ形式。ユーモアと流れを堪能できる。第3楽章と同様にtrp.とtimp。が活躍。
フィッシャー盤は、約20年余りかけて、全曲が録音されている。この録音は、1988年で比較的早い時期になる。編成は、初期、中期の頃と比べて、やや、きい様な感じであるが、細かい音は聴き取りやすい。カラヤン盤は、弦の編成が大きく、近代的なオーケストラで聴く雰囲気。強奏でも弦が主体で聴かれる。しかし一番の聴き所である第3楽章は、思った以上に、Timp.とtrp.が入っていて、迫あり。迫力あるMenuetを楽しむ点から、カラヤン盤を推薦したい。

(2020年1月13日追記 タグとして2010年3月5日とする)
2010年8月21日 NHK FM放送の番組「吉田秀和 ハイドンその生涯と音楽」
 を聴取。T. ピノック ロイヤルコンセルトヘボウによる演奏。詳しい演奏までは聴取できなかった。取り立てて印象に残る点は少ない。


2011年3月25日 ショルティ指揮LSOのCDを聴取。録音は1987年。テンポはどの楽章も中庸を保っている。楽器編成は大きいが、その分、迫力ある雰囲気が楽しめる。fl.が2管編成になる。各楽器のsoloの箇所は、エステルハージ時代と比べるとかなり減っている。しかしその分、オーケストラの中の各楽器、特に管楽器を中心に、soloとは違った役割を担っている方へシフト。たとえば、Allegloの第2主題が提示部と再現部で管楽器が担う箇所がある。提示部では第vn.→flのsolo。展開部はvn.+ob. 再現部はvn.+fg(solo)。演奏する楽器が全て異なる。(エステルハージ時代だと、楽器の種類が限られtいることもあり、提示部と再現部では、得てして同じ音色になってしまいがち)
 この曲の一つとして、「音の変化や強弱、装飾音などが重視をされている」と前記した。これに加えて、聴衆受けを狙った一つか、休止の効果も見逃せない。Adagioの序奏からして、早くも2小節めに休止符がある。展開部の途中 155小節のフェルマータ表示による休止。パリ交響曲シリーズでも休止符号は用いることもあったが、さらに要所で効果的に使用している。ショルティ盤は、テンポの変化とともに、休止の長さは中庸を保っている様だ。現代楽器で、大きな編成で聞きたい場合、カラヤン盤と同じぐらいの人数であろう。カラヤン盤は、テンポの変化がやや大きく、ゴージャスは雰囲気がぴったりであることは前記した。
 ショルティ盤は思ったより、端整に近い雰囲気が柱と思う。ついつい、ショルティの演奏は、以前から聴取して来た、マーラー CSOの演奏のエネルギッシュなイメージに自分では思っていた。ハイドンでは、このイメージとは正反対に近く、端整の表現がぴったりであると再認識する。
 2011年4月10日 セル指揮 クリーブランドオーケストラのCDをNo.96に引き続いて聴取。パリ交響曲の頃の比べると、聴衆の反応を意識した曲の典型であると思う一つ。楽器の扱いは、fg.のsolo箇所が多い。しかし、それ以外は、割合に保守的で、緩徐楽章は、打楽器などは登場するものの、特に第1vn.を中心に展開する。特にcodaの部分では、2つのvn.を含む、カデンツア風の掛け合いが魅力的で、全体で一番の聴き所は変わりない。
 セルの演奏は、弦楽器の透明感が特徴。No.97に引き続いて、この演奏も魅力。ただしこれまで聴いて来た中で、一部、異なるのが第2vn.の配置。No.95と97は、通常の右側であったが、この曲では、右側に位置している。この理由は不明だが。vn.のユニゾンの箇所は余りない。(中期までの交響曲とは対照的) vn.のユニゾンがない分、逆に第1vn.が大きな位置を占めている。第1vn.を引き立てるために、敢えて、第2vn.を左側に配置したためか? 緩徐楽章のcodaでも、2つのvn.が離れて聴こえている。これまで3曲を聴いて来た中で、テンポを中庸に守っているのが、一番の印象は変わらず。
2014年12月5日 デイビス盤を聴取。第1楽章の出だしで、意外に気づかれないかもしれないが、序奏から提示部に入って、2つのvn.は、音程を少し異なって登場。テデイビス盤では、細かい音色まで聞き取れるのか、この差が良く分かる。対向配置を取っていたヴァイル盤なら、さらによく分かるが。No92.と同様に緩除楽章で、打楽器を含めて活躍。弦4人のsoloの後、T9でfg.がsoloに入るが、このデイビス盤では良く分かる。timp.の随所の独自なの旋律など、細かいパートが良く分かる。楽器のパートの細かい動きが楽しめる演奏が特徴。
2015年1月3日 G.ヘルヴィッヒ ドレスデンフィル の輸入CDを入手。録音原盤は1977 VEB Deutsche Schallplatten Berlin となっているようだ。残響が比較的長く、モダン楽器で編成も大きい。テンポも中庸での演奏。
2015年7月31日 C.デイビス ACO No.93を聴取。第1楽章のT35、37など、va.に珍しく、独自の動きがある。このC、デイビス盤では余り目立たず。モダン楽器で、適宜にsoloを取り入れての演奏に終始。
2015年9月19日 2009年9月7日から12日の間のシュトゥットガルトでのライブ録音のCD ロンドンセットを購入。パリセットで印象的だった勢いから、ロンドンセットを新たに購入。こちらは、作曲順番に収録されていない。ノンビブラートが第1の特徴だと思うが。録音が、思ったより、弦パートの広がりが少ない。弦の分離する違いが、私の聴取環境では不十分。この音の違いに慣れないせいもあって、聴き始めの第1.2楽章については、違和感が多い。第2楽章の冒頭は、弦4部のsoloで始まるが、各楽器の位置が分からず。後半の第3楽章になって、ようやく音源に慣れる。
パリセットでも、1小節の中の細かい強弱の指定をうまく、ノリントンの演奏は、表現をしている。このMenuetの第3楽章はその典型で、冒頭T2からのfz指定が一部入る部分。同時にT2では、スラーとスッタカートが同時に記載されている。この部妙な違いは、従来までの演奏では、余り目だっていなかった。一方のノリントンでは、あたかも、この微妙な違いまで細かく表現をしている。作曲者はMenuetと記載をしているが、スケルツオのような雰囲気。ただし、あくまで、19世紀以降の作曲者のスケルツオではないのが基本。No.99の第3楽章が楽しみになる。
最後のFinaleは、さらに、1章節内の細かい強弱とノンレガートが光る。冒頭のT1の第1vn.はp指定のためか、ノンレガートが目立たない。しかしながら、T17からの第2vn.、T18からの第1vn.のノンレガートが、冒頭の音色と大きく異なる。また、T95-T117までは、一般には、f 指定を通して流れる。しかしノリントンでは、微妙な強弱を付けている。ライブ録音のため、最後は拍手が入るが、演奏中は、会場内の観客のノイズは目立たず。
 2015年12月5日  バースタイン ニューヨークフィル No.93を聴取。録音はパリセットより少し後になり、1971年のデータが記載。全般的に、テンポが遅めで、特に、第1、第3楽章が目立つ。
 弦楽器群が大編成による演奏スタイルなので、ノリントンなどの小編成とは音色は大きく異なる。テンポの微妙な変化や、繰り返しの後半での部妙な装飾などは採用なし。他の演奏でもこのスタイルが多いが、ノリントンで刷り込まれているのか、印象が薄くなってしまう。
2016年8月1日 ブリュッヘンOrchestra of The Age of Enlightenment  No93を聴取。第3楽章 Menuetの冒頭の主題は、スケルツオ風の強弱のアクセントが付いている。大半の指揮者のこのアクセントを強調するが、ブリュッヘンも同様。T78で、この旋律が強弱を余りと伴わないで、柔らかく演奏される部分がある。短い部分ではあるが、ブリュッヘンは、この旋律を他の指揮者と比べて、柔らかく演奏する。
Trioの後、Menuetが繰る返される部分。強弱とテンポを微秒に変えている。柔らかくテンポを落として、少し消えるように終わるのは、中期の交響曲でも同じように演奏していたスタイル。


2016年10月14日 E ヨッフム ロンドンフィルハーモニー管弦楽団 No.93を聴取。No.94の1枚組みを既に入手したが、その他のロンドンセット12曲も聴きたい。タワーレコードは既に廃盤となっていたが、オークションで入手。No.93から聴き始める。
第1楽章 Adagioのテンポは思ったより遅め。全4楽章を通した中では、Finaleが一番面白い。第3楽章までは、大編成のモダン楽器で弦と管楽器の対比がいまひとつ、分かり難かった。弦楽器だけでなく随所で、管楽器と打楽器のsoloが活躍する。得てして管楽器のsoloは、大編成の弦楽器に圧倒されて今ひとつ細かい音色が分かり難い。しかし、ヨッフムの演奏は、fl.を含む2名のパートが細かく分かる。特に、楽章の後半に向けてのT236から。ここでは、第2主題がob.のsoloで登場するが、弦のパートはp指定。第2主題のob.を引き立てるために、弦のp指定を忠実に守り、ob.の音色が引き立つ。
2016年12月18日 C デイビス 新盤 No.93を聴取。録音年月日と会場は、No.92と同じ。元々この曲は、No.96と同じような、やや軽い解釈の曲と思っていた。しかしこのデイビスの演奏では、下記のブログの様に、重量級の演奏を聴かせてくれる。
http://micha072.blog.fc2.com/blog-entry-630.html
特にこの第1楽章は、ノリントンの様な小編成で、各パートを明確に粒立てたような解釈とは対照的。弦の奏者も多く、ライブという効果も相まって重厚なスタイルで通している。やや遅いテンポでありながら微妙な変化を加えている。たとえば、展開部の中間当たりのT154の部分。ここでは一区切りをつけるために、pの指定のみだが、ややテンポを落としている。 後半の2楽章は、特にtimp.が活躍。timp.の活躍に合わせて、迫力がある演奏で締めくくる。
2017年8月3日 N. アーノンクール  Royal Concertgebouw  Orchestra No.93を聴取。5曲目となりアーノンクールの特徴を自分なりに少し把握できたこともある。このためか、No.96と同様に第1楽章の序奏でのやや遅いテンポとpの柔らかい雰囲気は他の曲と同様。
 第2楽章は弦4分のsoloで開始するが、冒頭部分は、あくまで弦楽四重奏の雰囲気。冒頭から第1vn.が第1主題を演奏するが、続くT9でsoloではなく弦5部のパートがユニゾンで主題を引く部分。P指定ではあるが、得てして、soloではなく弦5部のユニゾンに伴い、比較的音量を上げることが多い。しかしアーノンクールの場合は、ユニゾンでもp指定を忠実に守る。その対比となってT17からの ff の部分はパンチがある。

201817日  T ファイ No.93を聴取。No.96.97でファイの特徴は、かなり自分なりに把握をしてきたが、この曲も同様の解釈。強弱でsoloを適宜取り入れた箇所などはその典型のひとつ。序奏の冒頭からして、No.97と同様に、打楽器を含むTuittiに圧倒される。20小節の序奏が終わるまでにテンポや調整が様々に変わってくる。リズムは同じだが、指揮者によってテンポは微妙に変えてきた。ファイの場合は、最後のT20のfに向かって、少しずつ微妙にスコアとは強弱を少し変えている。T15の短調の部分で、スコアでは「f」になっているが、ファイは少し弱めている。最後の「f」に向かっての対比、短調という調性とも相まって自然な解釈。


 第2楽章の冒頭は、ファイだけとは限らないが、いつも、soloTuittiの関係が気になる箇所。弦のsoloは第1楽章ではないが、冒頭から弦4人のsoloからスタートする。実演を聞いた場合、当時の聴衆は、過去の交響曲で時折soloの箇所があるとは言え、va.を含む4人のsoloが冒頭から始まると、びっくりしたに違いない。冒頭の旋律がT7から弦のTuittiと共に、fg.soloがある。この部分でファイと同様に大半の指揮者は、fg.を引きたてるために、Tuittiの弦の音量を押さえる。その分、奥から聞こえてくるfg.soloが引き立つ。

 第3楽章Menuet 主部の速いテンポは、No.96.97と同じ解釈。Trioの部分でテンポを少し遅くするのも承知の上だが、旋律によって、こちらも微妙にテンポを落としている。長いTrioに対して主部が短いので、一層このTrioに印象が残る。

 Finaleもスコアにはないvn.solo装飾がある。聴きとおしてみて3曲ともに、ファイの特徴が Finaleもスコアにはないvn.solo装飾がある。聴きとおしてみて、3曲ともに、ァイの特徴が出ていると思った。

 ファイのCDは全てを入手していないが、入手が困難になりつつある。近いうちに価格を下げて、ロンドンセットが再発売される記事を見た。既に入手をしているものと未入手のものが混在している。このセットを買うかどうか、悩むところである。

 2018年5月8日 93番 ロスバウト バーデン=バーデン南西ドイツ放送交響楽団 を聴取。第1楽章は、8分持続的な音符の動機がポイントになり、殆どどのパートにも現れる。この動機が各パートで分離、Tuittiなどで掛け合いを楽しむのがポイントのひとつであるが、モノ録音と言うことも今ひとつ。
第2楽章の冒頭は、弦の各パートがsoloで引くようになっているが、ロスバウトの演奏では、ユニゾンであるように聴こえる。第2楽章や第4楽章は、soloが随所にある。Soloとしては聴こえるが、各楽器の分離感がモノ録音のため、今ひとつの印象。

2018年9月10日 レナード・スラットキン フィルハーモニア管弦楽団 を聴取。ザロモンセット4枚組み。No.93は、99、100とセットで収録されている。No.103に関しては、下記のブログに指揮者の経歴などを含めて記載されている。

http://haydnrecarchive.blog130.fc2.com/blog-entry-750.html

モダン楽器で大きな編成。第1楽章のテンポは比較的速め。第2楽章は、冒頭からその4人で始まる。この当たりは視覚効果で実際に見てみたい箇所であるが。冒頭からのsoloとT9から始まる通常の弦楽器の奏者との対比は、大きな差が余りない雰囲気。終わりに近くなって、T73あたりから、timp.→fg.→第12vn.→その他の楽器 へ続いていく。T80のfg.のffに向けて、次第に音量を落としていく。直前のT79では、ひとつ前のT78よりさらに落として、2部音符の第2vn.とfl.の長さを少し短く抑えている雰囲気。その分T80との対比が面白い。

2018年12月23日 クイケン ラ・プティト・ バンド No.93を聴取。同じ奏者の録音で、以前 No.96,97.98の聴取記録をアップした。ここでは、No.96のブログの部分でスラーを含む微妙な旋律のアクセントについて記載をした。その後、同じCDも重複する部分があるが、ザロモンセットを再度購入した。以前のブログ3枚は重複するので残りの部分について、最初から聴取をする。

http://mistee01.blog118.fc2.com/blog-entry-975.html

cmb.は、ほぼ常時bassの旋律で追随して入っている。(やや右の奥側) 第2vn.は通常の左側。旋律の微妙なニュアンスの例のひとつとして。第1楽章 展開部の後半T152当たり。一旦、終始して、fl.のsoloに引き継がれる直前の部分。ここでフェルマータの表示がある。 p の指定で、この部分の表現を微妙に表現するのが、指揮者の腕の見せ所。クイケンは、2つのvn.パートは、微妙に強弱を変えている。なお、このCDは日本語解説書も入った国内版のもの。当時のvc.の主席奏者だった、鈴木 秀美 の解説が入っているのもありがたい。ライナーノートの「このレコーディングによせて」からの一部引用。ここでは、指揮者のクイケンが大変細かい要求でリハーサルを行った記載がある。また、しっかりとした枠組みの中にあって、僅かにそれを超えたり、人の期待をはぐらかしたり、緊張を高めたりゆるめたりするハイドンの「機知」は、時に一瞬の間合いや音量の差で死活が決まり、或いは意味が変わってしまう。平凡に4小節のフレーズが何度も続くことがまずない と記載がされている。 

最近 池辺 晋一郎 著「ハイドンの音符たち」にも似たような趣旨の記事があったと思う。この微妙な「機知」を聴取側がどの様に受け取れるかが、ある意味スコアを元にした「聴取の醍醐味」であると思う。
 ありがたいことに、12曲の演奏に関して、奏者の数が全て掲載されている。中々この様な細かいデータの掲載がない。ザロモンセットに関して初演会場の差、開催目的が少し異なることなどもあり、前期と後期の6曲を、二つに規模に分けることは、指揮者によって面白みがある。この演奏でも弦の奏者は下記の通り。前期と後期で大差はないが、第2vn.とva.の奏者が微妙に異なっている。No.103.104の最後の2曲は、2つのvn.が7名と振る編成なのは理解できる。それに対して、No.96-98は第2vn.gが5名。この3曲はセットで過去の発売されていた。録音の都合もあるのか? 通常はザロモンセットは作曲順に聞いたほうがよいかもしれないが、今回はあえてCD掲載順のNo.93から聴取したのは正解であったと思う。





交響曲番号

1vn.

2vn.

Va.

Vc.

Bass.

No93

7

6

4

3

3

No94

7

6

4

3

3

No95

7

6

4

3

3

No96

7

5

4

3

3

No97

7

5

4

3

3

No98

7

5

4

3

3

No99

7

6

4

3

3

No100

7

6

4

3

3

No101

7

6

4

3

3

No102

7

6

3

3

3

No103

7

7

3

3

3

No104

7

7

3

3

3


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2019年5月17日 エルンスト・メルツェンドルファー ウィーン室内管弦楽団 93番を聴取。12曲のザロモンセットは、作曲順番だとNo.93は、後の方になる。大半の指揮者は、hob番号順に収録している。S クイケンを聴取した際に、hob番号順に聞いたのが良かった印象もあった。このため今回もhob.番号順に聴取する。
 CDだと28枚目で最初の曲となる。メルツェンドルファーの録音は、各曲はもとより楽章間でも録音レベルに差があるために、冒頭からどのレベルで再生したらよいのか不安に思うこともある。しかしこの曲に関しては平均レベル。曲の最後まで録音レベル、ダイナミックレンジ、分離感、雑音なども殆どない。1969-1972の録音では、さすがにSN比は少し落ちるが、低音の音の分離感がかなりよい。第1楽章 序奏の後の、冒頭のT21からの第1主題。得てして2つの音程が少し離れたvn.の音がメインに聴こえることが多い。しかしva.以下の低弦の旋律も注目。特に最初のT21のvc.とbass.の分離が明白で、スタッカートに近いような刻む様なリズムが印象的。vn.のスラーと旨く対比させている。従来までの演奏だと、ここまでの対比は余り分からなかった。
 第2楽章の冒頭は弦の4人のsoloで開始する。No.6~8で、録音の不自然さから、この部分も気になっていた。しかしsoloの位置も通常のオケの配置に近く、他の弦の奏者と一緒になるTuittiの音の溶け合いも問題なし。
第3楽章 Menuet。交響曲の聴き所のポイントとして、スケルツオ風の強弱の対比について自分なりに書いた。元々、メルツェンドルファーの場合は、Menuet のテンポは他の3楽章よりも、ややゆっくり。中間部のTrioでは、さらにテンポを落とすのが特徴としている。しかしこの曲に関しては、Menuetの指定よりもやや速め。しかしT15からの部分の強弱の対比など、テンポを微妙に変えているのも効果的。
 Finaleのvc.のsoloも自然な雰囲気。ソナタ形式を採用しない、終わりそうで終わらない 洒落た 雰囲気を旨く表現。
2019年10月9日 93番  B ドラホシュ Nicolaus Esterhazy Sinfoniaを聴取。同じD調が続くが作曲年代も下がり楽器編成も多くなる。cmb.も入らないが奏者の数はNo.72と比較して多いようだ。2名のhr.は左側に位置。各パートの分離間は良好。第2楽章の冒頭で弦楽合奏の4名のsoloの部分。ここでもsoloの奏者が中央よりに適度に配置。
 テンポは全体的にやや遅め。要所でもT ファイのような必要に応じてのリズムや音量の強調は余りない。FinaleのT292の部分。終わりそうで終わらないように引っ張る部分で、弦以外のパートがファンファーレ風に演奏する箇所がある。この箇所でも、あくまで柔らかく演奏。
2020年12月14日  T ビーチャム ロイヤルフィルハーモニー管弦楽団 No.93を聴取。この奏者の演奏では過去にNo.96,97、98を聴取すみ。この時はCDは1枚のみだったが追加で2枚組を購入。2枚組はザロモンセットの前半No.93から98が収録されている。残りの3曲を聴取開始。下記のブログにモノラルの音源ながら「ジェントルで高雅な雰囲気」などの好演の記載がある。

https://haydnrecarchive.blog.fc2.com/blog-entry-997.html

No.96から98の後半の3曲はレビュー済み。3曲の共通した印象は余り高くないものの、要所でテンポや強弱の変化が効果的などの記述をした。ただし残念ながら全てモノラル録音なので、レンジが狭く各パートの掛け合いなどは分からない。

 今回も同じような解釈だと思っていた。No.93も同じような解釈とは少し異なり強弱の変化と盛り上がりは、ツボを得たような好演だと思う。第3楽章のMenuet はその典型。元々、指揮者によっては、Menuet の強弱を余りつけないで、さらりと流すこともある。しかしこの演奏では強弱を微妙につけた匙加減がよい。この繰り返しが一部省略され、全体的に長く強弱の対比が大きい方だと思う。No.99の第3楽章のように、スケルツオのような雰囲気を先取りしていると思う。それに伴いこの楽章自体の重みが大きいと思う。
 Menuet の後半T31からtimp.のsoloで始まりT46まで一気に盛り上がって、半終始をすることが多い。しかしこの演奏では、T38で、いったん弱奏になった後そのまま弱奏が続く。この後に続くTrioの強奏と対照的。Trioの出だしも前半の管楽器のTuittiで p の後、 いったん 音量を落とすなど強弱をつけている。Tiroの後、再度、Menuet が回帰してくる部分。ここでは定番通り、強奏で終わるが手前のT38ではいったん弱奏を挟んでいる。Menuet とTrioの対比が印象的。(スペースの関係で全てのパートの記載は省略し、timp,とvn.のみのスコアにて表示)
 Finaleは後半の繰り返しがないため一気に終わる。T268からのcodaの手前で少し音量とテンポを落としてから、盛り上がって締めくくるのは、心地よい印象。しかし如何せんモノラル録音の点に不満は残る。
 なお版による違いがあるかもしれないが第2楽章の最初の部分。一般に最初の8小節は弦の奏者4名がsoloになっている。しかしこの演奏ではsoloでないようだ。録音のレンジが狭いためsoloに聞こえないかもしれないが? Finaleの中間部分 T165では vc.のsoloがキレイに入っている。録音のせいではなく、元々、指揮者自身が最初からTuittiで最初から意識した解釈があったのかもしれない。
N アーノンクール ウイーンフィル 第93番

2021年6月4日 N アーノンクール ウイーンフィル 第93番 を聴取。3枚組のCDの2枚目の第1曲目。1枚目と違い、Musikverein ではなく Konzerthausが録音会場となっている。このCDにはこの後、指揮者自身のインタビューを挟んで、No.103がその後に収録されている。No.12のドホナーニで、このシリーズの当日の演奏曲目やその他の曲や順番について自分なりの考えを記載をした。このCDのライナーノートにはNo.93との103の間に チェロ協奏曲No.1 についても記載がある。
 第1楽章の冒頭の出だしの序奏は、コンサートの開始直後なのか、少し音程があっていない雰囲気。vn.は対向配置? 残響が大きいので、音の低位感が1枚目と同様にやや不明瞭。しかし残響が多い分、第2楽章の冒頭、soloと弦のTuittiとは、うまくバランスはとれている。4人の弦のsoloで始まる、弦楽四重奏の奏者であるが、この箇所を聞くと、ついついNo.67のFinaleを思い出してしまう。No.67は、中間部であるが、3人の弦のsoloの後に、Tuittiで弦が溶け込むように、一緒の音量になる。一方No.93の方は、溶けむような雰囲気ではなく、休止部分を挟むのとは異なるが。
 No.26の楽器の音量の差についても記載をした。冒頭の弦楽四重奏の4人の弦の音色。録音も明白に4人のsoloがわかるが、音量がsoloとしても小さくはない。その後T9からfg.のsoloが加わり、弦の4つのパートはフル編成の奏者になる。この弦の音量とsoloの音量の差は明らかに、冒頭のsoloの方が大きい。fg.のsoloも加わるものの、この音量の差はなぜあるのか?
 指揮者によっては、モダン楽器で奏者が多いと、この差がわかり難いかもしれない。しかしアーノンクール ウイーンフィルの演奏では、soloの方が大きいのが印象的。


 もう一つ、印象に残ったのは、第3楽章のMenuetto のTrioの部分。旋律と音量の違いによって、テンポを微妙に落とすのは、アーノンクールの特徴ではあるが。この箇所でも大いに発揮していると思う。ただし手兵? のRoyal Conertgebouw Orchestra の演奏と比べると、やや、控えめのような雰囲気。Trio自体も繰り返し記号もあって、かなり長い。
またMenuettoの主部も、第1部と第2部の両方に繰り返し記号がある。通常の指揮者だと、Menuettoが回帰してくるときは、第1部と第2部の繰り返しを採用しないことが多い。しかしこの演奏では、繰り返し忠実に守るため演奏時間も長い。ライヴ録音だと得てして、繰り返しを省略することもあるが。忠実に繰り返しを守っているのも好感。

 2023年6月1日 93番  C アバド ヨーロッパ室内管弦楽団。を聴取。C アバドは No.96は以前、レビューした。

http://mistee01.blog118.fc2.com/blog-entry-1470.html

モダン楽器だが、各パートの掛け合いがよくわかると記載した。各パートの掛け合いは様々なパターンがあるが、今回はtimp.について記載をしたい。打楽器群で低音域を受け持つtimp.はtuittiの箇所ではtrp.ともに、補強的な枠割を持つ。しかし一方、tuittiでない箇所も必要に応じてあり、ここでの音量をどのように位置づけるのかは指揮者によっても色々な考えがある。
 この演奏では、tuittiの大音量でない箇所は、timp.は弱音による微妙な音色がポイントとなっているようだ。T29では独自の動きがあるが、あくまで柔らかいニュアンス。T31からも同様で、fl.の旋律と異なることもよくわかる。結果的にtrioの部分の冒頭は、tuittiで打楽器群の一つとして通常の演奏のようにtimp.は迫力のある役割となっている。

 2023年11月18日 93番 93番 A フィッシャー デンマーク室内管弦楽団 を聴取。 グッドマンのレビューを継続中だが、楽しみにしていた新盤を入手。今回は、値段の安い輸入盤の方を購入。国内盤での邦訳は、どこまで記載されているのか不明だが。輸入盤はライナーノートに下記のように記載がされている。

(1) No.93~95の概要 A フィッシャー
(2)  ハイドンの生い立ちなどの紹介 keitu Anderson
(3) Haydon in London:Art,Womenand Consultants~ Soren Schausser
(4) No.93~95の各曲の紹介 keitu Anderson

上記のライナーノートの中では、最初の指揮者 フィッシャー 自身の解説が面白い。弦楽器の奏法、弓の使い方、拍の扱い方に新しい解釈を取り入れたと記述がある。特に、跳ね弓(Spiccato)の奏法が、とても面白い。弦楽器のスッタカート(sutaccato)の部分は、通常は跳ね弓の奏法は、私は、今まで聞いたことが殆どない。しかし全ての箇所ではないと思うが、跳ね弓の奏法で演奏しているので、弦楽器の音色が豊富になっている。たとえば、No.93の場合、下記の箇所。

ハイドン 音盤倉庫でも好演のレビューがある。

https://haydnrecarchive.blog.fc2.com/blog-entry-2070.html




 フィッシャーは既にハイドンの全集を過去に完成している。しかし如何せん、録音が初期の頃で後期の交響曲は、音質がかなり悪い曲がある。この点は多いに不満だった。しかし今回の録音は新鮮。全集では、vn.は殆ど通常配置だった。しかしこちらの方は対向配置になっているのも魅力的。この楽団はデンマークでもポピュラー音楽を中心に、過去からの演奏実績はあるが、クラッシックの分野は比較的新しい。フィッシャーを迎え、クラッシックの分野で、新たな解釈で演奏された。(クラッシック追っかけ日記 のブログより)

http://blog.livedoor.jp/haydnphil/


 このブログは、とても興味深い箇所があるが、今後、随所でも紹介したい。まずは、跳ね弓の箇所を中心にレビューした。既に、現時点(2023年11月18日)では、ザロモンセット12曲は録音済。まだ前半の6曲 2枚しか入手をしていないが、レビューが楽しみになっていく予定。
 

2023年12月8日 93番 R グッドマン ハノーヴァバンド Roy Goodman The Hanover band を聴取。以前、この指揮者と奏者で過去にレビューをした。このCDではNo.31に引き続きNo.94とNo.95が収録されている。(下記のブログ)

http://mistee01.blog118.fc2.com/blog-entry-1008.html

 録音年月日が異なる。また録音時間も多少異なっている。No.93~95の詳細の録音会場の記載がないので、このあたりまでの詳細な違いまで分からない。上記のレビューでは第2楽章 T16のtuittiの強打の部分。音量の対比が印象的と記載した。しかし最近、聴取したフィッシャー盤と比較すると、さらにレンジの広さを堪能できる。
 グッドマンでも各パートの掛け合い、音量、音色の違いは、よく分かる。しかしフィッシャー盤の場合は、指揮者にない動機も大切にしているようだ。FinaleのT3の第2vn.の動機。フィッシャー盤のレビューでは記載しなかったが、この箇所を目立たせている。一般に4分音符の動機が多い中、長い持続的な旋律の箇所は少ない。その分この箇所が目立っている。冒頭の部分だけでなく、何度か回帰してくる部分も同様。グッドマンの場合、第2vn.
動機は余り目立たない。
 フィッシャー盤でFinaleの最後の部分。Timp.を含めた強弱の対比印象的と記載した。

http://mistee01.blog118.fc2.com/blog-entry-1645.html

 グッドマンも強弱の対比はあるが、やはりフィッシャーには構わない。