ディベルティメントなど 2025年1月4日 追加 |
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Hob II:1 - Flute Quartet Op. 5 No. 4 in G major 2022年9月17日
下記のブログに、ハイドンの室内楽の紹介があった。
http://micha072.blog.fc2.com/blog-category-10.html
備忘録的ではあるが、youtubeで紹介のあった室内曲を中心とレビューについて
。主に交響曲を中心に比較をしながら記載をしていく。なお、この曲を含め、
はじめて聴取するため、他の奏者との比較はできない。交響曲は全てレビューをしているが、
それに対して弦楽4重奏は、全てを聴取して
いない。このため、あくまで交響曲を中心に、自分なりのレビューを記載する。
Hob II:1 - Flute Quartet Op. 5 No. 4 in G major
4楽章から構成。データによると、 Kuijken Quartet.なので、古楽器の使用。
作曲年代は下記のyoutubeによると1766とあるが、正確なデータかどうかは
不明。ハイドン作品辞典では最古の年代は1760年代の記述もある。
(下記のアドレス)
https://runchibi0808.blog.fc2.com/blog-category-28.html
上記のレビューでは、第2楽章の後半に交響曲No.6の序奏に酷似している
記述があるが、私には分からない。しかしこの楽章の冒頭の主題そのものが
交響曲No.8の第2楽章に酷似していると思う。
第4楽章のFinaleは変奏曲。主題の提示とともに、6つ変奏曲が続く。
この曲の冒頭から、fl.を含む室内楽のスタイルが続いていた。しかし
Finaleに入ると、冒頭からの主題はfl.は入っていない。第1変奏は第1vn.
が主体で低弦がオブリガート。第4変奏で初めてfl.が登場。第5変奏は
fl.が休み、低弦が主体。この変奏はvn.は休み、低弦が主体だが、重音を
生かしているのか微妙な味わい。変奏曲自体がNo.31やNo.72などに類似
している雰囲気。交響曲のFinaleに変奏曲を用いる手法は、ハイドンは
初期から採用している。しかしザロモンセットなどの終わりの交響曲は
変奏曲は少ない。変奏曲自体、どちらかといえば、soloを含めた手法が
多いため、室内楽に向いていると思う。このような室内楽にも適して
いると思った。
yotube
1:55 / 21:52
?
1. Allegro
J. Haydn - Hob II:1 - Flute Quartet Op. 5 No. 4 in G major
12,099 回視聴 2014/06/28 The quartet is set in 4 movements:
1. Allegro (0:00)
2. Andante moderato (3:32)
3. Menuetto (12:51)
4. La fantasia: Moderato con variazioni (14:04)
Composed in 1766. Anonymous arrangement of the Cassatio a 6, published in London in 1768.
Performers: Kuijken Quartet.
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Hob II:3 - Parthie in G major 2022年9月18日
管楽器のディベルティメント。通常はfg.が1名だと思う。この曲では2名が演奏。
第2楽章のTrioが短調になりテンポをかなり落とす。メインの旋律はob.だと
思う。2名のhr.は左側。それに対してfg.は右側に位置。
2番目のMenuet の中間部Trioの部分fg.を含めて、各パートがそれぞれ分かれて
いる。
ネットの奏者は Consortium Classicum.となっている。ウィキペディア(Wikipedia)
によると、9名の管楽器の合奏団になっている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%AB%E3%83%86%E3%82%
A3%E3%82%A6%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%B7%E3%82%AF%E3%83%A0
4,511 回視聴 2014/06/28 The divertimento for wind sextet is set in 5 movements:
1. Allegro (0:00)
2. Menuetto (0:48)
3. Andante (3:23)
4. Menuetto (6:19)
5. Presto (9:21)
Composed in 1766.
Performers: Consortium Classicum.
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Hob II:6 - String Quartet in E flat major (Op. 1 No. 0) 2022年9月19日
ディベルティメントになっているが、紹介ブログのように弦楽四重奏と同等。
第1楽章はPuresto の指定になっているが、この演奏ではかなり遅いテンポ。
Adagioの第3楽章は提示部の繰り返しあり。第1vn.が主体で動く。
奏者の Kodaly Quartet は弦楽四重奏の全集を出している。この曲は
元々ディベルティメントなので、弦楽四重奏曲に含まれているのか
どうかは不明。FinaleもPurestoの指定になっているが、第1楽章と同様にテンポが遅め。
第1、第5にも共通するかもしれないが、両端の楽章は、第1vn.が主体として動かず各パートが均等になっている。
14,553 回視聴 2014/06/29 Divertimento set in 5 movements:
1. Presto (0:00)
2. Menuetto (1:55)
3. Adagio (5:32)
4. Menuetto (10:20)
5. Finale: Presto (14:10)
Composed in 1751. The divertimento was most likely composed with horn parts. Was later published in 1764 as a string quartet in replacement of Op. 1 No. 5. The quartet is now known as "Op. 1 No. 0".
Performers: Kodaly Quartet.
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Hob II:9 - Flute Trio Op. 11 No. 5 in G major 2022年9月20日
ハイドン作品辞典によると、原曲?は、菅弦9声部で5楽章になっている。
このYoutube ではfl.、vn. vc.の3名の奏者で3楽章。
元々の5楽章の内、最初の第1、2楽章はカットされたか。
5,555 回視聴 2014/06/29 Arrangement of divertimento a 9 for flute, violin & cello in 3 movements:
1. Adagio cantabile (0:00)
2. Menuetto (3:19)
3. Finale: Presto (6:37)
Published in 1768.
Performers: Schonbrunn Ensemble.
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Hob II:11 - Cassatio a 6 in C major "Der Geburgtstag" 2022年9月21日
ハイドン作品辞典では第2楽章は交響曲No.14の第2楽章の転用の記述がある。
全く同じではなく、主要旋律は多少にているが、異なる箇所も多い。
交響曲No.14の方は、弦楽器でユニゾンでvc.のオブリガートが入る。
それに対してこの曲はユニゾンの箇所もあるが、各パートが異なって動く
箇所もある。
録音はfl.とob.の管楽器は中央よりだが右側。tuittiの箇所など
左側に弦楽器。右側に管楽器た対比的に位置する。普段はfl.は左側が多い
と思う。それに対して、やや変わった音色。
第4楽章 Finale は交響曲 No.14 第2楽章の主題をもとにして変奏曲。
Finaleの変奏曲は、一番初めにも同様にあったが、各パートを切り変えながら
様々な音色で楽しめる。この曲も同様で、fl.が主旋律を受け持つ箇所でも、
伴奏側の弦楽器は p のピチカートで控えめに回る。交響曲のNo.31、No.72の
Finaleと共通した様式に近い。第1vn.がかなり高い音域でsoloの様に装飾する
スタイルなどは、類似点が多い。第1曲めと同様だが、Finaleに変奏曲を持って来た室内楽は
交響曲の先駆? あるいは、完成した後のアレンジになっていることがよくわかる。
曲全体の長さも元々長いが、繰り返しが殆どないFinale自体がかなり長く、聴きごたえのある曲
と思った。
8,323 回視聴 2014/06/29 Divertimento for flute, oboe, 2 violins, cello & continuo in 4 movements:
1. Presto (0:00)
2. Mann und Weib: Andante moderato (2:37)
3. Menuetto (5:59)
4. Finale: Moderato con variazioni (9:03)
Composed in 1765.
Performers: Linde Consort.
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Hob II:11 - Flute Quartet Op. 5 No. 6 in C major 2022年9月22日
このYoutubeは全て、管楽器のみで演奏。ob.の代わりにcl.が入る。
4,129 回視聴 2014/06/29 Flute Quartet in 4 movements:
1. Presto (0:00)
2. Mann und Weib: Andante moderato (2:24)
3. Menuetto (7:37)
4. Finale: Moderato con variazioni (9:55)
Composed in 1765. Anonymous arrangement of the Cassatio a 6, published in London in 1768.
Performers: Kuijken Quartet.
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Hob II:14 - Divertimento a 4 in C major 2022年9月23日
このYoutubeは全て、管楽器のみで演奏。ob.の代わりにcl.が入る。
5楽章だが、合計 5:25なので、一気に終わってしまう。
5,522 回視聴 2014/06/29 Divertimento for 2 clarinets & 2 horns in 5 movements:
1. Allegro (0:00)
2. Menuetto (0:40)
3. Adagio (1:42)
4. Menuetto (3:51)
5. Finale: Presto (4:46)
Composed in 1761.
Performers: Haydn Sinfonietta, conducted by Manfred Huss.
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Hob II:20 - Cassatio a 9 in F major 2022年9月24日
弦楽器は1名ずつであるが、管楽器は2名なので、室内楽の交響曲の様な雰囲気。
交響曲としては弦楽器を除きフル編成
第2楽のn Menuetto の tiroの部。交響曲の Menuetto trio にきょうつうする動機だと
部分とおもうが すぐに思いだせない、。後日掲載予定。
第3楽章の冒頭No.40? Finale ob.協奏曲の類に近いに類似。
室内楽での過去の類似作品ついて聴取してきた。交響曲ならもし、soloの箇所が多かった
のなら、soloとつtuittiの箇所は、奏者の使い分けや音量の差で演奏は披露できる。
しかし、今まで聴取してきた中では、奏者がすべて室内楽なので限られる。しかし人間
の視聴のとしての聴き方。あるいは、録音を含めた音量などの調整に
より、聞き分けが可能と思う。このAdagioの楽章などはその典型の一つで、
奏者が1名ずつでありながらもsoloとtuittiの区別がうまく表現されている。ハイドンの
交響曲の室内楽版の編曲でも思ったが、tuittとsoloの関係や録音などに
について、一層、興味を持った。
2,864 回視聴 2014/06/29 Serenade for 2 violins, 2 violas, 2 oboes, 2 horns & bassoon in 5 movements:
1. Allegro molto (0:00)
2. Menuetto I (4:05)
3. Adagio (8:08)
4. Menuetto II (13:56)
5. Finale: Presto (16:51)
Composed in 1763. Published in 1772 as a symphony.
Performers: Linde Consort.
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Hob II:21 - Cassatio a 6 in E flat major 2022年9月25日
弦楽器に加えて2名のhr.奏者が入る。この録音ではhr.は左右に分かれて配置。 Menuetto のTrioの部分
など、2名のパートの掛け合いが楽しめる。ここまで聞いてきた特徴のひとつだと思うが、5楽章の真ん中の
緩徐楽章。もちろんテンポは遅いが、第1vn.を中心に謡うように聞かせる。この曲は第1vn.は、弱音器を使用して
いないが、他のパートは弱音器を使用し、ピチカート奏法になるなど、初期の交響曲とは異なり、室内楽のような
雰囲気。
人気が低く演奏機会も少ないので、スコアは身近には入手できないと思っていた。Imslpに掲載がされていた。vn.のパート
は1名の奏者の演奏だと思うが、思ったより重音の箇所があることは意外。
1,858 回視聴 2014/06/30 Divertimento for 2 violins, viola, double bass and 2 horns in 5 movements:
1. Allegro molto (0:00)
2. Menuetto (2:54)
3. Adagio (5:34)
4. Menuetto: Poco allegro (11:45)
5. Finale: Presto (14:54)
Composed in 1763 and published in 1766 as string quartet.
Performers: L'Archibudelli.
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Hob II:22 - Cassatio a 6 in D major 2022年9月26日
一つ前の Es-Dur と異なり、明るいD-durの調性。緩徐楽章の小節数は少なく、繰り返しがあっても、比較的演奏時間は短い。しかし
2つの Menuetto を含む他の楽章とは異なり、中間に位置することもあって、一番の聴き所であるt
感じている。前の曲にも共通するが、第1vn.が主体でありながらも、伴奏側に回る第2vn.以下の低弦楽器の旋律も興味深い。短い箇所ではあるが調性が短調に変わったり、
シンコペーションの動機が時折あるなど、丁寧に作曲されていると感じる楽章。第2 Menuetto は
No.53、No.104にも(同じ調性)共通するような動機。
2,834 回視聴 2014/06/30 Divertimento for 2 violins, viola, double bass and 2 horns in 5 movements:
1. Presto (0:00)
2. Menuetto (2:28)
3. Largo cantabile alla breve (6:05)
4. Menuetto (14:03)
5. Finale: Allegro molto (16:35)
Composed in 1764 and published in 1766 as string quartet.
Performers: L'Archibudelli.
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Hob II:24 - Variations on a minuet in E flat major 2022年9月27日
Menuetto と5つの変奏曲。この演奏ではイングリッシュホルン2名が入っている。
ob.の代わりに入っていること。fl.は1名ということもあり、柔らかい雰囲気。
ハイドン作品辞典によると、何かの曲の断片ではないかの記述あり。
Menuetto と変奏曲のパターンは、ここまで聞いてきた中で Hob II:1、
Hob II:11が終楽章にある。これらの2曲は小節数も長く、各パートでも音色を
生かして変奏曲としての楽しみが多い。この曲も同様。hr.を含めた 各パートの
装飾的な演奏も楽しめる。
2,105 回視聴 2014/06/30 Variations for flute, 2 English horns, 2 horns, bassoon, 2 violins, viola, cello & continuo. Composed in 1762.
Performers: Haydn Sinfonietta, conducted by Manfred Huss.
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Hob II:26 - Notturno No. 2 in F major 2022年9月30日
ハイドン作品辞典によると25〜32は リラ・オルガニツァータからの
ノットルノとのこと。下記の奏者のリストにはob.の記載があるがCL.に代わって
いるようだ。ob.が入らない分、音域の広いCL,と音域の高いfl.の奏者のため
終止柔らかい雰囲気。
他のディベルティメントにも共通すると思うが、テンポの遅い緩徐楽章では管楽器が主旋律を受け持ち、伴奏が弦楽器に回る。このとき、
伴奏側の弦楽器は弱音でピシカートの奏法もときおりあり。この曲は低弦の持続音の長い箇所が多く、その分、動機の短い旋律が
各パートで支えられている感じ。楽器の奏者が多くその分、各パートの数が多くなる。小さな交響曲の様な雰囲気。
3,310 回視聴 2014/06/30 Divertimento for flute, oboe (orig. 2 lire organizzate), 2 horns, 2 violins, 2 violas and cello in 4 movements:
1. Adagio (0:00)
2. Allegro spirituoso (1:03)
3. Adagio (6:03)
4. Finale: Allegro con brio (9:18)
Composed in 1789.
Performers: The Music Party.
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Hob II:27 - Notturno No. 8 in G major 2022年10月1日
奏者は異なるが ハイドン音盤倉庫にもレビューが掲載。
https://haydnrecarchive.blog.fc2.com/blog-entry-799.html
上記のCDは8曲が収録されていてその最後にあたるのがこの曲。レビューでは3楽章の曲であるが、ラルゴの序奏があり最後の曲とあって曲の充実ぶりが際立ちる
と記載がされている。No.26から聴取すると、その差は歴然。ハイドン作品音楽辞典による1792年に第2は が序奏を追加で
第2版として1792年に作曲されロンドンでも演奏された記述がある。
作曲年が確定していることもあるが、パリ交響曲やザロモン交響曲も含めた、その前後の
旋律に共通するような雰囲気が随所に漂う。例えば以下の類似箇所。
第1楽章の第1主題→交響曲No.88 finale の第1主題
第2楽章の第1主題→交響曲No.87 第2楽章の第1主題
特に、第2楽章の中でhr.の旋律がNo.85にも類似箇所がある。ここ数年の交響曲の中から、良い所を
引用してきた曲の感じ。中間部は c-mol に転調するが、提示部の対比も明白。あたかもこの時代の
交響曲を室内楽に編曲したのがよくわかる。この演奏はva.が2名になっていて奏者も多い。va.を
含めた各パートの掛け合いがよくわかる。 Menuetto はないが、冒頭の序奏もあるので3楽章の交響曲の室内楽へ編曲したような名曲の一つだと思った。
imslpには スコアが掲載されていた。それによると序奏に登場する装飾音など、当時のロンドンの聴衆なども意識した作曲者のイメージがよくわかる。
vc.とbass.は1名ずつだが、vc.は高音域を受け持つ部分も多い。低音域のbass.との対比も目立ち、一層、各パートの動きがスコアでもよくわかる。
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Hob II:28 - Notturno No. 8 in F major 2022年11月12日
天体観測会の準備、片付けなどでしばらく中断していた。
IMSLPのホームページには、スコアの掲載はない。第1楽章の提示部、展開部と再現部の後半は
繰り返しを採用。めったに聴取しない曲で、しかもスコアがない曲なので、繰り返しがあるのはありがたい。
冒頭の第1主題の動機は No.98の第1楽章の雰囲気に似ている感じ。時折、急に転調して音量を落として短調に調性が変わるス対rうはハイドンには良く用いられる手法だが、この曲にも当てはまる。リラ協奏曲からの編曲なので、緩徐楽章などは、持続音の動機の箇所などは古楽器の中の弦楽器の音を響かすようにここでは演奏しているようだ。第2楽章の冒頭の旋律は、装飾音を加えてNo.102の動機に類似している雰囲気。
Notturno あるいはセレナーデ、ディベルティメントなどの室内曲は、かつてはモーツァルトを中心に聴取したことがある。
モーツァルトの曲は、作曲者自身が、編曲としての室内楽でなく、もともと、様々な楽器の構成から任意に依頼者からのニーズに応じて適宜、作曲されたと思う。ベースには編曲はない。しかしこれらの一連の曲はリラからの編曲からなっている。このため、モーツァルトの類似作品と比較して、作曲目的が異なるためか、リラの楽器の特性(音域、音色など)を知る上でレビューする必要がありそうだ。
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yotubeからの音源なので、奏者などの詳しいデータは分からない。
奏者は違うかもしれないが、ハイドン音盤倉庫にもレビューがある。
https://haydnrecarchive.blog.fc2.com/blog-entry-799.html
ハイドン作品辞典によるとこの曲では第1版、第2版ともに clの記載がない。しかしこの演奏ではcl。が入っている。
類似作品の楽器編成を調査していないが、この曲に関しては、clを含むので、室内楽の分野ではフル編成のようだ。
第2楽章のAndantde でもテンポを落としているが、弱音の中でも各パートの音色の違いがよく分かる。(特に低音域のhr.が印象的)
ハイドン音盤倉庫ではFinale fuga では、どこまで聞いた主題だが思い出せないと記載があった。
私には、交響曲 No.40のFinaleに類似していると感じた。調性は違うが、冒頭から対旋律を伴う主題で開始。No.40の冒頭は第2vn.が主旋律を演奏する。No.40の楽器編成は管楽器はfg.とob.のみ。
それに対して、この曲はcl。を含むフル編成。No.40も198小節しかなく、繰り返しもないので、一気に終わってしまう。この曲も短いながらも室内楽とは思わないような壮大な雰囲気。fuga形式による影響かもしれない。
私の調査では、No.40は生前から出版され人気のあった曲のひとつと記載をした。これに回帰させるために、この主題を持って来たのかと推定している。

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Hob II:30 - Notturno No. 10 in g-major 2022年11月14日
ハイドン作品辞典では第3楽章が欠落したと記述。Imslpにはスコアが掲載されている。
第1楽章はNo.8の交響曲のFinaleにも類似している雰囲気。この演奏では、繰り返しを全て採用。展開部と再現部に、2か所にわたり2小節の休止符がある。
この長い休止符を生かして、作者が楽しんでい雰囲気。
第2楽章 andannte は No.60の第2楽章の主題にも似ている雰囲気。No.60の方は、転調を繰り返しながらも、音色の強弱を対比させ、聴衆をびっくりさせる手法だと思う。それに対して、この曲では、緩徐楽章の交響曲の第2楽章 変奏曲の手法の様に、装飾を中心として流れるように変奏していく雰囲気。No.80No.81の第2楽章のように、最初に主題が提示された後、各パートに様々に受け渡しながら、音色の変化を特徴としている雰囲気。交響曲とちがって、va.は2名だが、弦楽器の奏者が少ない。その分、ザロモン交響曲の室内楽版の様に、楽しめる。室内楽版は主旋律はfl.を中心に役割を持たせていることが多い。しかしこちらの方は、リラからの編曲とは言え、各パートは均等に演奏しているようだ。
リラ編曲シリーズは1791年頃を中心に、ロンドンのザロモンコンサートにも登場している。当時のハノーヴァホールは、弦楽器もフル編成で狭い舞台の中でも多くの観客た立ち見で観賞していた。演奏会の日にちによっては弦楽四重奏も披露された演目もある。初演当時のこの曲が各パートが1名ずつの室内楽版で演奏されたのか? あるいは弦楽器の奏者は複数だったのか? もし各パートが1名ずつの室内楽版なら曲に応じて奏者の入れ替えがある。狭い舞台に休憩もかねて、演奏会の途中あたりで登場するこの奏者の移動がどのようだったのか?当時の記録があれば知りたいと思った。

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Hob II:32 - Notturno No. 2 in c-major 2022年11月25日
一つ前のNo.31から引き続く。楽器編成でしかも同じ調性なので、No.31との差は余り感じにくい。No.31ではvn.の代わりにva.が2名なのは承知をしていたが、この曲ではvn.が不在なのがよくわかる。2名のva.は各パートに高音域を受け持つパートの多い箇所がある。Finaleではhr.が独自の旋律で途中から入ってくる。No.90のFinaleの動機に類似していて、室内楽ではありながら、交響曲のFinaleの様な雰囲気で終始。
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