音楽聴取記録(交響曲の聴取 各曲の聴取記録 通しNo.28 hob-No16
2024年2月15日 更新

No 
Hob.
No.
 
通称名   作曲年 調性   楽

 fl  fg trp  cl  timp   cmb ランク    聴きどころ、ポイント
28 16 1763 B 4 -  -  - - (1) C 随所にvc.の活躍
       1 B Alleglo
       2 Es Andante
       3 B Andante
4 B Presto
Allegloの第1主題が最初はvc.から提示されその後、vn.へ移る。クレッシェンド的な盛り上がりや、半音階の主題などは注目に値する。Andanteは、vc.のsoloが弱音器付きvn.ユニゾンで.主旋律を提示。vn.の弱音器の効果は、ようやくはっきりと効果が目立つ最初の曲だと思った。個人的には、vc.のsoloをもっと聴かせて欲しい。
 ドラティ盤は全般的にテンポが速く、あっさりと聴こえる。vc.のsoloが殆ど、目立たない。
(2019年12月30日追記 タグとして2010年12月17日とする)
2010年12月23日 ディビス盤を聴取。聴取環境がヘッドホンのため、かなり細かいところまでは、楽器の配置等で分かり難いところはある。展開部の最初のところで、vn.のsoloがディビス盤でもあると推定。→その後スコアをみたがsoloの記述はなかった。しかし違和感は全くない。Allegloは低弦で提示されるのは、珍しい。全体的にややバロック風で作曲年代よりも前の雰囲気なのは、通しNo.27と同じ様な感じ。
2011年3月21日 スコアを見ながら3者の演奏を聴取。Allegloの第1主題は、クレッシェンド的な盛り上がりは前記した。スコアではこの表示はない。
 Andanteのvc.のsoloは第1vn.と常に同じ旋律で1オクターブ下を引く。第1vn.と第2vn.は常に同じ旋律になっている。ドラティ盤は、やはりAllegloのテンポが速すぎて盛り上がりの壮大さなどが聴こえてこない。
 ディビス盤は遅いテンポの分。細かいところまで聴き取れる。Andanteのvc.のsoloはドラティ盤と同様に目立ちにくいところもあるが臨場感はある。繰り返しを忠実に守っているので演奏時間が長い。(16:25)3者の中ではディビス盤を薦めたい。聴き所のポイントとしてvc.の活躍を記した。第2楽章のみがsoloであること。しかし常にvn.と同じ旋律を引いていることから、それほど大きく目立つほどではないと思う。ランクはCで良い。
2013年3月10日 追記。ホグウッド盤を聴取。井上著でも第1楽章は、ややバロック風であると記載されているがホグウッド盤でも同様。ただし小編成のためか、各パートが細かく浮き出ている。今まで3者の演奏に関して第3楽章についてのコメントは、特に記載をしていなかった。
 しかしながら通して聴いてみると、Prestoの速いテンポで一気に駆け抜けて終わるのは心地よい。井上著でも一番面白いのは第3楽章と記載してあったのは、うなずける。
2015年3月4日  ゴバーマン盤を聴取。第1楽章から低弦が活躍するが、一番の聴き所はFinale。低弦独自の動きは、弦が厚いゴバーマンの演奏にもマッチ。
2019年3月25日 エルンスト・メルツェンドルファー ウィーン室内管弦楽団 16番を聴取。1763年の作曲年代ともされている。しかしスタイルからして少し前の雰囲気。第1楽章の冒頭で、低弦低弦の主題を比較的目立たせている。第1,3楽章でのob.はそれほど目立たず。第2楽章のvc.のsoloもそれほど目立たない。録音は良い方。曲自体の特徴が少ないこともあり、全体をとしての印象が少ない。
 2019年10月23日 16番  Kevin Mallon K マロン Toronto Chamber Ochestraを聴取。Gerlach の校訂では、1763年 初頭でNo.6〜8シリーズよりは約2年後になる。しかしsoloの箇所も第2楽章のvc.以外はほとんどなく古風な雰囲気が多い。
井上著でも第3楽章のFinaleが一番面白いと記載がある。確かに8分の6拍子で生き生きとした主題が走りまわるとある。短い動機であるが、冒頭からTuittiでの開始。展開部の冒頭T33は、一方 f ではなく p で開始となる。ここでは音色の対比はもちろんあるが、第1vn.のみで動機が登場。第2 vn.とva.も寄り添うように表現。ここまでほとんどTuittiに近く、低弦を含む各パートの厚みのある響きだった。T300で一転して、低弦が急遽抜け、柔らかく雰囲気が対照的でうまく表現していると思った。
 2023年10月9日 16番 R グッドマン ハノーヴァバンド Roy Goodman The Hanover band を聴取。No.15からの引き続き。初期の作品の一つで、どちらかといえば余り特徴が見つけにくい曲に入るかも。第2楽章は例によって菅楽器が休み、2つのvn.が弱音器を使用。独奏vc.は弱音器を付けないで常にvn.と1オクターブ下を弾く。様々な指揮者を聴取して来た中で、独奏vc.をどこまで目立たせるかについては色々なパターンがあった。グッドマンの場合は、左側で目立たない方。例によって、中央に指揮をしながら、通奏低音としてcmb.が入っている。cmb.の音に埋もれ気味まではいかないが。
 第1楽章は、どちからといえば、休符の箇所が殆どなく、流れるように進む。それに対して、この楽章は冒頭から休止符が、すぐに入っている。T9では特捜cmb.と2つのvn.は休みの箇所がある。流れるような第1楽章と比較して、対照的。ハイドンは緩徐楽章で、疾風怒涛期の頃が象徴されるように、休止符を効果的に使っていた。長調の楽章ではあるが、速くもこの手法を効果的に使用しているとおもった。
この後、聴取予定のNo.13,14は solo の奏者の記載がある。しかし、このNo.16に関して、cmb.の奏者の氏名が記載されていないのは意外。
 
16番  J クランプ Johannes klumpp  Heidelbergersinfoniker

2024年2月13日 16番  J クランプ Johannes klumpp  Heidelberg sinfoniker を聴取。 ファイからのHeidelberg sinfoniker 奏者によりハイドン全集が、もうじき完結になる。残りは 4枚組がまとめては発売予定にあることは既に承知していた。その第1弾の4枚組を入手。1枚目から聴取する。例によって収録順からスタートでNo.16がその第1曲目となる。CDのライナーノートによると4枚組に関しては、作曲順に通して収録。このためNo.16が最初の第1曲目となる。最初期のひとつとは言え、ライナーノートにも記載してあるが、この時点で既にハイドンはこの時点で既に約25曲以上の実質、作曲しているので、初期に近い曲とは言え、作曲年代はは1763年頃。モルティン候時代ではなく、既にエステルハーザ時代となる。
 ハイドンには珍しく弱奏でしかも低弦の主旋律。第1vn.がしばらく登場しない。対向配置の演奏なので、左右のスピーカーなりヘッドホンの装着を確認しておかないと、戸惑う可能性あり。4枚組は全部で14曲。再度の残りは、恐らく約14曲と思うので、合計28曲。残り4枚組は、それほど遠い先の発売はない。残り4枚組も入手予定なので、レビューを一連で書くと、どうしても重複してしまうことも多い。このため、各曲の特徴的な部分を中心に、レビューを書きたい。
 残りの4枚組は多分No.54 以降となる。 エステルハーザ時代でも疾風怒涛期以降。この1枚目も含む作曲時期は、疾風怒涛期前が中心。その中での特徴の一つにはsoloの扱いがある。この曲もその一つで第2楽章の独奏vc.が入る。
 例によって、奏者の数をチェックしてみると 4:4;2;2;1。通常のvc.の奏者は2名でその内1名がvc.のsolo。残りの低弦の伴奏は va.:2、Vc.:1、bass.:1。計4名となる。これら4名は弱音器はつけていないが、あくまでsolo vc.の伴奏に回ることが大きな役割となる。Soloのvc.とvn.を含む伴奏側の音量のバランスは意外、難しいと私はかねてから思っていた。この CDの最後の収録のNo.13にも関連するが。
 もともと、この指揮者と奏者の録音は、私としては、ブルー系の切り詰めた、各奏者の一人一人まで聞こえてくるような鮮明な録音が特徴と思っている。独奏vc.は中央よりもやや左側。しかし直ぐ目の前で演奏しているような雰囲気。得てしてvc.の音色ばかり気になる所ではある。しかし残りの伴奏側に回る奏者も気になるところ。2津のvn.パートは左右に分かれて、soloの箇所は全くない。低弦の伴奏の4名は 右側に2名nva.。 中央にbass.の1名。伴奏のvc.がやや左側。それぞれの箇所はユニゾンで同じ動きになっているので、各パート独自の音色は分かり難い。しかしT9の箇所のように、録音のせいか、各4人の奏者の伴奏の音色が良く変わる。


井上太郎著 ハイドン 106の交響曲を聴く では、この曲はFinaleが一番面白いとの記述があった。確かに第1楽章はやや古風的あるいは実験的。第2楽章は独奏vc.が入るものの、このころには頻繁ではないが、No.13と同様なスタイルがある。 Menuetto のないFinaleは短いながらも完結に終わる。第1楽章はやや遅めのテンポ。第2楽章も作曲者がAndante の指示でややゆっくり したテンポ。最後のFinaleはPrestoの速いテンポ。速いテンポであるが、旋律の切れ目あるいは、リズムに変化に富むので面白いと記述がある。確かにリズムと起伏に富んだ曲と思う。過去に様々な奏者で聴取をしてきたが、かなり速いテンポの方になる。しかし要所では、テンポを微妙に変えていて面白い。