音楽聴取記録(交響曲の聴取 各曲の聴取記録 通しNo.79 hob-No.77   
2023年7月29日 更新

No 
Hob.
No.
 
通称名   作曲年 調性   楽

 fl  fg trp  cl  timp   cmb ランク    聴きどころ、ポイント
79 77 1781 B 4 -  -  - - (1) B 親しみやすい旋律と明るい雰囲気で、第3期のシリーズで第1候補。
       1 B vivace
       2 F Andante sostenuto
       3 B Menue&trio 、Alleglo
4 B Finale,Alleglo spiritoso
序奏なしに第1主題が登場するが、親しみやすい旋律で明るい雰囲気。第2主題も同様。第2主題の提示を最初は、fg.で次に、fl.で提示するなど、ユニゾンを通して、音色の工夫が随所にある。展開部は長く、弦を中心とした対位法と、終わり頃に、第2主題が弦4部のsoloで登場するのが対照的。再現部も長く、codaはないが、提示部と比較してかなり展開されている。休止の箇所も多いが終始、流れるような明るい雰囲気が特徴。
 第2楽章は単一主題による変奏曲と3部形式が合わさったもの。調性の変化は余りないが、弱音器を含めた音色の変化が楽しめる。Finaleは中規模のソナタ形式。明るい雰囲気でcodaがつく。
全体を通して常に明るい雰囲気に終始し安心して聴ける。第3期 聴衆への迎合と実験としているが、シリーズの中でどれか1曲をなれば、第1候補として推薦したい。通称名はない、当時から人気があった曲と推定。ドラティは、展開部の中の第2主題の部分がsoloではない。しかし、の前の第1主題の展開部の対位的なダイナミックさは、フィッシャーよりも迫力あり。両者、甲乙、付けがたい。

(2010年1月4日追記 タグとして2010年2月9日とする)
2014年1月2日 デイビス盤を聴取。この第1楽章の充実した展開部については、前記をしたが、「交響曲の生涯」でも、「徹底した2小節単位の展開部で秀作」と記載されている。ここまでは、比較的流れるように、調性の変化がなかったのが、この箇所へきて、一気に緊張感を増すのは、見事と思う。フィッシャー、ドラティ盤と同等。
2019年5月1日 エルンスト・メルツェンドルファー ウィーン室内管弦楽団 77番を聴取。No.76と同様に「洒落た気軽」な雰囲気の典型のひとつ。Finaleは、珍しく展開部と再現部の後半を繰り返している。提示部が98小節。展開部と再現部を合わせても丁度同じ98小節。展開部が比較的短いことの影響か? 繰り返しても違和感はない。終了少し前でT187から管楽器のみで提示される部分がある。この部分での強弱の扱い方には興味がある。Finaleの最後は、Tuittiでf で終了するので、指揮者によっては管楽器が柔らかく p で演奏するかもしれない。しかしメルツェンドルファーの場合は、この部分は f で演奏。元々、管楽器のパートは比較的強調されることが多い。この以外も、管楽器の音が極端に目立ってはいない。しかしT187−T191の部分だけは f で強調される。曲の盛り上がる終了を考慮するとこの解釈は自然。得てして今まで管楽器と弦楽器のバランスの悪さを指摘したが、この部分を含めての、この曲や類似した曲にも共通するが、録音の良い場合は旨く表現していると思った。
2023年11月3日 77番 R グッドマン ハノーヴァバンド Roy Goodman The Hanover band を聴取。No.76から引き続く。No.76からの3曲はセットで作曲、イギリス向けに主PPなされている。ハイドン自身が「コンパクトで演奏しやすく、分かりやすい交響曲」のコメントを残している。確かにその後のパリセットの6曲と比較すると、今ひとつの印象の箇所があるかもしれない。
 グッドマンの演奏は常時、指揮をしながら中央でcmb.を演奏している。何度も触れているが、hr.を含めた管楽器の音がやや大きめの分、弦と菅とのバランスが取れている。合わせて、音量の強弱の差が大きく、微妙な音量の違いが聴き所となっている。
 第1楽章は73小節の提示部があるが、序奏はなく、p で第1vn.が第1主題を弾いている。T74から展開部が開始するが、調性が変わるのはもちろん、音量との対比が印象的。同じ調性のNo.102の第1楽章の展開部の一部のように、旋律の掛け合いが始まる。作曲者は「コンパクト」のコメントを残している。しかしスコアの詳細を見てみると、各パートの掛け合いなど疾風怒涛期の作曲の手法に類似している箇所もある。しかしながら、注意深く聴いてみないとこの当たりのニュアンスは分かり難い。


 No.76に管楽器の楽器以外のキーの音についてレビューした。このNo.77も一部ではあるが、やや目立つ箇所がある。特にFinaleの最後の部分は曲が ff で締めくくるような意気込みのためか、やや目立つ。違和感ではなくライヴのような雰囲気。録音データは3曲合わせて、わずか3日間で済ませている。殆どライブのような雰囲気の録音が逆に印象に残る。