2018年4月11日 ヘルムート ミュラー=ブリュール ケルン室内管弦楽団No.36を聴取。このCDは、これ以外にNo.13、協奏交響曲が収録されている。日本語解説の帯の部分の記述によると、ハイドン作曲「ジュピター交響曲??」と記載がされている。これはNo.13のFinaleの主題がジュピターのFinale主題に類似しているから。それよりも3曲の選曲が面白い。最後の協奏交響曲をメインに持ってくるに伴い、その前に初期の交響曲を2曲持ってきたこと。この2曲は緩叙楽章でいずれも弦楽器のsoloが随所に登場すること。他にも初期の交響曲で類似のもあるが、今回は何故かこの2曲になっている。No.6〜8は3曲のセットでCD発売されることも多いので、これ以外にこの2曲を持ってきたのかもしれない。下記のブログにも、No.36を含めてレビューがある。
http://haydnrecarchive.blog130.fc2.com/blog-entry-707.html
4楽章の中で、私なりの聴き所では「第1楽章の展開部の素材が豊富」を記載した。この時代としては、珍しく提示部と展開部の長さが全く同じ。(60小節)再現部は64小節なので提示部よりも、少し縮小されている。長い提示部でも短調の箇所が随所にあり、石多著「交響曲の生涯」でもこの特徴に記載がされている。
ミュラーの演奏では長い提示部の中で、強弱を中心に微妙にスタイルを変えている。提示部は繰り返しをしているが、提示部の繰り返しの部分で装飾などは特に行っていない。長い展開部で提示部からの素材が殆ど随所に採用されているのが、この曲の特徴ではある。展開部でも、強弱を自然な雰囲気であるが微妙に変えている。ただし第2vn.は右側に位置していない。Vn.同士の掛け合いの箇所が、Finaleを中心に多いがこのあたりが聴こえないのが私としては残念。
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