音楽聴取記録(交響曲の聴取 各曲の聴取記録 通しNo.4 hob-No2
2024年4月14日 

No 
Hob.
No.
 
通称名   作曲年 調性   楽

 fl  fg trp  cl  timp   cmb ランク    聴きどころ、ポイント
4 2 1757頃 C 3 -  -  - - (1) D リピートなしの楽章あり。
       1 C Alleglo
       2 G Andante
       3 C Finale,Presto

2010年11月24日:第1楽章提示部のリピートがないのは珍しい。また展開部と再現部のリピートもなし。第2楽章は無窮動的な主題で展開も少ない。Prestoでは、va.以下の低弦楽器が独自の動きが目立つ。(これまでの3曲までは、独自の動きが目立たない方であった。) Cの調性は祝典的な方であり、初期の頃からもtrp.timp.を伴うケースが多いがこの曲はなし。このため、やや、こじんまりと聴こえる。
 スコアを見ながらドラティ盤を再度の聴取。第1楽章の提示部のリピートはない以外に、どの楽章にも反復記号がない。(井上著にも記載)第1楽章の終わりに近いところでドラティ盤は、かなりの盛り上がりを見せるが、スコアでは特に強弱の指示はない。しかしエネルギッシュな終わり方。
20191227日追記 タグとして20101124日とする)

 

20101128日 ディビス盤を聴取。井上 太郎著「ハイドン106の交響曲を聴く」によると、各楽章の反復記号がない点などからバロック的と記載がされている。この表現は、的を得ていると思う。Presto2つの調性の異なる主題が交互に現れている。後年になって2つの主題によるロンド形式などがあるが、その走りではないかと推測。前 述の井上著の本にもこの点に言及。
もう少しこの箇所を(No.21楽章のcoda)中心にスコアでチェックしてみた。再現部の後、第12主題が再現する。その後の結尾部では、提示部と異なり第1主題が再度、短いながらも回帰がされる部分に相当する。(強弱の指定はなし。)しかし楽章終始の6小節前で一旦、「p」の指定箇所がある。僅か3小節の「p」の箇所との対比が絶妙で、その後の「f」で第1楽章を締めくくる。エネルギッシュで終わる印象の背後には、作曲者にはなかった一部なかった強弱記号の箇所がある。しかしその背後には、拡大された短いながらのcodaの影響だと思った。ドラティはこの部分を旨く演奏に反映しているのではないか。
 第2楽章は第12vn.が常に同じ音符で進行する。
 第3楽章はロンド形式の走りであることが再度、認識する。フィッシャー、ディビス盤と比較してテンポがPresto以上に速い。しかし繰り返しがないロンドの流れる様な切れの良さを味わうのならこれ位、速い方が良いと思った。ドラティ盤を勧める。


2013121日 追記。ホグウッド盤を聴取。今まで、cmb.はこの演奏で入っていないと思っていた。しかし注意深く聴いてみると緩徐楽章が2声で構成されることから、cmb.は不可欠であったと記述。cmb.は低弦と同じ旋律で演奏しているようだ。中野著「ハイドン交響曲」ではFinale Prestoは、今まで聴いてきた中と同様にかなり速い。
2015218日  ゴバーマン盤を聴取。Alleglonoの指示であるがテンポは、ゆくりめ。ドラティ盤では、codaにかけてエネルギッシュに終了するが、ゴバーマンでは通常に終わる。第2楽章のAndanteでは弦楽器のみ。cmb.が装飾音を一部伴い参加。
2018217日 パトリック・ガロワPatrick Gallois)指揮のシンフォニア・フィンランディア No.2を聴取。ごく初期の交響曲のひとつで、全集以外だと、まずは注目されない曲のひとつ。井上著「ハイドン 106の交響曲を聴く」の中で、第1楽章はこの時期としては珍しく、反復記号がない記載がある。繰り返しがなくても193小節ある。通して聴くと旋律の中にも、調性の変化や強弱の変化が随所にある。繰り返しがないので注意深く聴く必要がある。
  第1番でレガートをキーワードとして記載をしたが、この第1楽章はその典型。冒頭の第1主題もスッタカートの記載があるが、ガロワは、余りアクセントをつけない。そもそもテンポ自体がかなりゆっくり目。412に対して、ホグウッドは308。小結尾に近いT55あたりで通常は、f の指定で、盛り上がりを見せるがガロワの場合は、 f でない。短い楽章であるが、対位法的な旋律が随所にある。特にT178当たりから、これまで登場していた各旋律が、終結に向かってエネルギッシュに向かう。ドラテイ、フィッシャー、ホグウッドを聞き比べてみたが、このT178当たりは、それほどエネルギッシュに向かわない。ガロワでも同様。もしT ファイがこの曲を指揮していたら、恐らく最後の方のT178からの弦のパートが異なる部分でバスパートを中心に f の盛り上がりを見せたに違いない。



ohanees klumpp  Heidelberger sinfoniker 2

20211025日 Johanees klumpp  Heidelberger sinfoniker 2番を聴取。No.18から引き続く。3楽章ともすべて繰り返しがないため、全曲通しても10分足らず。Tファイと同様に、速いテンポの楽章は、常に速く駆け抜けるスタイルは変わらず。最初の第1番の第1楽章の爆速のようなテンポを再現するような雰囲気。第2楽章は一転してAndanteの弦のみなので、極端ほどでないがテンポはゆっくり目。続く第3楽章は、第1楽章を再現するように再び爆速に近いテンポ。vn.はこれほど速いテンポの16分音符のパッセージはこなせるかもしれない。しかし低弦までもが16分音符の独自のパッセージもある。(この箇所では低弦以外のパートは一瞬だが休みとなっている)速いテンポの低弦特にbass.奏者は苦労したと思うが、モダン楽器でも、低弦のうなるような音色は印象的。

速いテンポでありながらも、中間部では少しテンポと調を変えるなど微妙な変化がある。一度、聞いただけではすぐに終わってしまう初期の交響曲。しかも繰り返しがないので、レビューを書くにも苦労をする曲の一つ。

2番 ジョヴァンニ・アントニーニBasel室内管弦楽団 

2022年3月4日 2番 ジョヴァンニ・アントニーニBasel室内管弦楽団を聴取。このCDでは最後の4曲目になる。No.24より奏者は、さらに減って以下の通り。

5:4:3:2:1

最後に持ってきたのは、過去の3曲のアンコールのような雰囲気。調性は最初に登場したC‐durと同じ。しかしNo.2は3楽章。また繰り返しが全くない。トータルでもかなり短い時間の演奏となる。4曲とも全て長調の調性。フラット系の調はない。HMWの日本語解説でのこのCDの照会では、No.2はクリスピーのような演奏と記述があった。これまでの3曲のどちらかといえば、音量の差を生かした旋律の独自の動きなどが聴き所。しかし最後のNo.2は、奏者が少ないのはもちろん、最初期のひとつということもあり、こじんまり とあっさりした雰囲気。このためアンコールのような雰囲気につながっていると思う。
 例によって、このCDの表装について。Magnum photo に所属する Elliot Erwitt の写真について。1928年の生まれとあるので、かなりの高齢になる。 光の濃淡、陰影などがキーワードになっているので、収録されている写真は、奏者の集合写真も含めて全てモノクロ。モノクロを採用している意図も伝わってくる。パリセットが初めての登場のためか、パリの撮影が多いようだ。パリ市内のエッフェル塔や、地下鉄 VARENNE 駅の構内にあるロダンの彫刻などが掲載されている。パリを象徴する写真の一つとしても印象的。表紙写真で女性が鏡で化粧をしている手法。


 Magnum photo のホームページに類似の写真が掲載されていた。

https://www.magnumphotos.com/arts-culture/society-arts-
culture/elliott-erwitt-the-benevolent-voyeur/

車のサイドミラーから2名の男女を撮影したもの。タイトルのひとつに「慈悲深い盗撮」と記述がある。 Magnum photo  の会長職として従事した輝かしい経歴もある。アントニーニのシリーズのテーマには kaleidoscope 万華鏡がある。第2集にも万華鏡の興味深い写真が掲載された。この第11集も 万華鏡とは異なるが、鏡を使用して うんちく のある写真だと感じた。

 R グッドマン ハノーヴァバンド Roy Goodman The Hanover band を聴取。2023年1月10日No.1から引き続く。No.2は繰り返しの箇所が全くない。グッドマンの解釈は、繰り返しの箇所はできるだけ採用することが ライナーノートに記載してあった。この場合は繰り返しがないので聴き所がある場合、集中する必要あり。
 基本的にはNo.1と同じような雰囲気。Finaleのロンド形式で最後の方のT201の部分。第1vn.は長い旋律を弾くが、T204あたりからトリルになっている。同じような旋律が何度も登場するので、この部分だけ少し変えたのかもしれない。
 002番 ジョヴァンニ・アントニーニBasel室内管弦楽団  Youtube  追記(今後のアントニーニの全集など) その1
2023年12月29日 追記  アントニーニの公式サイトを見てみると、 第20集までの曲目が掲載されていた。近い順番では第15集でNo.85を含む曲の掲載となっていた。現時点で最新版(第14集)のNo.53を含むタイトルは、帝国、王冠などがテーマとなった写真。これに対して、次回の写真は No.85が「王妃 LA REINE」なので、女性が中心となった王妃のような雰囲気。
 公式サイトでは欧州の40会場で年に2回、シリーズで開催となっていた。ちなみに第20集のNo.76〜78は、すでに会場はウィーンの Musikverein Vienna, Brahms-Saal。開催日は Monday, 8 April 2024 でプログラムが記載されていた。バーゼル大聖堂の演奏会が翌日となっている。ウイーンからすぐに、翌日にはスイスのバーゼルに移動する過密スケジュールかも。
 002番 ジョヴァンニ・アントニーニBasel室内管弦楽団  Youtube  追記(今後のアントニーニの全集など) その1
2023年12月29日 追記  アントニーニの公式サイトを見てみると、 第20集までの曲目が掲載されていた。近い順番では第15集でNo.85を含む曲の掲載となっていた。現時点で最新版(第14集)のNo.53を含むタイトルは、帝国、王冠などがテーマとなった写真。これに対して、次回の写真は No.85が「王妃 LA REINE」なので、女性が中心となった王妃のような雰囲気。
 公式サイトでは欧州の40会場で年に2回、シリーズで開催となっていた。ちなみに第20集のNo.76〜78は、すでに会場はウィーンの Musikverein Vienna, Brahms-Saal。開催日は Monday, 8 April 2024 でプログラムが記載されていた。バーゼル大聖堂の演奏会が翌日となっている。ウイーンからすぐに、翌日にはスイスのバーゼルに移動する過密スケジュールかも。
 002番 ジョヴァンニ・アントニーニ Basel室内管弦楽団  Youtube  追記(今後のアントニーニの全集など) その2
2023年12月30日 追記 

 CDの録音とYoutubeの録音で多少異なることは、何度もレビューした。教会の方は、残響が長い分、やや鮮明度には欠けていると思う。曲目の演奏順番も気になるところ。CDは 一連の4曲(No.82、No.87、No,24、No.2)の順番で収録されている。打楽器が最初に入り作曲順番が初期の方に、さかのぼることになる。CDで聴取する限り、No.2は小規模だがアンコールのように締めくくる位置づけとして私は考えていた。この考え方も一理はある。しかしライヴの演奏会でNo.2が最後だと奏者が少なくなる。
現代のオケのプログラムに慣れている聴衆が多いと思う。No.82を最後に持ってきた方が、迫力があるように思う。ライヴの映像ではNo.82の終わった瞬間の拍手は大きかった。No.82はFinaleにクライマックスを持ってきているベストな曲のひとつ。Youtubeのデータでは、演奏日は記載されていたが順番までは分からない。当日の演奏会のプログラムや順番はどうだったのか? 

(タグとして2023年12月30日とする)
(2024年4月14日追記 タグとして2014年4月14日 25  とする)
 002番 ジョヴァンニ・アントニーニBasel室内管弦楽団  Youtube  追記(今後のアントニーニの全集など) その3
2023年12月31日 追記 

 一方、第20集の演奏会の曲目はすでに決まっている。これによるとNo.76からNo.78までの3曲はホーボーケン番号の順番になっている。No.76〜78は3曲がセットで類似した雰囲気が続く。作曲順番で終わっても支障はなさそうだ。

https://www.haydn2032.com/en/projects/no20-for-english-gentlemen?register=tab1&cHash=e1f42365f19790f108540e9c74543277

magnum photo の写真はまだ掲載されていない。しかしNo.76〜78の3曲についてのコンセプトというかテーマ(FOR ENGLISH GENTLEMEN)についての記述がある。井上著にも確か記載があったがこれら3曲は、イギリスに向けての出版あるいは初演を想定していて、ハイドン自身が、「コンパクトで分かりやすい曲とした」などとあった。確かに疾風怒涛期の頃などと比較して、作曲スタイルは大きく変わっている。1783年の出版に際してのハイドンからのコメントに由来する記述から由来する。
 2024年4月に演奏されるので、2つの会場のチケットの販売予定などもネットで掲載されている。興味深いのは演奏に先立つ鼎談のような企画も記載されている。ウイーンの会場は、ブラームスホールとは別になっていて、チケット所有者のうち、50名がこの鼎談を聞くことができる。
鼎談はアントニーニとHorst Haschek Auditorium という人の氏名が記載されている。おそらく、これから3曲が演奏されるに先立ち、テーマについての話など推測される。Moderation 司会役となっていた。アントニーニ自身が主に、テーマについて話すのがメインになっているのか?
 2024年4月6日 ドラティ盤 No.2を聴取。ブログを開始した頃は、ドラティ盤は作曲順番で聴取をしていた。No.1の次はNo.37となっていた。No.2はこれより後で通しNo.だとNo.4になる。しかし最初期の交響曲の一つであることは変わりない。繰り返しが全くない交響曲なので、一気に終わってしまう曲の一つ。しかも3楽章のみ。第2楽章は、この頃のスタイルに共通した弦楽器のみ。しかも全ての箇所がvn.と低弦以下のパートに全く分かれている。第2楽章は、あたかも一時的な休息の様な雰囲気。vn.は対向配置でない。主旋律が左側だけになるので、対向配置で慣れているため、やや違和感がある雰囲気。Cmb.入っているが余り目立たない。

 アントニーニは、CDの最後の4曲目に収録されていた。収録順番では 82。87、24、2となっている。パリセットが前半に続き、後半は初期の頃の交響曲。No.2は4曲目でアンコールのような位置づけの印象と記載した。