音楽聴取記録(交響曲の聴取 各曲の聴取記録 通しNo.9 hob-No17

2023年9月1日 リンクラベルを付ける更新

No 
Hob.
No.
 
通称名   作曲年 調性   楽

 fl  fg trp  cl  timp   cmb ランク    聴きどころ、ポイント
9 17 1760−61 F 3 -  -  - - (1) D Alleglo 展開部でのカノン風の扱い方
       1 F Alleglo
       2 Andante ma non troppo
       3 F Alleglo molto
2010年11月29日:Allegloの第1楽章は、比較的展開部が長く、カノン風の扱い方に興味がある。第2楽章の短調はしっとり。しかし前の第20番と比較すると、細かい動きや音色の変化が少ない。
 ドラティは、第3楽章のテンポがゆったりとした雰囲気。
1
13日、スコアを見直しながらの再度、聴取。提示部は第2主題がはっきりしない中で、属調の経過部が長いのは、この頃ある典型的なスタイル。比較的展開部が長い点をスコアでチェック。55小節の提示部に対して、展開部は57小節と、この頃としてはかなり長いことが判明。
 (20191227日追記 タグとして20101129日とする)


2010125日 ディビス盤を聴取。初期の頃の典型の曲。改めて、聴き通しても、同じ印象。cmb.は、ドラティ盤と同じぐらいに大きめ。第2楽章は、この盤を特徴とするようにテンポはゆっくり。第3楽章も同様。
スコアを見ると、ob.のパートが記載なし。しかし演奏ではかなりユニゾンあり。この違いは今ひとつ分からない点が多い。ob.の旋律は、vn等の他の楽器常にユニゾンでもなさそう。かといって、もしob.solo1箇所でもあれば、恐らく楽譜に何らしかの明記がされていると思う。しかしディビス盤の演奏でもsolo演奏はなし。参照しているスコアは恐らく旧全集で、ob.パートが欠落していたもの。スコアの版によっては、ob.パートがあるらしい。


201323日 追記。ホグウッド盤を聴取。
 今まで3者の演奏を聴いてきた中で、ob.のパートがはっきりしないと思っていた。この演奏では小編成でもあり、細かく聴き取れる。パートの位置づけとしては、これまで聴いていた通りで、soli.の部分は少ない。

2015220日  ゴバーマン盤を聴取。No.10に引き続いて聴取。第1楽章のT17から2つのvn.の掛け合いが聴き所の一つである。各パートは分かれて旨く聴かれるが、元々ランクを低く評価していることもあり、特徴が少ない。
2019217日 エルンスト・メルツェンドルファー ウィーン室内管弦楽団 No.20を聴取。録音によるでき、不出来に差はあるが、この曲に関しては良い。終楽章は概してテンポは遅めだがこの曲も同様。全ての繰り返しを採用してもこの演奏でも308。 曲全体で大きな特徴は余りない方に属すると思うが。再現部の終わりT93codaに向けて一旦、終始をする部分。ここでは少しずつテンポを落として間を取っている。他の指揮者も採用することが多いが、メルツェンドルファーでも丁寧に実施。元々finaleのテンポが遅いのも相まって、この後に続く第1主題の明るい華やかさと旨く対比されると思った。打楽器群が入らず、管楽器と弦楽器のバランスがポイントのひとつとなる。ob.のユニゾンも適宜で、Tuittiの部分ではob.が補強的ながらも明白に聴き取れる。それに対してTuittiでなく、弦が中心の部分にob.は入らないが強弱の対比は良好。
 

 20191024日 17  Kevin Mallon K マロン Toronto Chamber Ochestraを聴取。作曲年代は異なるが同じ調のNo.40と比較してみると面白い。No.40は、T ファイの 強弱のあるリズム感とテンポの対比がとても印象的。またメルテンドルファーの全集でも、No.40は、割合に印象に残っていた。(下記のブログ)

http://mistee01.blog118.fc2.com/blog-entry-1101.html

 T ファイはこの曲を録音したかどうかは不明だが、もしこの曲を録音したのなら、No.40と同様に、冒頭からvn.の左右対向配置を生かして、主題が登場va.以下の低弦は、vn.に負けないように、迫力あるリズム感で表現したかもしれない。(20211024日 追記。T ファイはこの曲は録音していない。これに代わり、新たな指揮者として録音が発売となった。)
 これに対して マロンの場合は、小編成を生かした規模の柔らかい表現が多い。T5でいったん p になるが冒頭からの対比も印象的。


 

Johanees klumpp  Heidelberger sinfoniker 17

20211027日 Johanees klumpp  Heidelberger sinfoniker 17番を聴取。このCDでは4曲目。全部で5曲の中では後半に入る。井上太郎著「ハイドン106の交響曲を聴く」の中で、この曲に関しては、初期の平凡の曲のひとつの記述がある。確かに3楽章しかなく、繰り返しがあるものの一度、聞いただけではこの曲の特徴も見つけにくいかも。

 

この曲のレビューで、過去のマロン盤で、もし ファイが録音していたら、冒頭の低弦から迫力のある演奏だったに違いないと自分なりに記述した。(以下のブログ)このボルグには第1楽章の冒頭の譜面がある。

 

 

http://mistee01.blog118.fc2.com/blog-entry-1251.html

 

 ファイの低弦に関しては、過去にNo.40に関して、唸るような切れ味などをコメントした。(下記のブログ)

 

 

http://mistee01.blog118.fc2.com/blog-entry-674.html

 

 指揮者は違うがこの演奏でも、やはり予想をした通り、冒頭から低弦の切れのある厚みが期待できた。最初の部分も、もちろんこの低弦の切れは満足できるが、提示部の最後の部分。T55の繰り返しの直前。8分音符の切れも厚みがあり、その後に続く調性の変化が楽しめる。

 vn.の奏者は、4人ずつの計8名。指揮者あるいは楽団によっては、対向配置の録音であっても、第2vn.の奏者の数を減らすことがある。対向配置で同

じ 音程のユニゾンを演奏するとき、左右いっぱいに広がってvn.の音が包み込む。もし第2vn.の奏者が1名でも減ると、この音量がわずかだが違ってくると思う。同じ奏者の数をしたのは正解だ。

 第1楽章一つをとっても、2つのvn.は独自の動き、ユニゾン、重音など対向配置を生かして、様々な音色が楽しめる。

 2023年8月21日 17番 R グッドマン ハノーヴァバンド Roy Goodman The Hanover band を聴取。このCDはNo.17〜21の5曲がホーボケン番号順に収録されている。輸入盤なので、日本語解説はない。英文の解説書によると、ボーボーケン番号順は作曲順番とは異なっていることは記載されている。
 No.17は最近では Johanees klumpp  Heidelberger sinfoniker を最近聴取した。(以下のレビュー)

http://mistee01.blog118.fc2.com/blog-entry-1413.html

 ここでは、T ファイの演奏スタイルを引き継ぐかのように、小編成でも切れのある、キビキビとした演奏が特徴だった。一方、グッドマンの方は、まったく対照的に、キビキビとした演奏は皆無に近い。緩徐楽章を含めて、全ての部分に、指揮者が中央でcmb.を弾いている。cmb.の音が、元々、やや大きいこともあり、柔らかい印章に終始。第2楽章は、展開部と再現部の繰り返しは採用なし。それ以外は、繰り返しをしている。繰り返しの後半では、装飾する場合もある。しかしグッドマンの場合は、繰り返しの装飾はないようだ。

 2024年8月7日 ドラティ盤 No.17を聴取。ホーボーケンから順番に聞いていくと、No.17〜20にかけては、モルツィン時代の作曲とされ、一連の小品の一つとされていることが多い。打楽器群が含まないことも多く、全体的に短い曲が多いのも共通した特徴。
 No.17は、2つのvn.の中で、ユニゾンの同じ音域で演奏する箇所が余りない。このため第2vn.は独自の動きあるいは、旋律を受け持つ箇所などが随所にある。対向配置を生かした録音なら、このあたりが聴き所の一つになる。最近では、最新録音の J クランプは、対向配置を生かしたレビューを記載した。

http://mistee01.blog118.fc2.com/blog-entry-1931.html

 ドラティは対向配置でないために、対向配置を生かした、録音についついレビューに重きを持ってしまう。