音楽聴取記録(交響曲の聴取 各曲の聴取記録 通しNo.24 hob-No108B

2024年1月10日 更新

No 
Hob.
No.
 
通称名   作曲年 調性   楽

 fl  fg trp  cl  timp   cmb ランク    聴きどころ、ポイント
24 108B 1762頃 B 4 -  -  - - (1) D 習作風の4楽章。
       1 B Alleglo molto
       2 B Menuettoーalegretto
       3 Andante
4 B Presto
Menuettoがある4楽章だが全般的に演奏時間が短い。通しNo.では24番目に位置し、1762年頃の年代になっている。習作というか簡単に書いた様な感じが強く、聴き通してみると、もっとも初期の頃の作品に近い雰囲気。Menuettoのtrioでは、fg.のsoloあり。フィッシャー盤では、このtrioでvn.soloとなっている。Andanteは2部形式の小カノン風。
(2019年12月30日追記 タグとして2010年12月14日とする)
2010年12月21日 ディビス盤を聴取。Alleglo molto のテンポは、ややゆったり目。Adannteのテンポは、かなりゆったり。管楽器が休み弦のみで演奏。音量もかなりフィッシャー、ドラティ盤以上に落としている。その分g−mol の調性とも相まって独特な雰囲気。他の楽章は主調のBであるのと対照的。第3楽章だけをとったら、Cランクとしたいが全体を通すと、Dランクのまま。
2010年3月14日 スコアを見ながら3者の演奏を聴取。演奏時間が短いのは、前にも記載をした。スコアをもう一度チェックをしてみたら下記の通り。小節数だけで曲の評価を論じる訳には短絡すぎるが参考までに記す。
第1楽章:48小節
第2楽章:56小節
第3楽章:35小節
第4楽章:96小節
これまでの作品と比較しても、演奏時間が短いのは拭えない。fg.とob.のsoloの箇所は適宜あるが習作風に書いた印象に終始。
 フィッシャー盤ではMenuetのtrioの部分は、必ずと言ってよい程.soloの箇所がある。スコアの指定は管楽器のみであるが、フィッシャー盤では弦のsoloを伴う。この点は前から納得をしている。この曲に関しては、第1、第2vn.がスコアでは同じ旋律になっていた。
 注意深く聞いてみると、第1vn.のみがsoloで演奏していると思った。(演奏者の配置より)同じ旋律のケースの場合、vn.の演奏者は一人と決めているのかもしれない。(それに対して、va.とvc.はsolo。(これまでは、第1、2vn,までの区別はできなかった) 
 一方、ディビス盤では、弦のsoloはないが、cmb.が第1vnの対旋律で添えている。ランクはDで良い。
2013年3月2日 追記。ホグウッド盤を聴取。Menuettoのtrioでは、fg.のsoloがある。ここでは繰り返しは、装飾音の奏法となっている。一方、少ない弦の編成のためか、伴奏の低弦の音が沿うような感じ。
 第3楽章は独特な」雰囲気で、カノン風に進んで行く。最初は第2vn.で提示されているのは、No.11と同じ。ここと同様に各弦の動きも味がある方だと思うが。しかし如何せん35小節と短すぎる。元々ランクを低く自分なりにしていることもあり、記述する点は少ない。
2015年3月1日  ゴバーマン盤を聴取。ゴバーマンは、全集の録音に至っていない。補完的な、当初の104曲には含まれなかったAとBの2曲は、14枚目のNo.98に引き続いて収録され最後になっている。
 第2楽章 Menuetto のTrioの部分では、独自の旋律で装飾。第3楽章 Andanteは、テンポをかなり落として、第2vn.から始まる冒頭の旋律が引き立つ。僅か35小節しかない緩除楽章であるが、対旋律で浮き立つゴバーマンの演奏は、遅いテンポととも相まって全集盤の3人(フィッシャー、ドラティ、デイビス)やホグウッドなどと比較して一番と推薦したい。
2019年3月4日 エルンスト・メルツェンドルファー ウィーン室内管弦楽団 107番B を聴取。 ハイドン音盤倉庫で下記のブログで、緩叙楽章での弱音の美しさについての記載がある。

http://haydnrecarchive.blog130.fc2.com/blog-entry-1747.html

 今まで聴いて来た中で確かに緩叙楽章は、どちらかといえば遅めのテンポでvn.を中心に旋律を引き立たせるのが特徴と思う。通し番号20番台は、1762年ごろから1764年頃。1761年のNo.6〜8シリーズとNo.31 「ホルン信号」の間に大体位置している。疾風怒濤期の前であるが、どちらかといえば曲自体に特徴が余りにないものが自分なりに感じていて、聴取記録を書くには少し苦しい時期にあたると思う。
 この曲も元々、自分なりにランクを低くしていて、それほど特徴はどの指揮者も余りないように記載をしてきた。Menuetが第2楽章になり、緩叙楽章がFinaleのひとつ前の第3楽章になる。この頃の特徴のひとつとして緩叙楽章は全て弦楽器のみ。 d-mol で弦の各パートがカノン風に進んでいく。テンポはかなりゆっくり。珍しく展開部と再現部の繰り返しも採用。メルツェンドルファーの演奏だと6:58にも渡る。緩叙楽章の消えるように終わる終始から、Tuittiで明るい雰囲気に対比されるところはどの曲にも共通している。特にこの曲はmenuetを挟まないので対比が目立つ。録音は普通。第2楽章trioでfg.のsoloがある。この部分で他の曲と同様に、soloに近い箇所で管楽器が登場する部分は多少の違和感がある。SoloとTuittiでの溶け合い感は余りなく、平面的な音響。
 2019年10月16日 107番 B  Kevin Mallon K マロン Toronto Chamber Ochestraを聴取。No.106 A から引き続き聴取すると同じB-Durが続くことになる。作曲年代がNo.6〜8シリーズの少し後の 1762年頃で No.106より数年後となる。このためか、fg.を含めて、soloの箇所が多く入り低弦などの独自の動き対位法的な箇所も多い。このため、No.106と比べて各パートの独自の動きを含めて、聴き所が増えてくる。 繰り返しは忠実に採用。テンポもややゆっく目なのは同様。


2019年10月22日 追記
 このCDと同じ音源かは不明だが、Youtube に 第4楽章の動画がアップされていた。


https://www.youtube.com/watch?v=fwWty4SYilk

これによると弦の奏者は、以下の通りか?
4:4:2:2:1

弦の総数は13名。fgは1名でcmb.は右側に位置。楽器は古楽器なのが分かる。この奏者だとホグウッドなどと同じような規模になる。ob.は左端に位置。録音ではob.は通常のオケと同様に中央よりになっている。
 
2023年J クランプ ハイデルブルク交響楽団 Johanees klumpp  Heidelberger sinfoniker 108番(B)を聴取。No.33から引き続くが、こちらは、No.33と比較して、作曲スタイルが少し前の雰囲気。元々fg.は1名だが、珍しく第2楽章にある Menuetto のTrio の部分で soloの箇所がある。この直前までの時点では fg.のsolo の箇所はなく低弦と一緒に演奏をしていた。しかしこの部分では、fg.がsolo として明白に位置。
 このシリーズの録音は、ブルー系の音色で残響を少し抑えている。あたかも指揮者の位置で、包み込むように各パートの奏者が分かる録音は、このCDでも同様。F菅楽器のob.、hr.fg.の並びについて。一般にfg.は右側に位置することが多いと思う。しかしこの録音では fg.は左側に位置している。vc.の低弦は左側 第1vn.の奥側に位置している。vc.の音色に合わせて、左側に位置を意図していたのか。 Trioの箇所では、左側のfg.のsolo の箇所はもちろん、目立っている。伴奏側の弦楽器で、右側のva.(ライナーノートによると2名になっている)は、soloで弾いている。Trioの繰り返しの部分で、弦楽器の一部が、後半では、コマで叩く奏法にするなど、音色にも工夫を加えている。

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 108番、52番、44番 G アントニーニ Youtube 2024年1月10日 追記。

Youtubeに上記の3曲の映像がアップされていた。休憩時間を挟んでいることもあり、収録は約2時間となっている。サイトによるとこの年は Vienna  Musikverein Vienna, Brahms-Saal  Musikverein Vienna, Brahms-Saal、  Basel  Don Bosco Basel:
の2か所が記載されている。映像を調べてみたら、 Basel  Don Bosco Baselのようだ。バーゼル大聖堂ではないが、徒歩圏内にある。映像が開始してから、奏者が少しずつ、左右の舞台袖から入場する。この舞台は思ったより狭い。管楽器の奏者が大きなhr.をもって、舞台の前から奥側のやや高い位置の椅子席にあがるときも、譜面台を避けるように狭い。舞台の左右の端にはカメラの撮影スペースにもなっているので、なおさら奏者のスペースが狭くなっている。
第19集のテーマは 「TRAUER」になっている。Youtubeなので、音声はステレオで聴けるが、音質は今一つ。映像も私の通信環境では、全画面で見ると細かいところまではスムーズにきれいに視聴できなかった。プログラムとテーマからすると、最後のNo.44がメインで収録されている雰囲気。No.44はhr.は調性が異なる2本となる。楽章間でhr.奏者がクルック管を交換する作業があるため、指揮者は、hr.の奏者を見ながら間合いを取っていた。だが私が見る限り、この日のhr.奏者の楽器の調整が余りよくないと感じた。時折、hr.の音程がわずかではあるが、滑るところがあると思った。Soloとしてのhr.の旋律の箇所は少ない。しかし持続音で和音として支える重要な役割が大きい。収録は2023年10月16日。
bass.のsolo奏者は背後に椅子は用意してあったが、演奏中はすべて、立って演奏していた。一方、もう一人の奏者は常時、椅子に座って演奏。以前にNo.8の時に、soloの奏者が、隣の奏者にあたったことに頭がよぎる。
なお、No.44が終了した後、アンコールの映像もあった。アンコールでは2曲目のNo.52のFinale。通常のプログラムではすべて繰り返しを採用。最後のアンコールでは提示部の繰り返しはあるが、展開部と再現部の繰り返しはない。
なおこの映像は2024年1月16日までの期間限定となっている。YoutubeでもCDと同じような写真も掲載されていた。しかし音質はCDの方が勝っていると思うので購入予定。